「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか
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これは、少年が歩み、女神が記す、
── 【眷族の物語】──

迷宮都市オラリオ──『ダンジョン』と通称される壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。
未知という名の興奮、輝かしい栄誉、そして可愛い女の子とのロマンス。
人の夢と欲望全てが息を潜めるこの場所で、少年は一人の小さな「神様」に出会った。
「よし、ベル君、付いてくるんだ! 【ファミリア】入団の儀式をやるぞ!」
「はいっ! 僕は強くなります!」
どの【ファミリア】にも門前払いだった冒険者志望の少年と、構成員ゼロの神様が果たした運命の出会い。

大森藤ノ×ヤスダスズヒトのコンビが贈る、GA文庫大賞初の《大賞》受賞作、ここに開幕!!

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駆け出しの冒険者、ベル・クラネルは亡くなった祖父の言葉を胸に抱き、ダンジョンに潜る。
いつものように浅い階層でモンスターの討伐を行っていたベル。しかし突然、5つほど下の階層に棲息する強力なモンスター、ミノタウロスが姿を現す。そしてミノタウロスに追い詰められ、襲われそうになったところをロキ・ファミリア所属の少女、アイズ・ヴァレンシュタインに救われる。彼女の強さと美しさを目の当たりにし、ベルはアイズに恋心を抱く。
シルの酒場にて、自分を嘲笑するロキ・ファミリア団員の言葉を聞いてしまうベル。弱い自分ではアイズ・ヴァレンシュタインと関わることは許されない、その現実にショックを受ける。
自分を見失ったベルはそのままダンジョンを我武者羅に突き進んでしまい……?

ルビが結構振ってあったりして読みづらいかな?と序盤はちょっと思ったけど、まあ慣れれば問題ない感じ。
頼りない神様ことヘスティア、そのファミリアメンバーはベルのみ。貧しい中を二人きりでなんとかやりくりし生活してきたということで、描写からひもじい感じがよく伝わってくる。
それにしてもヘスティア……ロリおっぱいとか素晴らし、もといけしからん! あと明らかにベルに好意を寄せているのに、ベル本人は「神様だから」と常に頭に起き、好かれているなどとは考えようとしない。それがまたもどかしいのなんのって…!

無力で弱い自分を嫌になる……その劣等感みたいな気持ちはよくわかるなぁ。指摘された“弱者”の烙印は事実だから反論できるはずもなく、そんな自分にまた腹が立つ。逃げることは簡単だけど、それでも強くなろうと決意したベルは偉いし何より男らしいと思う。……他人を見下して楽しむあのビーストにはマジでムカついた。

ステータスが数字で細かく書かれるパターンの作品は意外と読んだことがなかったので、新鮮だった。強くなっている、と分かりやすいし、ゲームっぽくていいと思います。
美の神、フレイヤが今回の事件を起こした張本人。彼女はベルを一目見たときから気に入ってしまい、彼を手に入れるためにモンスターを街に放す。
街へと出てきたモンスター、シルバーバック。11階層級のモンスターが相手ではいくら成長が目覚ましいベルとはいえど敵いはしない。自分が時間稼ぎをしてヘスティアを逃がそうとする、ベルの想いに心が打たれた。本当にヘスティアのことを大事に思っているんだな、と強く感じました。感動した……(涙)
ステータス更新。ヘファイストスに作ってもらった特製の短剣を手に、ベルは最後の力を振り絞りシルバーバックに立ち向かう。

ヘスティア・ファミリアの二人には幸せになって欲しいな、と純粋に思った。メンバーも増えたりしたら賑やかになってさらに楽しそう。
ベルの成長は止まらない。彼がどこまで強く、逞しくなっていくのか、その行く末がとても気になります。