「ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー3」感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー3 (電撃文庫)/アスキー・メディアワークス
¥620
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“四季”最大の秋保家が陽月を狙う──!?
第18回電撃小説大賞<銀賞>受賞作第3弾!!

 TCGの要素を取り入れた異能アクションエンターテインメント「ウィザード&ウォーリアー・ウィズ・マネー(WWWM)」。そのプロリーグで華々しくデビューを飾った皿次と陽月だったが、その後は並み居る強敵たちを相手に苦戦を続けていた。そんな二人の前に、“四季の家”の一角にしてWWWMの主催者でもある秋保家の当主・秋保光流が現れる。彼が陽月に持ちかけたのは“ある条件”と引き換えに彼女を天空高等民街へ昇格させるというもの……しかしその裏には恐るべき陰謀が隠されていて──? “天空高等民街リーグ最強ペア”を従えた秋保を相手に、二人の絆が今試される!!

 
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まさかのシリーズ完結。事前に知らされていないどころか、予想すらしていなかったので驚きました。もうちょっと長く続くと思っていたのになぁ…… 好きなシリーズが終わってしまうのはやはり寂しい。
 
天空都市行きを目指してダブルス・マネーに挑み続ける皿次と陽月ペア。連勝を重ね順調かのように見えたが、独自解釈と魔術カードの弱点――ウィザードが視覚情報に頼る、という点に気付かれ、対策をされるようになっていた。
不安を抱えつつも次の試合に臨む二人。次の対戦相手は地竜と称される拳闘士型のウォーリアーと無形の獣と呼ばれる召喚術を使う強力なペア。霧で目視を封じ、地形破壊と召喚獣で動きを封じる。圧倒的なパワーと完璧な戦術を前に奮闘するも逆転は敵わず。無残にも、敗北の二文字が皿次・陽月ペアに突きつけられる。
 
ティアを初めとして胡蝶や木崎などの今まで登場したキャラクターもしっかりと存在感があってよかった。
前半は皿次と陽月がギクシャクしていてちょっと辛かった感じ。皿次は陽月のことを考え、天空都市行きを勧める。自らの想いは胸の奥深くに隠したまま。その姿を見て、自分の気持ちを伝えなくていいのかよ…! 上に行ってしまったらもう会えないかもしれないのに…!と思わずにはいられなかった。ツンデレもたまにはいいけどこういう場面では男気を見せるべき。優しすぎるのも考えものだな~。
 
秋保光流のクズっぷりがやばかった。良い感じにムカつくから、敵キャラとしてはぴったりだったわけですが。
天空都市最強のペアである天野明莉と下妻御影。二人が最強と言われる真の理由、それはダブルス・マネー主催者の秋保によって施された能力の大幅な上昇、所謂チートのせいだった。契約上従ってはいるものの、その事実も含め、秋保のことをよくは思っていない明莉。彼女と皿次が出会い、会話を交わすうちにお互いの心境にも変化が訪れる。しかし、秋保の支配の手はそこかしこに張り巡らされており、逃げることは出来ない。
プラクティスマッチで秋保側が勝利すればウィザードの交換成立、冬瀬側が勝てば交換の話はナシ。その条件での対戦。
プラクティスと名前のついた試合とはとても思えない本気のバトル。ダブルス・マネー最後の戦いもとにかく熱かった! 勝ち目がないように思える能力差にまさかそんな手で挑むか!とびっくりもしたし。あとは陽月の決意と頑張りには胸が締め付けられる思いでした。ボロボロになっても立ち上がる皿次が超かっこよかった!
 
ティアがいい娘ですごい泣ける…… 皿次のためにと、裏で様々なサポートに奔走していたと思うとね。幼なじみってどうしてこう報われないのだろう…(涙)
 
二人の関係を今まで見てきただけあって、皿次と陽月が結ばれたことが何より微笑ましいし、嬉しかった。その選択はきっと間違っていない、いつか二人で上へ行けるといいなと思います。イチャイチャしやがって、羨ましいなチクショー!
 
ウィザリア本当に楽しかったです。三河先生、お疲れ様でした! 新作も楽しみにしております…!