「さくら荘のペットな彼女」 感想 | self-complacency

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ライトノベルの感想を書いてました。

さくら荘のペットな彼女 (電撃文庫)/アスキーメディアワークス
¥641
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自分じゃぱんつもはけない。
そんな天才少女の“飼い主”になりました。
俺の住む寮『さくら荘』は、学園の変人たちの集まり。そんな寮に転校早々入ってきた椎名ましろは、可愛くて清楚で、しかも世界的に有名な天才画家だという。
天才美少女を寮の変人たちから守らねば!と意気込む俺だったけど、恐るべき事実が発覚する。ましろは、外に出れば必ず道に迷い、部屋はめちゃくちゃ、ぱんつすら自分で選べないし、穿けない。生活破綻少女だったのだ!
そんなましろの“飼い主”に任命された俺。って、服とか俺が着替えさせるの!? これでも俺、健全な男子高校生なんですけど!?
変態と天才と凡人が織りなす、青春学園ラブコメディ登場!!
 
「介護」という表現は言い得て妙だなぁ…(笑)
美術教師兼管理人の千尋に半ば押し付けられる形で、近場の駅への迎えを頼まれてしまった空太。渋々向かった先で、若干高校一年生にして天才画家と呼ばれる少女、椎名ましろと出会う。ましろはさくら荘へ入居、その面倒係を空太が担当することになり――
ましろの生活破綻っぷりが凄まじい。「絵」という一つの道のみを突き進んだ結果、一人でまともに生活も出来ないとか色んな意味ですごい。それにしてもパンツすら自分で選べないってどういうことなんだ……
基本的に空太の成長とさくら荘住人たちのドタバタが描かれている、で合ってるよね?
空太の不安になる気持ち分かるわ~。高1だから将来を決めるのは早い、ってことはないと思う。高校生なんて大学進学しとけばいい、的な空気に流されたらダメなんだぜ…… 自分が頑張れるような明確な将来の目標がないと、僕みたいに大学挫折しちゃうぞ☆
空太は将来の目標、進路を中々決めることが出来ず悩んでいた。変人ばかりが集まるさくら荘ではあるが、知り合いはそれぞれ自分の目標を持ってそこに向かって努力している。それが何もない空太にとっては逆に苦しい、と。
自分を取り巻くものから離れたくて、ついには「さくら荘から出て行く」と宣言。寮内は重苦しい雰囲気に。
仁と美咲の関係、主に恋愛面の方は、事情があってそうなっていたのか~と最後まで読んで納得した。
仁とましろのデート(後に勘違いと知る)を美咲と尾行をしたり、空太がましろとラブホテルで一晩過ごす羽目になったり。とバタバタはあったものの、空太は最後にはさくら荘に残ることを決めるのだった。ましろの漫画も連載決まって良かった良かった。
美咲とましろは才能のある側、空太と仁は才能のある二人を羨む側、という明確な対比が立場の違いをよく表している。空太は「ましろのいる場所へ、いつか追いつきたい」と決意を固めることが出来たから、それだけでも大きな一歩を踏み出せたと言えるんじゃないかな。ゲームクリエイターとか普通に難しそうだけど。
正直言って、300ページ越えに見合った面白さを見つけられなかった感じで。キャラ同士の会話文、ボケたりツッコんだり等のやり取りでクスリときた場面も少なく。ライトノベルというジャンルにおいて、そこで楽しめないのは致命的よね。ただ、僕が個人的に合わなかっただけの話なので、作品の質云々の問題ではないかと。
溝口ケージさんのイラストは可愛くてすごく良いと思います! キャラは七海ちゃんが気に入ったけど、出番少なくてアレ。
まもなく始まるアニメの方はどうなるかなー。