赤と黒
Le Rouge et le Noir

1954年フランス / イタリア
監督 : クロード・オータン=ララ
脚本 : ジャン・オーランシュ / ピエール・ボスト
原作 : スタンダール


赤と黒 【HDニューマスター】 [DVD]/ジェラール・フィリップ,ダニエル・ダリュー,アントネラ・ルアルディ

¥5,670
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原作は未読です。

文芸大作なのだから読んでおいた方が良いのだろうな~と思いつつ、なんとなく先延ばしにしてて。。。

今回、小説を読むきっかけになるかも、ということで観て来ました★

漠然と、「太陽がいっぱい」のような、美貌と冷徹な頭脳で上り詰めていく青年の物語だと思ってました。

冒頭の裁判のシーンでも、主人公のジュリアン (ジェラール・フィリップ) は尊大で自信家で鼻持ちならない、でも魅力たっぷりの青年に映ってたしね。

でも観ていくうちに、意外に恋愛体質で、自分の上昇志向と愛情を求める部分のバランスが取れずに、自分を持て余してしまっている青年だってことが分かってきます。

ラストも、深い愛情を実感出来たことで、満足して静かに、晴れやかに人生の幕引きをしていて、その姿にびっくりしたわ。

悪事が思ったように運ばず失脚して半狂乱になる、デスノートみたいなラストをちょっと期待してたから。

原作ではどんな人物なのかしら。

読んでみようー。


女優陣もみんな美しくて、ドレスも華やか、ろうそく台もクリスタルだったりで絢爛豪華、そんな中をジェラール・フィリップが優雅に走って、階段を駆け上って。

もううっとりだったわ。

「銀幕」って言葉がぴったりね!

ヒロインのルイーズを演じたダニエル・ダリューは、8人の女たちのおばあさんよね。

きれいだったのね~!!


タイトルの「赤と黒」の意味をスタンダールは明らかにしてないそうだけど、「赤は軍服、黒は聖職者の服の色ということで、出世の道として軍人になるか聖職者になるかを悩む男のイメージ」というのが最有力らしいわね。

私的には、赤は愛情、黒は野心で、人を愛したくて人からも愛されたい部分と、野心の為に人を踏みつけにする部分の二面性を表してると思ったわ。

「赤と黒」って両極端な色でシンプルな比較だから、観る人・読む人がそれぞれイメージしやすいんじゃないかしら。

そういうところも長年愛されている理由のひとつなのかも★


(キネカ大森)