hammock2019のブログ

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父、昭和9年生まれ、レビー小体型認知症の介護記録

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介護・医療関係の皆さんが帰った後、父のCDを色々持ってきて流し、脚がガサガサなのでクリームを塗る。入院前に一度は治ってポロッと取れた親指の壊死が、再発して指先に穴が空いていることに気付く。


エアコンで部屋の中がやっぱり乾燥しているので、タオルを片っ端から濡らして部屋にずらずらと掛けてみた。

 


16時半頃、また痰で苦しそうなので、看護師に来てもらった。待つ間口からの吸引を試みるが、口を開いてくれない。
看護師が到着し、口の中が乾いているせいで痰が粘っこくなって、口まで上がって来ないので、口からの吸引は無理と教えられる。鼻から取れる範囲で取ってもらう。

それから送る酸素の量を0.5Lから1Lに増やし、「主治医からは5Lまで増やしていいと指示が出ていますが、あまり増やしてしまうと、脳内モルヒネのような物質が出なくなって苦しくなってしまうので、これで様子を見ましょう」と言われる。


オムツ替えを手伝うと、あばら骨より下の肉がなくなっていて、釈迦苦行像のようだった。

家は病院より寒いので、エアコンを点けて羽毛布団1枚をかけていた。すると父、暑いのか胸辺りまで布団をはいでしまう。何度かけ直してもやっぱりはいでしまうので、エアコンは弱めにして、足元にゆたぽんを入れた。

 


20時頃、父が手を動かして再び苦しそうにしている。目を開けたり声を出したりしているが、そんなエネルギーはない筈なので、余程苦しいらしい。鼻から痰の吸引をしてみるが、少ししか取れない。

30分程して看護師が到着し、痰を鼻から吸引してくれる。「この痰は、死前喘鳴と言って、これ以上吸引して取れるものではないんです。吸引チューブを差すと、異物を出そうと更に痰が増えてしまうので、この位にしておきましょう」と教えてもらう。
歯ブラシや口腔ケアスポンジで口の中をきれいにしてもらい、血圧、脈拍、血中酸素濃度などを確認したところ、安定していると教えてくれた。「心臓が強いのかも知れませんね」。脈が取れないときは、股関節辺りでよく分かるとも。
その後父も落ち着いたので、引き上げて行った。

父が首を横に降るのは他に意思表示できないからのようで、拒否の表明ばかりではないらしい。
夜中に苦しがったら対処出来るように、私と姉が交代で番をすることにする。

夜間は時々首をフリフリする位で、異常はなかった。
 

朝9時に病院へ行き、処方薬を渡されて説明を受け、慌ただしく退院手続きを済ませた。誰か重病人がベッドで運ばれて来てるなと思ったら、それが父だった。

介護タクシーに同乗させてもらう。父は点滴を外してエネルギーがないのか、静かに眠っているようだった。手で触ったりすると首を横に振るが、何の意思表示なのかは分からない。

ゆっくりした運転で到着し、家の階段前にストレッチャーを降ろしてもらう。どうするのかと思ったら、運転手に「脚持ってください」と言われる。途中で何度か「ちょっ、ちょっと待ってください」と言いながらやっと介護ベッドに寝かせた。

父は呼吸器が弱っているので、酸素だけは口から軽く送り込む感じでチューブを当てていた。医療酸素屋が来て介護タクシーの酸素と取り替え、レンタルの痰吸引器や通販で届いたオムツを用意しているうちに、介護関係者が次々集合。
ケアマネージャー、訪問看護師、訪問ヘルパー、訪問医とクリニックの看護師(昨日電話で応対してくれた人だった)、女ばかり7人が大集合した。

体位自動変換エアマットを敷いてもらっていたのだが、その上に布団が乗っているのに誰かが気付き、「この布団はない方がいいですよ」と、大勢で布団を引っこ抜いた。
斜めにされた父はびっくりしたのか初めて目を開けて、「あっ目が開いた、こんにちは!」と挨拶してもらっていた。

医師と看護師とケアマネに病院からの引き継ぎ書を渡し、入院前の様子を説明した。12月から大分弱っていたこと、調子のいいときと悪いときの振り幅が大きかったこと、意識低下の発作のようなものが、だんだん頻回になり、時間も長くなっていたことなど。

すると医師から「何か食べさせてみますか?」と言われて驚いた。
一応、食べられなくなった経緯を話し、「私ももう少しなんとかならないかと思ったんですが、全体に弱っているので」と言うと、「窒息してしまったら可哀想ですもんね」と同意。

 

ケアマネから、お風呂は入れますか?と医師に聞いてくれた。通常医師は2週間に1回の訪問なのだが、終末期のため週1回来ますとのこと(緊急時には24時間対応)。一応2/9水曜に訪問予定を組んで、そのとき判断することになった。

その後別室で手続きをしているとき、医師は「残された時間ですが(下顎呼吸を始めているので)、もしかしたらあと8時間位かも知れません」と言われる。
実は火曜に会えたときもこんな風だったんですと説明し、区別がつかないですねと話す。
 

病院からは浣腸10本と、座薬の便秘薬を処方されていた。なんでこんなに?と思ったが、後で入院明細を見たら病院で摘便してもらっていた。排泄対策が重要事項だったのだろう。

訪問医からは更に、座薬の精神安定剤が処方される。

姉と病院に行き、介護指導を受ける。

今日の担当看護師は割とのんびりした感じで、レクチャーは簡単に終わった。もしかしたら今日会うのが最後かも知れないと、父には多めに話しかけたり手をポンポンしたりした。今日は目を開けてこちらをちゃんと見ていた。体を上手く動かせないようで、何か言いたそうに見えるが、分からない。

 

ケアのポイント

・看護師はケアの前に使い捨てエプロンをかけ、使い捨て手袋をはめる

・吸引器のスイッチを入れたら、いきなり吸い始めないようにチューブを折って空気を止めてから、口や鼻に差し込んで吸引開始

・吸引を終えたら水を吸って、チューブを洗浄。痰はトイレに捨てて、ポットも水洗い。チューブは手袋にくるんで捨てる

・吸引用のチューブは、病院では一回毎に捨てるが家庭では一日使っても良い。瓶に入れて保管

・おしり拭きは、キッチンペーパーなど水に溶けないもの。1度に5枚位

 


午後からの出勤途中、退院支援室から電話。退院は8日火曜か9日水曜でどうですかと言われる。何故か、カンファレンス時に「ここは空きがない」と言っていたクリニックに照会をかけていた。担当曰く、「今までお世話になっていた訪問看護ステーション『ケアーズ』が入れる方がいいだろうから」。
私が「ケアーズさんにはこだわらないのでもっと早くしてください」と言うと、「医師に照会をかけて、医師が病室に患者を見に来て、それからナースステーションの選定や必要な資材を手配するから、日数がかかる」。しかも、「同時に複数の医師に照会をかけるのは失礼に当たるから、一件ずつ進めなければいけない」。それは規則なのか、ただの忖度なのか。
「こちらで何か出来ることはありませんか」と聞くと「患者の家族から直接電話をもらっても、先生は困ってしまうだろうから、何もない」との返事。

姉と相談し、直接クリニックに掛け合ってみることにした。患者の家族が勝手に電話する分には、素人の勝手な行動でしかないだろう。
訪問専門のクリニックに電話して訳を話すと、電話に出た人は丁寧に応対してくれた。病院からは既に連絡が行っていて、○○様のご家族ですねと確認し、先生に事情を話してみますと言ってくれた。

しばらくして退院支援室から電話があり「明日退院でどうですか」。さっきの話と全然違う。ともかくお願いしますと即答する。
続けて担当は、他の訪問クリニックの名前を挙げ「この3箇所は全部断られました」。
それは、8日・9日より早くしてくれと言ったから?理由を言わないならその情報は要らない。

その後、必要な情報を全部電話口でメモしてくださいと言われて驚いた。入院から退院まで何もかも紙と電話、介護から引き継いだ情報も手で書き写し(そして間違っていた)。噂通り医療業界は完全アナログだった。

朝ナースステーションに電話すると、担当看護師との連絡が上手く行かず、看護師長が対応してくれた。次のことを伝える。
・点滴を止めて家に戻すこと

・退院までは点滴を続けて欲しいこと

・今日は母が介護指導を受けに行くが、高齢なので「覚えなくていいから、痰の吸引が苦しそうなところを見てきて」と言っておいたこと


師長は「かしこまりました」とてきぱき受け答え、「昨日教わったことで不安なところはないですか。今週どこかでもう一度来られますか」と聞いてくれた。が、仕事を随分休んでしまったので、姉に行ってもらいますと返事をする。

夜、母に様子を聞くと、父は遠くを見ているようで、反応はほとんどなかったという。昨日とずいぶん様子が違う。帰りに偶然看護師長と会い、「いつどうなるか分からない」と言われたという。(後でもう一度聞いたら「一刻の猶予もない」だったらしい)

今朝、師長が「もう一度来られますか」と聞いてくれたのは、間に合わない可能性を考えての計らいだったのではと思い直し、急遽翌日姉に同行することにする。

「今日この後、時間は大丈夫ですか?」と聞かれる。私が痰の吸引と、オムツ替えやおしりの洗い方などのレクチャーを受けるのだという。

患者を個室に移して、などと話しているので、え、父と会えるの?と思ったら、あっさり病室に通された。コロナ対策のため、1回30分程度。後日、もう1人家族の誰かに来て欲しいが、毎日入れ替り立ち替わりという訳にはいかない、1度に病室に入るのは2人まで、と条件付き。

3週間ぶりに対面した父は、思った程小さくなっていなかった。
「お父ちゃーん。さおだよー。さお来たよー」

と声をかけると、こちらを見て口をパクパクさせたが、声が出ないらしい。口呼吸をしている上、水も飲めないので、口の中がカラカラで舌から出血していた

看護師「痰の吸引は難しいので、口からの吸引は家族が、鼻からの吸引は看護師に頼むのがいいでしょう」。父が口を空いていて痰が見えたので、吸引してみるが、なかなか取れない。「吸引中は息ができないので短時間ずつ」と言われ、少し休む。血中酸素濃度が回復してからもう一度。

それから看護師が、鼻からの吸引をやってみせた。鼻から喉仏の辺りまで管を通し、かなりの量を吸い上げる。父はもの凄く苦しそうにもがいて手をバタバタしたり、看護師の手を噛んだりした。「苦しいですけど命に関わりますからね」と手早く左右行う。これを今は1日6~7回やっているらしい。

 

点滴を続けると痰が出るとは聞いていたが、こんなに苦しむとは思わなかった。これはダメだ、こんなことは続けられないと、母に言おうと決めた。

次にオムツ替えと陰部の洗浄。
人にやってもらうのに抵抗があるのか、父の手がゆら~と伸びてきた。「尿自体は無害ですが、手で触ることで感染症になる危険があるので、手をどけておきましょう」。
広げたオムツに、液体石鹸もすすぎ水も全部吸わせるので、最後にオムツを引き抜くだけ。病院ではオムツ替えは4時と10時の1日4回、パッドは昼は4回分吸収、夜は7回分を使っているという。ウンコも少しだけ出ていた。

新しいオムツを当てるには、足が上がらないので横に転がってもらう。1人が体を支えて1人がオムツをたくし込む。「肩や腰骨など大きい骨を持つと良い。オムツは腰骨より上にしっかり当てて、漏れないように」。父は手の力が少しあるので、自分で手すりに掴まってもらった。

最後に口の中をさっとぬぐってくれた。個室なのにマスクをかけるので、「マスクした方がいいんですか?」と聞くと、「乾燥を防げるかも知れないので」と、どちらでも良さそうな感じだった。
その他のアドバイスは、体の硬縮が進んでいるので、寝間着は伸縮性のある生地がいい。
「加湿器は必要ですか?」との質問には、特に推奨はしていない、この部屋にも加湿器はないとのこと。

帰ってから母と姉に点滴を止める理由を説明した。