ブログネタ:UFOに遭遇したらどうする?
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そのUFOが現れた時、私はとっさにマニュアル通りの指示を出した。
「シールドオン。第二級警戒態勢。フェイザーのチェックと光子魚雷の装填。」
訓練通りに落ち着いて指示をこなすクルーの姿に満足を覚えつつ、私は次の指示を出す。
「通信チャンネルオン…こちら、惑星連邦・宇宙艦隊所属、U.S.S.ラー・カイラム 艦長の〈回る石楽団〉だ。貴艦は惑星連邦の宙域に無許可で侵入している。武装を解除し、所属と艦名、目的を告げよ。」
「こちらはフリード星のスペイザー。私はデューク・フリードです。貴国の危機について至急知らせなくてはいけない事が…」
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中世の騎士のような兜を被った男、デューク・フリードが話した内容は、戦慄そのものであった。
彼の母星・フリード星は周囲の星と平和に共存していたが、突如、宇宙征服を目論むベガ星連合軍の、円盤獣による侵略攻撃を受けて滅亡。王子であるデュークは、フリード星の守護神グレンダイザーが組み込まれた宇宙船スペイザーで辛くも脱出。傷つきながらも惑星連邦の宙域まで辿り着いたのであった。
未知の部分が多いものの、艦のコンピューターが分析したスペイザーの戦闘力は、宇宙艦隊の標準型戦艦に匹敵するものであった。彼、デューク・フリードの言っている事が事実であるとすると、確かに惑星連邦にとっては危機が一つ増える事となる。私はブリッジの右後方にチラリと視線を送る。私の指示を聞くまでも無く、参謀が口を開いた。
「先ずは艦隊本部に連絡し判断を仰ぐべきでしょうな。デューク・フリード殿の言葉を全面的に信用するわけにもいきますまい。デューク殿にはスペイザーの解析も含め、協力頂く事になるでしょうな。」
参謀・エキセドル・フォルモの言葉は正論ではあるが、全てを告げてはいない。確かにベガ星連合軍は脅威になるであろう。しかし、連邦は外にはロミュラン星間帝国やボーグ、内には海賊ギルドという脅威が既に存在し、デューク・フリード、いやグレンダイザーの存在はベガ星連合軍よりも艦隊本部の興味をそそるであろう。それはデューク・フリードへの「不本意な」協力を意味するのだ。しかし、私には彼の言葉と視線に信頼すべき光を見出した。
「艦隊本部には私から直接、ベガ星連合軍の事を報告しよう。ただしデューク殿は姿を隠して頂きたい…」
「いや、私はベガ星連合軍の卑劣な行いから、他の星の人々を守りたいのです。是非、私にも協力、いや戦わせて頂きたい。」
彼の瞳は復讐以外の正義に燃えていた。
「デューク殿には協力をして頂く。より直接的な方法でな。デューク殿、恐れ入るが、ある男に会って頂きたい。」
「艦長の独断専行、命令無視には、いつも頭を悩ませられますな。」
エキセドル参謀の皮肉に対し、私はニヤリと笑っただけであった。
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アイザック・ゴドノフ。通称「かみそり・アイザック」。アステロイドベルトの歓楽街、ウエストJ区9番地に居を構え、宇宙の始末屋コズモレンジャーJ9を運営している。多額の報酬にて「宇宙の悪」の始末を請け負っているが、海賊ギルドやコネクションといった組織と対立している、正義の始末屋なのだ。金は張るが、信頼のおける男である。もちろん、私と彼のつながりは艦隊本部の知るところではない。
「対ベガ星連合の対策が整うまで、彼とその宇宙船を匿うという事だな。報酬さえ確認できれば貴様の頼みだ、もちろん請け負うが、今の怠惰しきった連邦に、そのベガ星連合軍を迎撃するだけの余力と意気があるとは思えんが?」
彼の情勢分析は大したものだが、艦隊士官の私に対しては痛烈なセリフでもある。私は片眉は上げたものの、彼の皮肉には気づかないフリをして、心のうちを告げた。
「なに、宇宙艦隊にも話の判る男はいる。ドン・コンドールに声をかけるつもりだ。」
「ドン・コンドール…ディーゴ・近藤か。確かにあの男であれば、お前の口車には乗せられるだろう。しかし、諸刃のシュテッケンが首を立てに振るかな?」
「お前さんも私の口車に乗せられてるんだ、大丈夫だろう。なにしろお前さんとシュテッケンはそっくりだからな。」
「私はあの男のように行儀は悪くはない。」
「気を悪くしないでくれ、かみそりと諸刃、切れ味の良さが似ているといったのさ。お前さんも思うところがあって引き受けてくれたのだろう。あいつらも同じさ。」
「私はその異星人と宇宙船を保護するだけだ。戦闘に参加するつもりはない。」
「それで結構。ただデューク・フリードはベガ星連合軍と戦いたがっている。戦闘中は彼の保護の為にブライガーを使ってくれて構わんよ。」
アイザックは何か言いたげだったが、眉をしかめたのみで、後は実務の打合せのみ行った。
デューク・フリードとひとまず別れた私はラー・カイラムに戻り、操舵士に次の目的地を告げた。
「キョーラーク星のミーブの谷に向かう。ワープ6。発進。」
キョーラーク星、ミーブの谷。
局長ドン・コンドールことディーゴ・近藤が率いる銀河烈風隊の本拠地である。アイザックが話した様に、ドン・コンドールを口車に乗せる気は私には無かった。ただ、デューク・フリードの話を伝えるだけで「烈」の旗ははためくであろう。ドン・コンドールはそういう男だ。
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つづく…気が向いたら(笑)
イエイ。