この人生は、定住なき人生なのかもしれない。

生まれた時の栃木の喜連川の家には三年。
その後移り住んだ鹿沼の家には七年。
宇都宮に移って九年。
そこで親元を離れて上京。
渋谷の県人寮に二年。
綾瀬に下宿して四年。
最初の就職先の独身寮のあった柏に二年。
今の会社の独身寮に三年。
市川市に部屋を借りて三年。
結婚して江戸川区に部屋を借りて三年。
そして岩槻に八年。

笑ってしまうほど、流れ流れての人生。
同じ場所に十年いたことはない。
現代人は、みなそうかもしれないけれど。

渋谷の独身寮にいた時期以外、いつも、“東”や“北”にいるのは、栃木出身者の帰巣本能か。

西日本出身の上京者が、東京に住む際に必ず西側を選ぶように、私は知らず知らず東を選んでしまうのだろう。安いし(笑)。

ただし実際のところ、山手線より西や南に行ってしまうと、故郷との縁が薄くなるような気がする感覚は、確かにある。

定住なきこの人生の次の行き先はどこか。