ちょっと読んでみました、明石順平『アベノミクスによろしく』。


アベノミクスの問題点を指摘する書ですが・・・

うーん・・・

著者は経済学をわかっていませんね。

アベノミクスのような金融緩和政策は、貨幣価値を下げて、ある意味では“皆で貧しくなる代わりに、皆が雇用される世界”を目指す経済政策。

実質GDPは伸びなくても、貨幣価値は下がるので名目GDPは伸びる。
でも、それによって現金をただ手元においておくと損するから投資するようになる。仕事が増え、雇用が増える。
しかし、お金の価値は下がっていくから、皆が等しく貧しくなっていく。

そういう経済政策です。

民主党時代のデフレ環境では、この逆が起こります。

現金はそのまま手元においておくと価値が上がるから、誰も投資しなくなる。

仕事は減り、失業者が増える。特に、新たに労働者市場に参加する新卒が、就職できなくなる。

でも、貨幣の価値は上がるから、運よく失業しなかった人は、実質的にはどんどん豊かになる。

周りには失業者が溢れ、社会が不安定火しようとも。

どちらが、幸せですか?

アベノミクスは、日本人を等しく貧しくしましたが、雇用は増やし、特に新卒採用状況を劇的に改善しました。

未来を担う若者が、キャリアのスタートから失業者とならないようにするために、皆で貧しくなるのが金融緩和です。

私は、大成功だと思います。

明石順平氏の主張は、
・日本人が貧しくなった!
・実質GDPもあがっていない!
・実質賃金は下がった!
・アベノミクスは誤りだ!
というもの。

だぁーからー!

そこを皆で飲んで、皆で雇用を守るのが金融緩和でしょ!

まぁ、安倍首相が、金融緩和の負の側面をあまり話して来なかったので、「騙された!」と言いたくなるのはわかりますが、マクロ経済学を学んでいたらわかるでしょうに。

で、どうするんですか?

周りが失業者だらけになっても、失業から逃れられた人は実質賃金が上がるデフレ世界に戻るんですか?

私は、まっぴらごめんです。