昨日は、朝早く起きて、友だちの家で“集団宿泊”した息子をクルマで迎えに(少し遠いところなのです)。
「帰りたくない!」「もっと遊びたい!」と駄々を捏ねていたのを引き剥がして、大宮武道館へ。
往復3時間の朝の旅を経て、39回目となる糸東流空手の稽古に参加しました。
ちなみに「行きたくない」と言っていた息子ですが、クルマに乗せると気分が変わったのか、「今日、黄帯もらえるかな?」とウキウキしていました。
子どもは、切り替えが早いですね。
※
さて、今回の稽古内容は・・・
■準備体操
■基本稽古:突き
・外八字立ち 呼吸法の突き
・外八字立ち 正拳突き
・四股立ち 正拳突き
・前屈立ち 正拳突き
・前屈立ち 二連突き(後ろ手上段、前手中段)
・前屈立ち 二連突き(前手上段、後ろ手中段)
・四股立ち 二連突き
・四股立ち 三連突き
いつものその場基本の突きの稽古。
その中で、昨日は、ビビッ!ときました。
(表現、古っ!)
“そうか、突きって、広背筋が雪崩のように落ちることなんだ!”
“突き手を前に送っているんじゃない!突き手は広背筋の雪崩に巻き込まれて落ちているだけ!”
“広背筋の雪崩に巻き込まれて落ちた突き手だから、速いし、重い。重さは突き手が雪崩に押し潰されていることから生まれる!”
“空手で中段突きから稽古を始めるのは、広背筋の雪崩に巻き込まれる形で突き手を落とす、というシンプルな突きだからだ!”
“上段突きではこうは行かない。広背筋の雪崩で落とした突き手を他の筋肉の誘導で上方向に持っていく調整が要る。下手をすると、広背筋の雪崩→他筋肉の誘導という流れを介さず、肩の筋肉と腰の回転で突き手を飛ばすことになってしまう。”
“突きは広背筋の雪崩。それを学ばせるための中段突きだ。そして空手の稽古が中段突きから始まることは、突きは広背筋の雪崩で起こすという考え方が空手の根幹にあることの証明だ!”
全部、無想会で習ったこと。
しかし、頭で理解していたつもりだったものです。
それが突如、納得感を持って繋がり始め、自分の思考の流れの中で再構築されていったのです。
おおお!
となり、途中から突きの稽古が楽しくて楽しくて仕方ない、という感じに。
勘違い野狐禅でないとよいのですが(笑)。
■基本稽古:蹴り
・蹴りの柔軟体操
ー前蹴上げ
ー前から後ろ(内回し)
ー後ろから前(外回し)
ー横蹴上げ
ー横蹴上げ回し
ー後ろ蹴上げ
・前屈立ち 前蹴り
・前屈立ち 回し蹴り
・前屈立ち 下段足刀
・前屈立ち 中段横蹴り
・平行立ち 横蹴り
・結び立ち 後ろ蹴り
蹴りは例によって前蹴り多め。
この日は百本蹴りました。
途中何度か、コッソリと「前屈立ち」を「撞木立ち」に切り替えて、両立ち方での蹴り足の飛び方を比較。
前屈立ち前蹴りは、足を持ち上げながら膝を畳む感覚。撞木立ち前蹴りは、膝を畳むと足が前に飛ぶ感覚。足を持ち上げる“根性”が要りません。
動きにくいと思っていた撞木立ちですが、比較してみると、楽ですね。
※
ここで長めの休憩。
息子は、Kちゃんのパパに飛び箱になってもらい、登って、飛んで、楽しそうでした。
Kちゃんパパさん、ありがとうございます。

■移動稽古
・前屈立ち追い突き
・前屈逆突き
・前屈立ち前蹴り
・前屈立ち前蹴り歩み二連打
・前屈立ち回し蹴り
・前屈立ち中段横蹴り
・組手立ち寄り足刻み突き
・組手立ち寄り足中段逆突き
・組手立ち寄り足刻み→寄り足中段逆突き
突きは引き続き、広背筋の雪崩感覚で。
ちなみに、大変尾籠な話で恐縮ですが、稽古後にトイレで用を済ませ、拭こうとした時、広背筋が痙攣を起こし、思わず「ギャッ!」と唸ってしまいました。
不馴れなスポーツをやり、普段使わない筋肉が疲労した時のあれです。
突きに広背筋を動員することはいつも意識していたことですが、本当に動員できたのはこの日が初めてだったのかもしれません。
ここから始まるか?!
※
さて、この日の移動稽古は、組手立ちでもビビッときました。
やったのは「寄り足」の飛び込み突き3種。
我が会派で言う「寄り足」とは、後ろ足をコッソリ前足の近くに寄せてから地面を蹴って前進する歩法のこと。
相手との距離をコッソリ縮め、膝のタメも作れるので、「送り足」よりも大きな一歩が稼げます。フルコン空手には無かった、本土伝統空手ならではの歩法です。
しかし、この歩法、後ろ足のコッソリ引き寄せが相手にばれれば、ただの2挙動ステップです。こちらの踏み込みを、わざわざ事前に相手に教えることにもなりかねません。
寄り足を隠すにはどうすればよいか?は、私の課題の1つでした。
昨日は、この課題解決に、無想会のナイファンチの初動を使ってみました。
無想会のナイファンチの初動は“手が先”で落ち、落ちた体を支えるために交差立ちの一歩が出ます。交差立ちが“作ったカタチ”でなく、“結果として現れたカタチ”なので、意識の上で“作り”がなく、自然で早い動作となります。
これを寄り足に使うのです。
即ち、後ろ足を寄せるのではなく、まず前半身を前に送り、基底面から出して落下します。この落下に引き寄せられて後ろ足が前に出るという、結果としての寄り足。
そこからは、寄せた後ろ足の膝の張りと、股関節をガッと開くことで前進。刻み突きを決めます。
寄り足逆突きも、寄り足刻み→寄り足逆突きも同じです。
やってみると、いい感じです。
まだ、ハマったり、ハマらなかったりの繰り返し(特に右足前はなかなかハマりません)ですが、ハマった時のスムースさは快感でした。
やはり人間は、「あっちに行きたい。そのために足をこう動かそう」と考えるよりも、「あっちに行きたい」という思いのまま体幹をそちらに運ぶ方が、自然でスムースな脳内処理&動作になるんでしょうね。
この日の感覚は、消えない内に体に残したいと思いました。
■組手稽古
・前蹴りを、斜め運足&下段払いでクロスに捌いて逆突き
・上段追い突きを、斜め運足&上段受けでクロスに捌いて
・寄り足刻み突き→寄り足逆突き→歩み足逆突き
・自由目慣らし(好きな連続技を交互に、相手は反撃せず足運びのみで避ける)
最後は約束組手。
あまりやらない組手ですが、今回は時間長めでした。
組手立ちは、比較的自由とのことで、私は無想会式に撞木立ち。この日の前半にビビッときた突きと運足を相対で再確認。
自由目慣らしでは、ナイファンチ式の寄り足刻み突き(左)→歩み足気味の上段逆突き(右)→着地しながらの中段逆突き(左)を多用しました。
剣道の「抜き胴」の感覚があって気持ちいいですね。
最後の逆突きを、バチンッとスナッピーに突いて悦に入りました(笑)。
でも、あれだとポイントにならない?
※
そんな感じの昨日の糸東流空手の稽古でした。
え、息子の稽古の様子は?
ですって???
まぁ、多分、元気にやっていたんじゃないでしょうか? 多分、おそらく、願わくば。
・・・
はい、そうなんです。
この日の稽古は、自分の中に2回のビビッがあったので、その追求に熱中し、全く息子の様子を見ていませんでした。
まぁ、そんな日もありますよね。
でも、楽しそうにしていましたよ。