長野駅で、地理院地図のアプリを起動し、周辺の地形をチェック。

「長野」は、長い野なんだなぁ、と実感。

この辺りに来ると、武田信玄の北進を二度も食い止めた名将・村上義清を思い出します。あまり正確な知識が無いので、領国的にはずれているのかもしれませんが。

村上義清には、思い出があります。

歴史好きな小学生だった私は、図書館で「嵐の中の日本人」シリーズという偉人伝記物を端から読み進めていたことがありました。たしか、新人物往来社さん刊行の児童書だったはず。

このシリーズで、なんといっても楽しみにしていたのが、戦国の名将、武田信玄。

表紙の信玄がめちゃくちゃかっこよかったので、小学生男子的には、「信玄、かっけー!(かっこいい!)」的な読み物を期待して読み始めたのですが・・・

なんと、その中身は、若き信玄が、強敵・村上義清に立ち向かって敗れ、辛酸を舐め、再起して挑んではまた敗れ・・・という鬱展開(!)。

大軍を擁しながら、村上義清の知略に勝てない不甲斐ない信玄とその苦悩。それを余すところなく描く内容に、「信玄、かっけー!」を期待していた小学生男子は、
「信玄、かっこわるい・・・」
と、愕然とし、口をあんぐりさせてしまったのでした。

たしか、作者は、無名時代の童門冬二氏だったはずです。

童門冬二としては、若き信玄の挫折と再起を描いて、小学生男子に諦めない心を伝えたかったのだと思いますが・・・

それにしても、約200頁の内容の内、(私の記憶が正しければ)150頁が村上義清との戦いというのは、やり過ぎです。

しかも、敗れて落ちんで、気持ちを取り直して、「今度こそ!」と意気込んで、また負ける(笑)。

勝ちまくる信玄を読みたい小学生男子には、原作デビルマンの最終巻を初めて読んだ時に継ぐ、トラウマになったのでした。

やる気をスパークさせて再挑戦しても、ダメなものは、ダメなんだ・・・

何度も負ける信玄を読むのが辛く、しかも最後は、力で強引に押して勝つという爽快感の無い勝利。

残り50頁での謙信との戦いも、パッとせず、私は落胆して、その本を図書館に返したのでした。

そして思い知ったのです。
村上義清の強さを。

加えて、固く誓ったのです。
童門冬二の本は、もう二度と読むまいと。

童門冬二氏は、その後ベストセラー作家になりますが、私は小学生男子時代のトラウマに懲りて、以来一度も読んでいません(笑)。

あの本、まだ、小学校の図書館にあるのだろうか?

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