大晦日は、父とまったりと蕎麦と日本酒で過ごしたため、いわゆる“大晦日格闘技”(いつの間にか日本の恒例行事になってしまいましたね)は、ほとんど見ずに過ごしてしまいました。
唯一見たのが、父が寝た後でたまたま点けたチャンネルで放送していた、ボクシングの内山高志対コラレスのタイトルマッチ。
最初は「ボクシングより、キックか総合が見たいな」と思い、チャンネルを変えようと思ったのですが、すぐに気が変わりました。
内山選手のリベンジを迎え撃つチャンピオン・コラレス選手の動きに、目を奪われたためです。
スピードを誇り、「透明人間」とのニックネームもあるというコラレス選手の動きは、私には空手に見えました。
具体的には、空手の追い突きです。
私には、空手の追い突きの身体操作によって、コラレス選手があの驚異のスピードを生み出しているように見えたのです。
※
ちなみにあの試合、私は内山選手の勝ちだと思っています。
後半、あれだけボディを効かせてコラレス選手をふらつかせ、明らかな“かけ逃げ”連発に追い込んだのですから、いま見直しても、内山選手の勝ちにしか見えません。あれで負けにされてしまうのは、本当に辛いと思います。
ですから、「コラレス選手の空手が内山選手のボクシングを倒した」という見方はしていません。
そもそも、コラレス選手のあの追い突き的なパンチは、ボクシングの技術の一つでしょうし、コラレス選手が空手に学んだことも無いと思います。
そういう意味で、本稿の内容は、「内山選手を苦しめたコラレス選手のボクシング技術には空手と共通の要素があるのでは 」くらいのものと受け止めてください。
・・・と、前置きをして、内山選手対コラレス選手の動画です。
この試合、至る場面で、コラレス選手は、遠間から飛び込む左ストレート(コラレス選手はサウスポー)を繰り出し、内山選手を苦しめています。
コラレス選手は、半身に近い構えを取っているので、後ろ手である左拳は、内山選手から見てかなり遠いところにあります。
この遠くの左拳が、一瞬で眼前に迫ってきます。
中心軸回転の突きならば、ステップインしなければ決して届かない距離を、コラレス選手は所謂「2軸」の身体操作で一気に詰めてしまっています。
「2軸」すなわち、ストレート(後ろ手突き)の回転軸が、対軸ではなく、前足である右足上にある動きです。
この2軸に加えて、「手は足より先」の突きをしているので、落下の力も借りて、突きの届く距離が伸びています。
本土伝統空手の試合用の追い突き(型としての追い突きではなく)、あるいは高速上段突きに極めて近い動きに見えます。
しかもこの突き、対戦相手がかわして迎撃しようとしても、飛び込んできたコラレス選手は既にクリンチの距離にまで詰めてきてしまっているため、狙いをつけるのは容易ではありません。
教科書的なボクシングとは異なるものの、対戦相手が対処しにくいという意味で有効性の高い戦い方に見えます。
※
ちなみにコラレス選手は、右足を軸に体と拳を前方に飛ばす突きを終えた後で、当然の動作として、体が倒れないように、後ろ足だった左足を歩み足の要領で前方に時間差で飛ばしています。
この時の動作が、とても特徴的です。
コラレス選手のその動作は、まるで野球の投手が、ボールを放り投げた後で、後ろ足をマウンドに着く時の動き。
ここから逆算すると、コラレス選手のあの追い突き的なパンチは、空手ではなく、野球のピッチング動作に学んだ部分があるのかもしれません。
※
コラレス選手は、“追い突き”を何発も繰り出しいますが、その内一つを停めて見てみたいと思います。
動画の4:26頃のパンチです。
内山選手のジャブを喰らい、スウェーで威力を散らすコラレス選手。
そのまま体を沈ませて、踵で踏ん張って(ウエイトシフトを受け止めている点が踵であるように私には見えます)、
今度は前進。
踵で始動させた前進運動を、爪先でのキックで追加加速。同時に「手は足より先」の突きを開始。
後ろ足が浮き、体が前傾したストレート。
手が先の試合での追い突き。
あるいは高速上段突き。
※
・・・と、ここまで書いて、少し悩んでいます。
コラレス選手の動作は、空手的だと書いてきた本稿ですが、それは現在の本土伝統空手の試合での追い突き、高速上段突きとの類似性です。
いま、自分が修得しようとしている無想会の空手とは、類似性があるのか。
そう考えると、今度は相違点ばかりが目についてきます。
本土伝統空手(「手が先」「仮想重心」を意識してスピードと飛距離を出す競技組手であっても)と、無想会の空手が異なるため、当然ではあるのですが。
まぁ、この問いは、私自身の修業が進んでから考えることにします。今は考えるに足る技術的な知見が私の中にありません(笑)。
※
本稿は、コラレス選手のパンチには、本土伝統空手の試合で見られる「手が先」の追い突きに近い要素があるね、で終わりにします。
唯一見たのが、父が寝た後でたまたま点けたチャンネルで放送していた、ボクシングの内山高志対コラレスのタイトルマッチ。
最初は「ボクシングより、キックか総合が見たいな」と思い、チャンネルを変えようと思ったのですが、すぐに気が変わりました。
内山選手のリベンジを迎え撃つチャンピオン・コラレス選手の動きに、目を奪われたためです。
スピードを誇り、「透明人間」とのニックネームもあるというコラレス選手の動きは、私には空手に見えました。
具体的には、空手の追い突きです。
私には、空手の追い突きの身体操作によって、コラレス選手があの驚異のスピードを生み出しているように見えたのです。
※
ちなみにあの試合、私は内山選手の勝ちだと思っています。
後半、あれだけボディを効かせてコラレス選手をふらつかせ、明らかな“かけ逃げ”連発に追い込んだのですから、いま見直しても、内山選手の勝ちにしか見えません。あれで負けにされてしまうのは、本当に辛いと思います。
ですから、「コラレス選手の空手が内山選手のボクシングを倒した」という見方はしていません。
そもそも、コラレス選手のあの追い突き的なパンチは、ボクシングの技術の一つでしょうし、コラレス選手が空手に学んだことも無いと思います。
そういう意味で、本稿の内容は、「内山選手を苦しめたコラレス選手のボクシング技術には空手と共通の要素があるのでは 」くらいのものと受け止めてください。
・・・と、前置きをして、内山選手対コラレス選手の動画です。
この試合、至る場面で、コラレス選手は、遠間から飛び込む左ストレート(コラレス選手はサウスポー)を繰り出し、内山選手を苦しめています。
コラレス選手は、半身に近い構えを取っているので、後ろ手である左拳は、内山選手から見てかなり遠いところにあります。
この遠くの左拳が、一瞬で眼前に迫ってきます。
中心軸回転の突きならば、ステップインしなければ決して届かない距離を、コラレス選手は所謂「2軸」の身体操作で一気に詰めてしまっています。
「2軸」すなわち、ストレート(後ろ手突き)の回転軸が、対軸ではなく、前足である右足上にある動きです。
この2軸に加えて、「手は足より先」の突きをしているので、落下の力も借りて、突きの届く距離が伸びています。
本土伝統空手の試合用の追い突き(型としての追い突きではなく)、あるいは高速上段突きに極めて近い動きに見えます。
しかもこの突き、対戦相手がかわして迎撃しようとしても、飛び込んできたコラレス選手は既にクリンチの距離にまで詰めてきてしまっているため、狙いをつけるのは容易ではありません。
教科書的なボクシングとは異なるものの、対戦相手が対処しにくいという意味で有効性の高い戦い方に見えます。
※
ちなみにコラレス選手は、右足を軸に体と拳を前方に飛ばす突きを終えた後で、当然の動作として、体が倒れないように、後ろ足だった左足を歩み足の要領で前方に時間差で飛ばしています。
この時の動作が、とても特徴的です。
コラレス選手のその動作は、まるで野球の投手が、ボールを放り投げた後で、後ろ足をマウンドに着く時の動き。
ここから逆算すると、コラレス選手のあの追い突き的なパンチは、空手ではなく、野球のピッチング動作に学んだ部分があるのかもしれません。
※
コラレス選手は、“追い突き”を何発も繰り出しいますが、その内一つを停めて見てみたいと思います。
動画の4:26頃のパンチです。
内山選手のジャブを喰らい、スウェーで威力を散らすコラレス選手。
そのまま体を沈ませて、踵で踏ん張って(ウエイトシフトを受け止めている点が踵であるように私には見えます)、
今度は前進。
踵で始動させた前進運動を、爪先でのキックで追加加速。同時に「手は足より先」の突きを開始。
後ろ足が浮き、体が前傾したストレート。
手が先の試合での追い突き。
あるいは高速上段突き。
※
・・・と、ここまで書いて、少し悩んでいます。
コラレス選手の動作は、空手的だと書いてきた本稿ですが、それは現在の本土伝統空手の試合での追い突き、高速上段突きとの類似性です。
いま、自分が修得しようとしている無想会の空手とは、類似性があるのか。
そう考えると、今度は相違点ばかりが目についてきます。
本土伝統空手(「手が先」「仮想重心」を意識してスピードと飛距離を出す競技組手であっても)と、無想会の空手が異なるため、当然ではあるのですが。
まぁ、この問いは、私自身の修業が進んでから考えることにします。今は考えるに足る技術的な知見が私の中にありません(笑)。
※
本稿は、コラレス選手のパンチには、本土伝統空手の試合で見られる「手が先」の追い突きに近い要素があるね、で終わりにします。