「円安は、輸出型の大企業を潤すけれど、国内向けの製品・作物を作る中小企業や農家には関係ない。儲かった大企業からのトリックルダウンなんてほとんどない。嬉しいのは大企業だけ」

つい最近まで、そんな主張をよく見ました。

そんなバカな・・・。

円安→中小企業・庶民への富のパスを、大企業からのトリックルダウンだけだとする前提が、実は非常に“誘導的”。

円安はもっとダイレクトに、国内向けの製品・作物を作る人々を潤します。
海外からの輸入より割安だからです。
スーパーでの輸入品との価格差が縮まり、大企業が輸入調達から国産調達に切り替えます。
観光客増によるインバウンド消費も増加します。

円高解消によって、近年、中小企業の倒産がどれだけ減ったことか。

これがすべて逆回転するのが円高です。

世界各地に生産工場を持って為替リスクを回避できる輸出型大企業は、円高にある程度耐えられます。

そうした為替リスク回避の手段を持たないのが、国内向けの製品・作物を作る人々。

これから起こる円高は、Brexitによって起こる外因的なものですが、国内の金融政策の転換(金融緩和の停止=アベノミクスの否定)によっても円高は引き起こされます。

「アベノミクスは大企業にしかメリットがない」という主張を真だと思っている中小企業・農家の方々は、これから起こる円高によって自分たちの事業がとうなるか、しっかり“観察”すべきでしょう。