http://mobile.nytimes.com/blogs/krugman/2014/11/16/japan-through-the-looking-glass/

クルーグマンblogから。

クルーグマンは、安倍政権の消費税増税延期を大いに歓迎しています。

一つには、財政不均衡の原因はデフレ(実質金利が高く投資が阻害される状況)にあり、財政再建を本当に願うなら、増税よりもデフレ脱却政策の方が重要であること。

二つには、8%から10%への増税がもたらす財政への影響はもともとたかが知れて降り、いま延期しても財政再建へのダメージはほぼないこと。

クルーグマンの主張は、20年前から変わりません。

流動性の罠に陥った世界では、価値観は逆になります。悪徳は美徳となり、立派な行為は悪行となます。
即ち、中央銀行の独立性は悪いことになり、財政赤字の中銀による国債買取りで補うことは恐れるべきことではなく、歓迎すべきことになるのがこの世界です。

それは、姿見に移ったアベコベの世界。

今の日本は、姿見に移った左右反対の世界だと思って政策を打たねばならないのに、人々はそれに気づいていない・・・。

来日したクルーグマンに会った安倍総理は、それに気づいた数少ない日本人だと言えるかもしれません。

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今日の日経新聞三面の「財政目標達成に黄信号」という記事は、まさに日本が姿見に移ったアベコベの世界にあることに気づいていない人間のものの見方そのものです。