http://mobile.nytimes.com/blogs/krugman/2014/09/09/the-structural-fetish/

久しぶりにクルーグマンblogから。

スペインの景気回復傾向を指して、「構造改革の効果だ」「構造改革を進めないフランスは、経済成長率でスペインの後塵を廃した。フランスはスペインを見習うべき」といった論調が出てきているようです。

クルーグマンは、こうした指摘を「構造改革フェチ」の戯れ言だと反論を展開しています。

・そもそも失業率は、スペインの方がフランスよりはるかにひどい。
・経済成長率でスペインがフランスを上回ったのもつい最近だけ。

クルーグマンは断じます。
スペインは、住宅街バブル崩壊後のデフレ圧を金融緩和で打ち消すことが、できなかったから、雇用を消し、賃金を下げることで価格競争力を取り戻す道(自国内デノミ)をするしかなかった。
失業率が高止まりし、賃金もうんと下がったところで、なんとか価格競争力が戻り、輸出によって景気回復が始まろうとしている。

これのどこが構造改革の成果か、と。

自国民を苦しめてやっと微かな景気回復を取り戻したスペインより、失業率を低く押さえ雇用を守りながら成長率でスペインに少し負けたフランスの方が、確かにマシでしょうね。