ふと、全空連の松久選手の組手動画が見たくなり、YouTubeを検索していたら、↓の動画にぶつかり見入ってしまいました。



2008年のWKFの世界大会の準決勝。
残念ながら松久選手が破れてしまった試合ですが、相手のDavid Dubo選手を見て、こんな凄い奴らが世界にいるのかとたまげた次第。

(2年遅れで何言ってんだよ・・・俺)

David Dubo選手みたいにスピードもあってバランス感覚も当て感もあり、しかも体幹も強くて当たり負け投げ負けしない、要するに盤石の地力を持った選手が、勝ちに徹して「掛け逃げ上等」な戦い方で挑んでくるのですから、ある意味ひどい世界です。

松久選手の堂々したまるで横綱のような戦いぶりこそ日本人の考える王者の姿勢ですが、そんなのお構いなしなんだなあ・・・。

そんな微妙な想いも抱きつつ、Dubo選手の動きには目を見張ります。

最初に大量3得点を奪った0:23の後ろ回し蹴り。
前後のスピーディなステップを一旦左右へのステップに切り替え、相手の前後の出入りに対する警戒を散らし、しかも徐々にステップのスピードを落として攻めあぐねているかのような雰囲気を醸し出してからの、突然の加速(!)。後ろ「回し」蹴りとは言っても、前後方向へのハイスピードな移動で迫る蹴りです。
これは喰らいますよね・・・。

1:38でややハプニング的に見せた、塩田剛三チックな腰で足を刈る投げには、空手の美学に拘らない柔軟な発想と稽古量が透けて見えたような気がします。パプニングですが、まぐれではない蓄積があってこそのあの場面だったような気がします。

<参考:腰で足を刈る投げ>


1:59の鬼ごっこのような逃げ方も、凄い。

2:16のサイドステップで間合いを外したはずのDubo選手を捉える日本人離れした松久選手の軸足スライドハイキックも凄いのですが、きっちり受けているDubo選手も凄い。

松久選手の前手突きをイナしながら両足ジャンプをし、着地と同時に逆突きを決める2:47のバランス感覚はなんなんだ。

5:40で、試合終了と同時にガッツポーズをしたところを松久選手に蹴られて、ちょっと笑ってしまいましたが、こんな選手にこのルール内でどうやったら勝てるのだろうか、となんとも言えない気持ちになる動画でもありました。