客先から会社に戻る途中で、筋肉博士・石井直方先生の本を数冊立ち読み。

きちんとした研究対象として見た時に、大腰筋が厄介で難しい対象か、という話が印象的でした。

教科書的には、腿を引き揚げたり、股関節の外旋を担う大腰筋ですが、石井先生の最新の研究では歩行時の後ろ足のキックの際にも大腰筋が働いていることが分かったとのこと。

もとよりスプリンターは大腰筋が発達しているのはよく知られている事実。しかしその役割は走行時の腿揚げに発揮されるものと見なされてきました。

後方へのキックでも大腰筋が働く事実はこの常識に反するもの故、トレーニング理論も見直す必要があるかもしれない、と。

骨や筋肉、腱が複雑に絡む合う腰は、最新の“筋肉学”にとっても謎多きゾーンということなんでしょうね。

なればこそ、経験則の蓄積である伝統的な鍛錬方法は、今でも価値があるのだろう、なんて思いました。