チンクチ論の功罪」とか書いておいて、何だこのタイトルは?! と我ながら呆れますが、自分が納得してしまった言葉からはなかなか逃れられないものですね。

私の場合は、「チンクチって?」とあれこれ考えていた時に久場先生の指導を受ける機会を得ることができ、「これがチンクチだよ」と何度も触らせてもらって納得してしまったため、そこから離れられないようです。今後、チンクチと断りなく書く時はすべて久場先生定義のチンクチ=背中から脇にかけての筋肉(=広背筋、前鋸筋、大小円筋)を意味することとします。

以下、その前提で書くのですが・・・
合気道・養神館の安藤先生のインタビュー記事を読んでいた際に、面白い一節に出会いました。

〔対談〕安藤毎夫氏に聞く(前)~知られざる塩田剛三~
http://www.janjannews.jp/archives/2687363.html

「風呂では、上半身裸になり、塩田先生の背中を洗ったり、館長の動きに合わせお湯をかけたりします。どのタイミングでどこにお湯をかけるか、先生の心を読む訓練でした。また、先生の体の筋肉や筋(きん)の動きをまじかで観察できるまたとない機会でもありました。今以て脳裏に焼き付いているのは、先生の脇の下の筋です。腕を動かすとその筋が異様に浮き出て、腰と腕をつないでいるような筋でした。実は、私も当初その筋に憧れて「自分もつけてみよう」と思い、自転車のチューブを物干しの竿につるして、トレーニングしてみました。けれども、筋力トレーニングでつくようなものではありませんね…。私も近頃、ようやくその筋がついて来ました(笑)。」
(下線は、はみ唐によるもの)

この塩田剛三の脇の下の筋って、チンクチと同じもののように感じます。

先日、合気道の稽古を見て「チンクチかかってるなあ」と思いましたが、後で確認すると養神館でした。合気道、特に養神館は、チンクチを上手く養い・使う技術体系なのかな?と勝手に妄想していましたが、上の安藤先生のインタビューを読んでも、当たっている部分もあるような気がしてきました。

このチンクチ論はおいておくとして、この安藤先生のインタビューは読みごたえがありました。
「親父のお陰で合気が分かった」という塩田剛三の言葉の意味。幼稚園指導での失意と逆転。そして、後編で奥様を語るあたりは、思わず涙が出てしまいました。

名人の陰に苦労あり・・・ですね。

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