最新号の「秘伝」誌の中先生特集は素晴らしい内容ですね。

拳の握り方、軸の消し方、腰の使い方・・・他誌も含めたこれまでの中先生特集の中でも、内容的に一番得るものが多いと感じます。

そして、中先生が、「流派に受け継がれた極意を師伝で修得した」というスタイルではなく、「もの言わぬ型を師として、組手や他武道の研究を通じて自ら極意を掘り当て、さらに深掘りする」というスタイルで空手の道を歩まれていることには、とても勇気づけられます。

試合で勝つために最適化された練習をする格闘技ではなく、さりとて流祖が体系化した稽古法をカメからカメに水を移すように伝える伝統武術でもなく、両者の狭間にあってそれぞれの良さを併せ持つのが空手の妙。その妙をここまで追求している先人の存在は、私のような末端の愛好家にとっても稽古の励みになります。

月刊 秘伝 2010年 02月号 [雑誌]/著者不明
¥990
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