昨日の夕方は胃腸の辛さが大分去ったので、暇つぶしに昔買った倉本成春先生の書籍&DVD(熊掌と虎豹が載っているもの)を見ていました。

2年前に見た時は「へえ、なんだか分からないけどすごいなぁ」くらいにしか思っていなかった技術も、今見ると少しは理解が増しているような気がします。

特に「虎豹」。
後の先を取る一拍子の攻防一体の技術なのですが、要は、桧垣先生による平安二段の初手分解と同じものです。また、時に受けつつ攻める際に攻め手が直接相手の顎をかち上げるのでなく、一旦相手の二撃目を抑えてから顎を打ちに行く動きもあり、「久場先生のセイサンの初手分解と同じだ」と思いました。

後の先を完全に取れるなら、平安二段初手のように受けと攻撃を同時に出し、相手の二撃目より早く相手を打ってしまう。
後の先をそこまで完全に取れない場合は、本来は攻撃に使う手を相手の二撃目を封じることに使う。

平安二段やセイサンが示す後の先のあり方と同じものを、倉本先生が整理し、再構築したものが「虎豹」なのでしょうね。

倉本先生の技術は従来の空手技術に対するアンチテーゼとして提示されたもの。おそらくは、桧垣先生や久場先生の使える分解の存在を知ることなく独自に作り上げられたものなのだと思います。

従来の型の解釈を否定することで構築された技法が、型の「裏分解」によく似ていることは、とても興味深いと感じます。

DVDでトレーニング「秒殺」の技法―倉本成春の武術空手応用技術編〈2〉 (倉本成春の武術空手 .../倉本 成春
¥2,940
Amazon.co.jp