沖縄古武術の棒術はいい教本がないな、と思っていた所、参考になるマンガを見つけました。かつて月刊空手道で連載されていた“流派紹介マンガ”の単行本の第二巻に、琉球古武術保存振興会が収録されていたのです。

本のタイトルは、「空手のタマゴ2」。
作画は空手技術をマンガで表現させたら日本一の坂丘のぼる氏です。

棒術について基本の約束組手(組棒?)が10本掲載されていましたが、「周氏の棍のあの動きはこういう分解になるのか」と大いに勉強になります。いい教本が少ないので、こうしたマンガには助けられます。

その中で面白いと思ったのは、寄り突き(琉球古武術保存振興会では「前手突き」)の際の歩法。突きの際、相手に対し右前の真半身を切った状態から、左足(奥足)を右足(前足)の前に出して交差させ、交差立ちを解いて右足を前に進ませています。

何のことはない、ナイハンチの横歩きそのものです。
無手のナイハンチでは一風変わった歩法に見えるあの横歩きですが、棒の突きでは実に自然。相手に突かれまいと半身を切り、かつその状態から突きに行こうとするならば自ずとこうなる、という趣きです。

ナイハンチには他にも、棒の寄り突きそっくりに両手を使う諸手突きもあり、棒術との関わりの深さを改めて感じさせられます。

棒の技術が先にあり、その技術を素手の攻防に援用した型がナイハンチだったのではないか。
棒や古武術の世界では常識なのかもしれませんが、ようやく私にも自然とそう思えるようになってきました。

 ■□■□

<追記>
山根流棒術の動画の移動基本にもちゃんとありました。
というか、そんなことも押さえずに「周氏の棍」をやっていた私がかなり恥ずかしい奴なのでしょう・・・(汗)。

Yamani bojitsu vol.2
http://jp.youtube.com/watch?v=7df3njt1p94&feature=related

棒術:ナイハンチの歩法01

棒術:ナイハンチの歩法02

棒術:ナイハンチの歩法03

棒術:ナイハンチの歩法04

棒術:ナイハンチの歩法05