昨日の空手は、水曜スパーリングクラスでした。
参加メンバーは、身長190cmを越えるチェコ人のIさん、「殺人キック」のイギリス人Nさん、そして私を入れた日本人2名、の計4名。異常に平均身長の高いメンバーでのローテーションになりました。

この日の私のテーマは奥足へのローキック。
先日増田章vs八巻建志の試合動画で見た決め技としての奥足へのローキックに魅せられたので、少しでも真似をしてみたくなりました。

重点的に試したのは、相手の右ローキックを左足でスネ受け→左斜め前に送り足でステップイン→相手奥足(右)への左ローキック、という受け返し。相手からすると、蹴りをカットされ足を戻したところを蹴られるので、避けにくい受けにくい技です。また必ず攻撃の前にステップを踏むので、外国人勢とのリーチ差を埋める方法としてもグッドなはず。

まずは、ローキックから入る受け返し稽古の中で試行。
何度もイメージ再生していたので、割りとスムーズにカット→ステップ→ローキックが繋がってくれました。
初めて見る(?)返しパターンに、IさんもNさんも困惑気味。返しのローキックを警戒して前足を上げることは大分習慣化してきた二人ですが、奥足への攻撃は不慣れです。
これは面白いと、右ローへの返しでホイホイ当てていると、少しイラついたNさんが、即座に奥足でこちらの前足を蹴り返す反撃を開始。結構当てられました。
奥足へのローキックは、相手の懐近くに飛び込む技なので、当てた後の反撃に警戒する必要があります。
すぐにポジションを変えるか、受け技の反応を高めるか、そこまで考えないといけませんね。(昨日はそこまであまり考えていませんでした。)

その後は、ほぼスパーリングに近い自由度の高い受け返し。
攻め手受け手を別け、攻め手はパンチと右ロー限定ですが、受け手の返しは自由。攻め手はこの返しをカットして、間をおかずパンチと右ローでまた攻撃に入ります。
やってみると分かりますが、事実上、一方だけが技を限定されたスパーリングと化します。

この日の私の相手はNさん。
自転車競技をやっていたため脚力が強く、道場ナンバーワンのキック力を誇るとともに、身長190cm以上の巨体なのに軽やかにステップを踏む技巧派志向のイギリス人です。
まだ時々意味のないステップを踏んだりしていますが、稽古に来るたび技術的に進化していて驚かされます。

さてこのNさん、私が攻め手、彼が受け手の時、いきなりサウスポーに構え直してきました(!)。攻め手の蹴りは右ローに限定されているので、ターゲットにされる左足を奥に下げてしまおうという作戦です。
頭を使って稽古している証拠ですが、稽古目的を考えると、それってどうなんだ!?(笑)
限定無かったら、前足でローをガンガン入れるちゃうよ。

こういう時は、右足で相手の右内股を蹴ったり、さっきの奥足へのローキックの右足バージョンを出せばよいのですが、慣れない技はトッサに出てくれないものですね。
右ローを決められたのは、相手が反撃に転じて左前のオーソドックスに戻った瞬間を狙った時だけでした。
バイオリンで言えば、初見の譜面で演奏するように(私にはできませんが)、空手では初めて見た相手の構えや体型、癖に合わせて戦術を組み立て実行に移す能力が重要だと改めて感じました。

右ロー限定の相手にサウスポーで構えたNさんの戦術はややずるっこでしたが、他の面では技術的な進化に驚かされました。
それは、前蹴り、横蹴りの多様。
こちらが踏み込んで突きの連打に入った時に、長い足を上手に畳んで前蹴りや横蹴りを合わせてくるんです。さすがに手加減がありましたが、あれが本気で出されたらヤバイですね。あの脚力ですから、かなり飛ばされる自信があります。前蹴り・横蹴りの捌きを徹底しなければ。

他には、やはりリーチの差に苦しみました。向こうの右ローをカットしても、日本人同士で戦う時とは異なり、その場から返す突き蹴りはまず届きません。カット→突き・蹴りではなく、カット→ステップ→突き・蹴りにするのはもはや必須です。
唯一、奥足へのローで練習した左斜め前への送り足ステップが出ましたが、右へのステップ、懐に入る前へのステップは出ませんでした。
課題ですね。
次回スパーリングクラスに行けた時は、まず期を見て一気に飛び込む、伝統派の中段突きのようなステップに挑戦したいと思います。


ちなみに、見ていた人に言わせれば、踏み込んでねちっこく打ち合おうとするはみ唐と、突き放して自分のリーチで戦おうとするNさん、そんな構図で、なかなか面白い戦いだったようです。
やってた二人にも楽しい戦いでした。

よし、来週も行くぞ。