平行立ちで正面を向き、両手で帯の前を握った状態で左右の上段回し蹴り繰り出す・・・そう、フルコン空手の道場ではお馴染の基本稽古の回し蹴りです。

茶帯になってからこんなことを言うのは恥ずかしいのですが、この蹴り、実は苦手なんです。
組手立ちで回し蹴りを出すのは好きです。突きの連打に上段回し蹴りを織り混ぜるのも、体が固い割には好き好んで使う方。
しかし、基本稽古の回し蹴りはどうも苦手。独特の難しさを感じていました。
①半身を切ってない状態から蹴るので勢いをつけにくい、腰を回しにくい、②両手を帯に固定しているのでバランスが取りにくい、難しさを生む要素はそんなところでしょうか。

以前は、「組手で上段蹴れるからマァいいか」と思っていたのですが、ここ半年は初心者の見本役になることも増え、そうも言ってられなくなっていた所。打点が低くて腰が回っていなくて時々グラつく、そんな蹴りでは見本になりませんよね(笑)。
そんな訳で密かにいろいろ試行錯誤を続けていました。

なかなかその成果が出なかったのですが、今日の稽古でフイにそのくブレイクスルーがやってきました。いつの間にか蹴り足がいい感じの軌道を通っていたんです。

気を付けてつけていたのは、当たり前のことですが、軸足の返しと腰を入れる動作の連動。組手立ちの時に出来ているこの連動を、平行立ちで如何に実現するか。その答えをやっと体が見付けてくれたようです。

基本的に私の空手技術は学生時代に身に付けたもの。しかしこの基本稽古の回し蹴りは学生時代には切り捨てていた部分でした。そういう意味では、ようやく学生時代に作ってしまった上達の壁を越えたことになります。
けれって嬉しいものですね。稽古をすれば、この先にはまだまだ成長が待っている。そう思うとやる気も湧いてきますね。