相手を捌く、背後に回る、崩すという動きをするには、相手が飛び込んで来てくれないと難しいですよね。

ボクシングのようにジワジワ近寄って、出入りの速い打撃を出されると、背後に回るのは至難の技。
近距離の速いハンドスピードには、こちらもハンドスピードで対処することになります。瞬時の足捌きはワンステップのみ。しかも引きの速い打撃は、ステップが終わった時には、もう戻っています。ハンドスピード対決の受けでは、受けは相手の攻撃を弾くので精一杯。崩すのは次の動きになるのですが、その時、崩しの基点になる相手の手足はそこにない訳です。これでは崩せません。
(演武では攻撃の手足を出したままにしてくれるから、できるのですが)

やはり捌くには、相手に遠間からロングレンジのステップインをしてもらうのが良さそう。これなら、ステップインまでにこちらも左右どちらかにステップできているので、既に攻撃を避けた状態になれます。相手が突いたり蹴ったりしてきた時に崩しを兼ねた受けが可能になります。

ではどうやって相手に飛び込ませるか?

それには、飛び込まざるを得ないだけの距離を常に保つことが必要です。
出入りハンドスピードを速く保てる小刻なステップインでは、積められないだけの距離を常に保つ足運び。
それは、前足と後足のどちらをも即座に基点することができることを前提にした、転身による歩き足でしょう。
通常の送り足では2ステップ必要な距離を1ステップで稼ぐ歩き足。それも、前後どちらの足でも基点にできて、時計回り反時計回りどちらでも転身できる足運びです。

こうされると相手は小刻なステップインを諦め、ロングレンジのステップインを強いられます。この瞬間こそが捌き、回り込み、崩しのチャンスです。

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なぜ急にこんなことを書き始めたかというと、実は昨夜の松濤會空手の動画 のせいなんです。

外国人師範の捌き

多人数掛け

あの動画の中で外国人師範が次々に弟子たちを捌くのですが、演武とは言え、なかなか見事。あんなことが可能なのかと、その要因を考え続けようやく、ここまで辿り着いたというわけです。

左右どちらの足も即座に軸になる歩き足転身。きっと答えはこれです。

そしてこれを可能にするための運足訓練が、松涛會のあの止まらない型なのでしょう。
全ての挙動を滑らかに繋いだ基本型「太極」。あれは、縦横無人の歩き足を身に付けるためのものですね。
そうに違いない!(妄想爆発!)

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よどみない滑らかな太極動画
(1分50秒あたりです)
太極

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ああ、筋トレが少ない・・・。
階段ダッシュ(6階) 5本
背筋 30回
腹筋(深く)30回