稽古後の食事でのMさん(日本人女性、技きれい)の次の一言で、今日はちょっとした空手道場の経営論になりました。
Mさん:「でもね。Tさん以外にも熱心な外国人いたけど、だんだん来なくなっちゃう人が多いですよね」
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はみ唐さんの道場は、独立系のフルコンタクト空手。
道場長のH先生(今日はお休み)の方針で、
・フルコンタクト空手を明るく楽しくやろう!
・女性にもフィットネス感覚でやってもらおう!
・外国人にも文化交流として学んでもらおう!
・ただしビシッとガチンコの組手で戦える技を教えるぞ!
(でも、組手そのものは危険だから現時点ではまだやらない)
・型は時間がかかるから教えない
という道場なんですわ。
となると、稽古のメニューは、
柔軟体操 → 基本稽古(その場立ち) → 移動稽古(前屈立ち移動)
→ 自然体移動稽古(フットワーク&コンビネーション)
→ ミット打ち込み →クールダウン ・・・という感じ。
帯上の先輩たちを見ていると、上の稽古メニューが一通りこなせるようになると目標を失ってしまうのか道場から足が遠のく人たちが確かに多い。
* * *
はみ唐:「組手を見せたらどうすか? 今の稽古の先にあるものを見せたら、目標になるんじゃないすか?」
これは前から思っていたこと。
しょぼいながら経験者のはみ唐さんは、フットワーク&コンビネーションでも、ミット打ち込みでも、組手をイメージしているから飽きがこない。
(これじゃあ、使えない)という基準が自分の中にあるから意欲が湧いてくる。
A先生:「たしかに、今の稽古で学んだ技を使う場を作れば、目標になるかもしれない。でもね、空手=組手になって、組手の強さだけで序列ができるような道場にはしたくないな。それに組手すると、痛くて辞める人がまた出てくるんだよ」
M先生:「とはいえ、組手したそうな道場生はいるね。フルコンタクトルールじゃなくて、スーパーセーフ面でも被ってライトコンタクト&ポイント制でやる分にはいいんじゃないの?」
Mさん:「え、私、フィットネス感でやってるから、被りモノして殴り合うの嫌ですよ。」
やはりたいていの女性はそう思うのかな?
M先生:「じゃあ男女分ける? 男はスパーリング中心にして・・・」
はみ唐:「反対です!!!」
M先生:「どして?」
はみ唐:「俺は違いますが、やはり、女性もたくさんいる中でむさ苦しくない環境でやる空手だから、これだけ道場生が多いんですよ。男だけのスパーリングクラスは人が集まらないですよ。俺は別として。」
A先生:「要は、男だけスパーリングクラスにすると、はみ唐さんが辞めちゃうと(w」
Mさん:「はみ唐さん、バイバイ」
はみ唐:「手を振るな!」
M先生:「型の稽古して空手の奥深さに興味を持たせるという手もあるね。休憩時間に型の動きやってると興味ありそうに見てる人結構いるよ」
A先生:「型ねえ・・・。でも、俺たち型はあんまりやってこなかったから教えられるかな・・・」
Mさん:「先生たちが教えられなきゃダメじゃないすか!」
A先生:「フルコン空手はね、あんまり型やらないんだよ」
Mさん:「じゃあ、フルコン空手って何が得意なんですか?」
M先生:「ボッコボッコの殴り合い・・・」
Mさん:「ゲッ・・・」
はみ唐:「型ばっかりやってても辞めちゃう人いますよ」
Oさん(日本人女性、初心者):
「スポーツジムのダンスとかエアロビのクラスみたいに、次に次に課題の振り付けを決めて、ミニコンテストをするとか?」
A先生:「空手のは振り付けとは言わないけどね・・・。でも、今でも、今月は蹴りのコンビネーションとか、先月は突きのコンビネーションとか、変化はつけてるつもりなんだけどね。コンテストの代わりに昇級審査があるし。」
Mさん:「そうかもしれないけど、赤帯あたりまで昇級した人が、ちょっと目標を見失い気味なのは確かかも。あ、でも、殴り合いは嫌です。」
* * *
今日は道場主の先生がいないから、ちょっと放談気味にうちの道場の目指すべき姿トークになりました。
楽しくフィットネス感覚で、というやり方だけでは、一人の道場生を何年も定着させるのは難しいんでしょうね。かと言って、組手でも型でも本格的にやりだすとどうしても弱肉強食の部分が出てきてしまう。
じゃあ、クラス分けをするか、といっても、大人数で稽古しているときのワイワイ感がなくなって寂しい稽古になる可能性も。
うちの道場はどういう方向に進んでいくのか・・・。
空手道場の経営って、なかなか難しいゾ、と下っ端ながら思ったはみ唐さんでした。
このテーマはまた書きますわ。