昔、施術料金について患者さんに告知した事がある。窓口で100円200円の世界だったからみんな、毎日来れんなぁ…。とこぼしていた。以前の僕は毎日来られるとストレスになったのに(だいたいストレス無く施術出来る間隔は2週間に1回くらいだった)経営する側になると、だんだん感覚がおかしくなってしまったようだ。毎週来られても嫌だった。これは理屈でなくて本当に感覚。同じ人に会うのがその程度しか受け入れ難いという僕のキャパシティだった。それくらいになると、名前やどこが悪いか忘れているので必然的にカルテを見る。カルテを見るから空き時間はカルテ整備をしっかりして患者さんの症状その他をしっかり記入するし、記入出来てなければ今現在の問診や、触診、徒手検査を大切にしながら施術する。ところが経営者となり金額がアタマに入ってくるとソロバンをはじきだす。もっともらしく対費用効果やLTVだったっけ?を計算しだし厚生労働省の監査対象にならないようにギリギリまで来院させようとする。腕の良い先生の所は治るから患者さんはいなくなる。だからバケツの水漏れを防ぐが如く、患者流出を防ぐ。治さない。あるいは治せなくなっていく。切れる包丁でスパッとやられると、やられた側も切られたのがわからないうちに絶命するが、なまくら刀でボコボコやられると、痛みにのたうち回って長く苦しみ死ぬのと似ている。しらず知らず腕が鈍るのだ。あるいは方向性が変わる。