中道改革連合とは何か

 

――「5つの旗」は誰が掲げ、何が削除されたのか

 

1.「中道改革連合」は誰が作った政党なのか

 

中道改革連合は、公明党と立憲民主党が合流して誕生した「新党」とされている。

しかし、その成立過程を辿ると、「対等な新党創設」とは異なる構図が浮かび上がる。

 

公明党代表・斉藤鉄夫氏は次のように述べている。

 

> 「中道改革の軸となるには大きな旗が必要でございます。旗として5つの旗を掲げました」

「集まった人は、もう立憲の人ではありません」

公明党が掲げた5つの旗の下に集ってきた人です」

引用元: https://news.yahoo.co.jp/articles/a3851c0e3a7ed65aeae5ab7a2bd9ebf77948cb72

 

 

ここで注目すべきは、「5つの旗」を掲げた主体が中道改革連合ではなく、公明党であると明言されている点である。

 

新党であるならば、本来その旗印(綱領・基本政策)は創設メンバー全体で構想されるはずである。しかし斉藤氏の発言は、「公明党が掲げた旗」に他党が「集った」構図を示している。

 

この時点で、中道改革連合は

「新党」ではあっても「公明党主導の政党」

である可能性が高い。

 

 

 

2.「5本柱」は誰の原案なのか

 

中道改革連合の基本政策は「5本柱」として整理されている。

 

しかし、この「5本柱」についても、立案主体は不透明である。

実際に確認できる情報を比較すると、次の事実が浮かび上がる。

 

公明党・立憲民主党が公式サイトに掲載している綱領

https://www.komei.or.jp/komeinews/p476973/ 

https://cdp-japan.jp/news/20260119_0073

 

日本経済新聞が掲載した「基本政策の全文」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA193VB0Z10C26A1000000/

 

この二つには、明確な差異が存在する。

 

日経新聞版では、以下のように踏み込んだ記述が見られる。

 

原発再稼働の条件付き容認

 

辺野古移設を含む現実的安保対応

 

平和安全法制(安保法制)に関する合憲評価

 

 

一方、公式に合意された綱領では、これらの争点は削除、あるいは抽象化されている。

 

これは、日経新聞が「勝手に書き足した」と考えるよりも、

交渉過程で公明党側が提示した原案が存在し、立憲民主党が同意できなかった部分が削除された

と考える方が自然である。

 

 

 

3.原発政策をめぐる立憲民主党議員の発言の変遷

 

この推測は、立憲民主党議員の言動からも裏付けられる。

 

枝野幸男・立憲民主党最高顧問

 

枝野氏は次のように述べている。

 

> 「立憲民主党が、例外なくすべての原発再稼働に反対という政策を決めたことはないと思います。」

引用元: https://x.com/edanoyukio0531/status/2013090028201603541?s=20

 

 

 

しかし、この発言に対しては、2019年の立憲民主党基本政策に

原発ゼロ社会を一日も早く実現する

との明確な記述が存在することが指摘された。

引用元:https://cdp-japan.jp/about/basic-policies

 

これを受け、枝野氏は次のように投稿している。

 

> 「ミスリードする広報物が存在すること、深くお詫び申し上げます。」

引用元: https://x.com/edanoyukio0531/status/2013392664486363282?s=20

 

 

ここで問題となるのは、「ミスリードする広報物」とは何を指すのか、という点である。

過去の公式文書を「ミスリード」と表現することは、事実の否定ではなく、政治的再定義に他ならない。

 

 

 

松下玲子・衆議院議員

 

松下氏は中道改革連合への参加を表明する際、次のように投稿した。

 

> 「原発再稼働反対です。入ったうえで、中で頑張りたいと思います。」

引用元:現在削除されているためurlなし

 

この投稿は翌日に削除され、その後、次のような説明がなされた。

 

> 「言葉が足らず、覚悟に欠ける投稿があったことを、心からお詫び申し上げます。」

引用元: https://x.com/matsushitareiko/status/2013808258088350123?s=20

 

 

この説明は、発言内容が誤っていたのではなく、

その立場を公に表明したこと自体が問題視された

と読むのが自然である。

 

 

 

安住淳・立憲民主党幹事長

 

辺野古移設問題について、安住氏は次のように述べている。

 

> 「政権を担うとなれば、いま(移設計画を)ストップするのは現実的ではない

 

その後、この発言について安住氏は

 

> 「言葉足らずだった

引用元: https://www.asahi.com/articles/ASV1P3DC0V1PUTIL01DM.html

 

と釈明している。

 

しかし、「現実的ではない」という評価自体は、民主党政権が2010年に辺野古移設を事実上断念した経緯と整合的であり、

撤回というより本音が表に出たと見るべきだろう。

 

 

 

4.安保法制をめぐる「棚上げ」という処理

 

安全保障政策についても、同様の構図が見られる。

 

小西洋之・参議院議員

 

小西氏は一貫して、安保法制を「絶対的に違憲」と主張してきた。

 

> 「安保法制の集団的自衛権行使は絶対の憲法違反です。」

引用元: https://x.com/konishihiroyuki/status/1986792774675669331?s=20

 

 

また、党が安保法制を容認するとの報道についても、

 

> 「党内では議論されていません。枝野元代表の発言は個人意見です。」

引用元: https://x.com/konishihiroyuki/status/1984176945559482489?s=20

 

と否定している。

 

一方で、中道改革連合の基本政策については次のように述べている。

 

> 「中道改革連合の基本政策は、立憲民主の党見解と整合するものと考えています。」

引用元: https://x.com/konishihiroyuki/status/2013629494528225517?s=20

 

しかし、日経新聞版の基本政策では、

 

> 「平和安全法制が定める存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲

と明記されている。

 

正式綱領ではこの部分が削除されており、

これは「合意した」のではなく、合意できなかったため棚上げされたと理解すべきである。

 

 

 

5.「教育」という言葉が示すもの

 

中道改革連合をめぐる発言で象徴的なのが、次の二つである。

 

野田佳彦・立憲民主党代表

 

> 「改めて基本を学ぼうと思い、公明新聞で池田大作先生の中道政治論を読ませていただいた」

「人間主義に基づく中道について、斉藤さんから多くを吸収した」

引用元: https://mainichi.jp/articles/20260123/k00/00m/010/119000c

 

 

 

伊佐進一・公明党幹部

 

> 「立憲民主党を教育する

引用元: https://www.youtube.com/watch?v=K-2TKvhtpDo&list=TLPQMjYwMTIwMjZSy2MR6m1hnA&index=6

 

これらの発言は、中道改革連合が

対等な理念融合ではなく、公明党の価値観への適応を求めるプロセス

であることを端的に示している。

 

 

 

6.結論――立憲民主党議員に突きつけられる選択

 

以上を踏まえると、中道改革連合の実像は次のように整理できる。

 

1. 綱領原案は公明党主導で作成された

 

2. 立憲民主党が受け入れられない政策は削除・抽象化された

 

3. 合流後、立憲民主党議員には路線転換が事実上求められる

 

 

その結果、旧立憲民主党議員には、

 

・原発ゼロ政策

・辺野古移設反対

・安保法制違憲論

 

について、

 

撤回するか、沈黙するか、離脱する

 

という三択(実質的には二択)が突きつけられることになるだろう。

 

中道改革連合とは、

「中道」という言葉で包まれた公明党主導の現実主義政党であり、

立憲民主党にとっては、理念政党からの転換点となる可能性が高い。