目的
政治資金をめぐる議論、とりわけ企業・団体献金を禁止すべきか否かという争点について、感情論や印象論ではなく、国民が事実に基づいて判断できる制度基盤を整備することを目的とする。
本提言は、献金の是非に直ちに結論を出すものではなく、まず「政治にどこで、どれだけ金がかかっているのか」を正確かつ分かりやすく可視化することを最優先とする。
問題意識
提言者は原則として企業・団体献金は禁止すべきと考える。
一方で、選挙ボランティアとして現場に関わる中で、
有権者に顔と名前を知ってもらうだけでも
広告・印刷・交通・人件費など多額の費用がかかり
10万票・100万票規模では個人献金や自己資金だけでは困難 という現実も認識している。
→ まず支出の実態を国民に見せることが、献金禁止の是非を判断する前提である。
現行制度の根本的欠陥
・外形的に書式が整っていれば足りる
・単式簿記で資金の全体像が見えない
・現金取引が容認され証拠性が低い
・電子化・検索性・比較可能性が不十分
・正確性の担保が実質的にメディア等の指摘任せ
→ 合法か違法かは分かっても、適切か否かを国民が判断できない。
改革の基本理念
・処罰強化を目的としない
・透明性・正確性を最優先
政治資金収支報告書は 捜査機関のためでなく、主権者(国民)のための情報公開制度
具体的提案(要点)
1. 複式簿記の原則化
資金の流れと残高を構造的に一致させる
2. 現金取引の全面禁止
銀行振込・電子マネー・クレジットカードに限定
3. 完全電子化とWeb公開
統一プラットフォームで誰でも検索・比較可能に
4. 1円単位・全件記載
包括記載は例外扱い
5. マスキングルールの明確化
個人寄付は少額に限り匿名可
企業・団体名は匿名不可
6. 機密費の整理
公的助成金の機密費使用を禁止
通常活動を支える助成金増額は検討余地あり
7. 会計責任者制度の改革
会計責任者を公設化
公認会計士・税理士等の国家資格者に限定
本提言の位置づけ
企業・団体献金を
直ちに容認するものでも
直ちに禁止するものでもない
まず、
政治にどこで金がかかっているのか
その支出は妥当か
個人献金や公的助成で代替可能か
を国民が事実に基づいて判断できる状態を作る。
その上で初めて、企業・団体献金の禁止・上限規制・公的助成の在り方について、民主的な合意形成が可能となる。
結論
見えない金は不信を生み、 見える金は評価と選択を可能にする。
政治資金収支報告制度の抜本改革は、政治不信対策ではなく、民主主義の基盤整備である。