イチジクの新品種を、あれもだ、これもだ、と次々に試験的に導入して、育ててきたがこれの失敗が多くてさ。
失敗は主に、樹ばかり育って果実が成らない、ことにある。
試行錯誤もうんざりして、そろそろそーゆー模索は終わりにしたくなってきたので、イチジクは以下の4品種ぐらいに絞って、今年は一応落ち着いている。
そもそも、こんな苦労をするハメになったのは、日本の代表的イチジクである桝井ドーフィンが、うちのあたりでは、寒くて育てられないからだ。
ドーフィンの耐寒性は、温州ミカンと同じぐらいだ。
うちのあたりは温州ミカンが育たなくてね。
防寒対策をしっかりやれば育つが、家庭で放任栽培では、数年に一度ある寒波のときに枯れてしまう。
何年もかけて育ててきたのに枯れてショック・・・という精神打撃がひどいので、家庭果樹としてはウチではミカンもドーフィンも断念してる。
というわけで、イチジク界での最も代表的かつ主力的な品種であるドーフィンを『抜いたうえでの』イチジク栽培ということは、その多大なる利点を消失させたイチジク栽培となるわけで、苦労が思いやられる前途となって、実際、収穫量が全く上がらなくてさ、苦労の連続と化してしまった。
ともあれ、なんとかカバーできそうな代替品種の筆頭としては、バナーネだな。
バナーネの未熟な果実
長い果実が成るという触れ込みだが、やや細長いけれども、バナナのように長いわけじゃあない。
果実は比較的成り易い。
成長がやや虚弱だなー、とはよく感じる。
もっと元気良く伸ばすためには、管理をもっと良くしなくちゃならないのだろうか。
9月ごろ熟す。
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二番手の有力候補が、ロンドボルドーだ。
小玉で小さいが、元気よく枝が伸びて樹が大きくなるので、採れる量は比較的多めだ。
ロンドボルドー
ピンポン玉ぐらいの実が成って、赤く色付くので、緑色の葉っぱの中からも発見しやすい。
(バナーネはやや黄色く色付く程度なので、熟した実はやや発見しづらい)
美味しそうだと、赤く色付いた小玉をとって、すぐ食うと、生きたアリンコの味がする・・・。
アリがたかりやすくてな。
フーフーと息を吹きかけて、アリンコを追い出して吹っ飛ばさねばならない。
ロンドボルドーは8月に熟す。
今年(2019)は遅くて、8月下旬になってからようやく採れはじめたところ。
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新規導入品種の中ではちょっと異色の、ボーンホルムズダイヤモンドについて。
耐寒性最強というキャッチフレーズにつられて買ったが、樹の成長が虚弱なので、寒さに強いとは思えない。
ボーンホルムズダイヤモンドの未熟な果実
果実が固くて、歯触りや味などは、ホワイトゼノア(ブルンスイック)によく似ている。
うちのボーンホルムズダイヤモンドは高さ2mほどにしか育たず、『矮性』のホワイトゼノアといっても差し支えないような感じ。
長所は、夏果が比較的採れ易いことかな。
イチジクは冬越しして7月ごろから採れる果実(夏果という)があるのだが、冬期の寒さが厳しいところでは寒害をうけて、夏果がとれない。
うちはやや寒い地域のはずだが、夏果は桝井ドーフィンよりは寒さに強いのか、ボーンホルムズダイヤモンドの夏果は比較的採れてるので(7月ごろ採れる)、イチジクを連続収穫したい、という願望の都合上、栽培している。
もっと元気よく伸びればいいのだが、虚弱な育ちなので、夏果も秋果も少ししか採れてない。
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イチジクの締めくくりは、10月からの晩秋に採れる日本種(蓬莱柿)だ。
樹の成長は強力で伸びまくるわりには、果実がよく成る。
さすが伝統的な品種だぜ。
うちではかつてこれしか植えてなかったが、10月以降しかイチジクを賞味できなくて困っていた。
でも、9月はバナーネが収穫できるようになったし、8月はロンドボルドーが成るし、7月はボーンホルムズダイヤモンドの夏果がちょっと収穫できる。
イチジクを連続収穫したいという願望は、一応達成できてるわな。