イチジクの品種いろいろを導入しては試作を繰り返してきたが、試作の実績からいえば、どうやらロンドボルドーが優位に立ったようだ。

そもそも、ロンドボルドーって何?ってか。

フランス語のようで、ボルドー地方の丸い(ロンド=ラウンド?)イチジクという単純な名前だ。

赤黒い小さめの実がなる。

ピンポン玉ぐらいのサイズかな。

 

 見た目は、桝井ドーフィンを小さくしたような色と形の実だ。

ロンドボルドの甘さは、カタログでは高糖度を宣伝されているが、オレが食った感想でいえば、そんなに甘いわけじゃない。

甘さは強いけれども、高糖度として大宣伝するほど甘いわけじゃない、といったところだ。

 

 ロンドボルドの利点は、味じゃなくて、成り易さ、育て易さにある。

他のイチジク品種がもう、成らなくてさ!。

樹は育つが、実がうまく着果しないイチジク品種が多くって、もう、どれもこれもだ。

オレのあたりの土地は、黒土が深くて、樹ばかりが成長しすぎるんだ。

ダルマティーという大果品種も植えたが、樹がでかく育ったわりには着果がやや悪く、まだ一個も熟してない。


 代わりにやたらめったらデカく育つのがあって、それがロンドボルドーなのさ。

樹が育つわりには、果実の付きも良い。

 

 

 あと、オレの生活範囲では、桝井ドーフィンが育たないくらいの寒波がくる。

マイナス7度ぐらいか。

桝井ドーフィンの耐寒性は、温州ミカンと同じぐらいだが、うちのあたりでは温州ミカンが育たない。

というわけで、その低温にも耐えるバナーネを本命としていた。

が、バナーネは樹の育ちが思った以上に悪くて、樹が大きく育ってない!。

 

 という状況で、思わぬ奮闘と活躍を見せたのが、小玉のロンドボルドーだ。

枝がやたらと伸びるので、挿し木、といっても枝を50センチぐらいに切って地面にまとめて突き刺しただけだが、それが那須高原で根付いたものがあって、成長力の強さもあって、マイナス10度近くにも耐えて高原で育ってる。

 

 

 果実はぎっしり付いたように見えるけれども、ぜんぶ未熟果で、2018年は熟さなかった。

1個だけ食べることができたけど。

涼しい高原だから熟すのが遅れただけで、オレの自宅の庭(水戸近郊)では、かなりの早生品種であって、8月中に熟してしまった。

 

 夏果じゃない。

秋果でだ。

高原では冬の訪れが早いので、早生品種であることが望ましい。

あと、那須高原では土地が痩せ過ぎている。

成長の悪いバナーネでは、ろくに育ちそうにない。

 

 かといって、早生日本種という蓬莱柿(ほうらいし)では、熟す時期が遅すぎて関東平野でも10月だから、那須高原では熟すのが遅過ぎるだろう。

オレの庭では、ロンドボルドー8月から9月、その次にバナーネ、その次の10月に蓬莱柿という組み合わせが、経験からいっても良い。

 

 その他にも、ボーンホルムズダイヤモンドとか、さっきのべたダルマティーとかあるが、ボーンホルムズダイヤモンドはあまりに成長が悪くて樹が小さいままで果実の量が少なすぎ。

ダルマティーは逆に伸び過ぎて結実が悪く、うまくいってない。

 

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えっと、再度繰り返し述べてみよう。

トシのせいか、自分でも反復しないと、オレ自身がよく理解できなくてさ。

先日メールで書いたので、そのときのをコピーして引っ張り出して以下述べてみる。

 

イチジク品種からいえば、桝井ドーフィンが寒さに弱過ぎるだけで、他のイチジクはもっと寒さに耐える。

バナーネは桝井ドーフィンよりも寒さに強い。

ただ、樹勢がだいぶ弱いので肥料とかを与えないと、なかなか育たない・・。

バナーネは挿し木しまくったけれども、どれも成長力が遅くて、思うように量がとれてない。

バナーネは総合評価は○だけど、不満が残る。

 

ボーンホルムズダイヤモンドは寒さに強い方だが、樹勢がかなり弱くて樹が小さいままで、収穫量が少なすぎ。

ノルドランドは果実の成りが悪く、果実も小さすぎ。やや不合格範囲といったところ。

 

うちでの栽培経験からいうと、ロンドボルドーという品種が、耐寒性強く、成長力強く、収穫の数は多く(ただし果実が小さいので、収穫の重量は多くない。)、赤黒い果実で葉っぱの影でも見つけ易い、といった事情で、これがうちのイチジク栽培では主力になっている。

食べても味よし。那須高原でも越冬できている。

樹は伸び過ぎてでかい。

 

といった状況で、ロンドボルドーは果実サイズが小さいのが問題なので、バナーネなども一緒に植えておいた方が無難(バナーネは大きい)。

ダルマティーという大実品種も植えて、耐寒性は強いらしいが、2、3年たってもまだ結実してない。

 

というのが、メール内容の大体の中身であった。

試作も疲れたよ。

もう、50歳になって大食いもなかなかできないので、イチジクの試作いろいろの連続作業は、確か10年ぐらいもやってるな・・・、そろそろ終わりにして、第一、耐寒性のあるイチジク選びとかもう実現できているのだから、これからは収穫本位を目指してもいいだろう。