熟し始めているのに数日間ほったらかしになって、スズメに食われまくりだろうと思いつつも、カゴを持って収穫に向かった!。
畑についたら例年この時期に飛び立つはずのスズメがいない。
よかったと思いつつ、スパルタンの木々に寄って果実を見てみると、突つかれた痕は比較的少ない。
よかったあ。
他の園でも熟し始めたからそっちに飛んでいったか?。
さっそく収穫しはじめた。
胸からぶらさげた100円ショップのA4バスケットカゴを2段重ねにして、ヒモを結んであるのは下のカゴだが、上のカゴは取り外しできるようにして、次々に摘めるように工夫してある。
粗い目のカゴに摘むのは、小さなゴミが入ってしまったり小さなクモや虫が入ってしまうので、下に落ちるようにするためだ。
パックに摘むと、容器の下の方に落ちた虫を取り除くのに果実をよけなければならず四苦八苦だったもんで。
オレのブルーべリー収穫歴は10年以上ある。
過去の経験から、つーか失敗という形で覚えているんだが、それを元に工夫はいろいろあるがな。
スズメの突き害、野鳥の害について、今回大きな?進展があったので述べておきたい。
今回収穫したブルーべリー。カゴのまま冷蔵庫へ。
キラキラテープをぶらさげて垂らして触れている果実にモロにスズメが突いた痕があったりして、キラキラ作戦は一時的でおわってしまったが、テープを10巻以上も買ってまだ大量に余っているのがもったいないのが気になる。(お金が。)
スパルタンの収穫だがな、大粒だけ摘むことにした。
樹に寄っていって、超大粒、それに準じる大粒、ついでの中の大、というサイズで摘んでいく。
スパルタンは超大粒が採れるということで有名だが、実際はそこまで大きい粒は一部だけであって、ただの?大粒か中粒が多い。
小粒は少ない。
大粒は3グラムくらいか、中粒の2グラム以上ぐらいのをついでに収穫して、それ以下の粒は今回わざと放置した。
スズメの被害担当果にするためさ!。
魚の産卵でもお米でも、一斉に産卵とか同時に収穫期を迎えるというのは、天敵が毎日のように継続的にきて被害を与えるのを防ぐため、古代から続くもっとも普遍的な防御方法なんだ。
いっせいに熟せば、野鳥だって食いきれないわけだ。
というわけで、スパルタンの中粒以下はわざと放置して、被害担当とする。
なにしろ防鳥網を張ってないから。
摘果だの、剪定で小粒を減らして、超大粒だけ、なんてことをすると、その数少ない超大粒だけをスズメにメタメタに突つかれて全滅しちまう。
そういう経験もあるがな!。
というわけで、今年は放置作戦が思いの他うまくいって、今回、うまく収穫できた。
まあ、仕事で疲労してサボりが主原因であって、野鳥対策はついでだったけど。
この日、暑くてさあ!、パンツまで汗でビショビショになっちまった。
若いときは平気でも、トシとってくると疲労軽減が切実なわけよ。
あ、防鳥網というのは、鉄パイプ一本1500円もしてそれを三角に組んで倒壊を防いで連結金具をつける(これも高価)という、とてもとてもお金がかかる。
一反(10アール)あたり50万円はかかるんだぜ、業者に頼むと。
ブルーべリー売って、一パック300円、500円って根気良くやっていても2、3万円の利益を出すのも大変なのに、何十万円もの鉄パイプや網などの出費はできれば防ぎたい。
オレの敷地は、隣接の借地が加わったこともあって、畑が四角形じゃなくて、多角形になっている。
ひょうたん型というか、三角の土地もあるし、農道もまたいでいるので、防鳥網を設置というのは大変すぎる。
なるべく四角形に設置して(してないが。)、その枠外の隅っこのブルーべリーは、餌担当のオトリにしちまおう。
オトリは受粉樹でもあるウェイマウスに担当させることにしたが、元々はグミだのジュンベリーが担当するはずだったが意外とアテにならず、ウェイマウスにしても脇の方に移植するのは大変だし、そもそも露地植えの接ぎ木ブルーべリーを移植するとすっごく衰弱することが多くてね。
じつに2、3年も回復しないので樹の移植はなるべく禁物だ。
つまり、園内の端っこにあるスパルタンそのものを、野鳥用にオトリ用にすることにしたわ。
同じスパルタンなら、熟期は同じになってズレはないし。
収穫初期の大粒だけは採って、あとは放置だ。
鳥の害はブルーべリー界では、ものすごく大きな問題だ。
網は高価だし、張りっぱなしにすると冬期に雪が乗ってしまって重みでつぶされるのを今年(2018の2月)見たばかりだし、オレとしてはいっせいに熟して外敵の攻撃を分散するという、古代からつづく古典的な防御方法を加えることにしたわけ。
昔からの方法というのはバカにはできない。
おっと、長々と述べてしまった。
この日、収穫は延々とつづく。
採れるだけ取らなきゃならない、昨年発送したところに今年も発送する予定だから。
新規発送は・・・できそうもない、量が採れないんだ。
量産に励みたいが、ハイブッシュブルーべリーをたくさん作るのは正直難しい。
食べ放題はラビットアイの摘み取り園ではあっても、ハイブッシュではなかなか無いのが現状だ。
量が採れないからさ、樹の発育も(ラビットアイよりも)悪くってね。
接ぎ木樹であってもだ。
アーリーブルー
摘んでて気付いたスパルタン以外の別品種アーリーブルーについて。
熟すのは以前は思ったよりは遅かったが、今年はというか、近年はちゃんとウェイマウスとスパルタンのちょうど中間ごろに熟すようになってきた。
カタログ値どうりの極早生だ。
果実はやや固めで、白粉多くて、見事だ。
ウェイマウスがやや柔らかく、果実が黒ずんでいる、という対比であることからいっても、アーリーブルーが一歩優れた点ではある。
が!、なにしろアーリーブルーは果実が小さいんだ。
ウェイマウスは豊産性であり、それは枝の分岐が多いからで花芽も多くなるためだが、アーリーブルーはそこまで分岐しないので豊産性ではないが、成りは中程度で、特に少産というほどではない。
アーリーブルーの果実サイズは初期は中の大があるが、その後は中小粒がほとんど。
スパルタンを収穫していると、それは大中粒がメインであるけれど、アーリーブルーの中小粒は取りきれんわ!、めんどうくさくて。
「ブルーべリーの収穫が小さくて大変!」というのは、むかしから繰り返し繰り返し指摘されている大問題だ。
暑い時期だから大変だということもあるが、大粒なら1時間あたり2、3キロは摘んで売価は5000円、6000円になるのに、小粒だと1時間あたり2キロ以下になって売価は4000円、3000円、又は売れ残る、という事態になって、販売面からみても重大な問題だからだ。
ブルーべリーは大粒だとすごく良く売れる!。(スパルタンだと味も良い)
小粒は不評でな・・・。
味は同じであってもだ。
という問題を毎度認識させらる今回のアーリーブルーであった。
アーリーブルーは果実がやや固いので、小粒でもスズメが丸呑みしてくれるかどうか。
固いのは発送には良いが。
ウェイマウスの茂った樹にスズメが枝にとまるのはよくみるが、アーリーブルーの樹にとまったのはまだ見たことが無い。
やや枝ぶりが疎なので、スズメ自身が身を隠すことができず不安だからだろうか。
アーリーブルーとスパルタンは、栽培面ではどちらも大差なく、ただ、接ぎ木するときの品種差でしかないから、今ある数本のアーリーブルーは、今後、地面からサッカーが伸びてきたらそれにスパルタンを接ぎ木して更新予定ではある。
受粉樹としての役割りは、園内のさらに外側の周囲に接ぎ木したウェイマウスがうまく活着したので、それに依存する予定。
あと、マミーべリーというピンクに軟化する病気は、今回アーリーブルーには発生果実は見当たらなかった。
その病気は、次に述べるオニールに毎年発生してる。
オニール
根元から台切りして枝を再生させて更新したので、今年は果実が大きめ!。
大粒も混じったが、平均すると、中の大か、中粒といったところだ。
大粒があるのが見つかると、とても美味しそうだ。
実際それは美味しいのだが、大粒は美味しくても、中粒はそれほどまで美味しいわけじゃない。
ブルーべリーは同じ品種であれば、大粒であるほど美味しい傾向がある。
大味になるってことはなくて、柿もまた大果であるほど品質が良い。
オニールは果実が滑らかで、最新品種ユーリカの果実写真と似てるナァ。
そんな見た目の良さを吹き飛ばす欠点が、ピンク色に果実内部が軟化するマミーべリー化であって、今年も発生してた。
10粒に1粒ぐらいか。
隣接している果実には伝染していないので、幼果のうちから罹病して、果実成熟のころになってそれが発病してくるようでもある。
ハナンズチョイスもこの病気にひどくかかるという情報を見たが、今年はそっちは見かけなかった。
今回この病気を見たのはオニールだけ。
この品種やべーな・・・。
毎年こうだから。
地域によっても違い、他の地方ではオニールの高評価をよく見かける。
台切りして主幹更新してリフレッシュしたにもかかわらず、今回また発病していたので、うちでは残念ながら今回、スズメのエサ用に格下げかな。
スズメはあまり食いたがらない。
果実表面がやや固いからだろうか、突つく痕が少ない。
オニールは接ぎ木すればよく活着しそうではあるが、うちでは病気が気になって一度も接ぎ木してない。
ハンナズチョイス(ハナンズチョイス)
デュークよりも20%糖度が高いというカタログ情報ではあるが、今回だいぶ味見して食べつづけてみたが、スパルタンやアーリーブルー、ウェイマウスと比べると、他の品種よりも特に糖度が高いということはなく、同程度の甘さだった。
デュークが低いのかもしれんが、今うちにはデュークはない。
ハンナズチョイスがマミーべリーに罹るという情報をネットで見つけて(しかも重症)、今回すごく気にしていたが、今回幸いなことにその被害果は無かった。
思い起こせば昨年はあったような気がする。
果実表面はロウ細工のように固い品種というイメージを持っていたが、今回収穫ではそんなに固くなくて、他の品種よりはやや固めといった程度。
ただ、枝と果実の密着度が固いというか、果実を引っ張っても枝からすんなりと離れない。
機械収穫で樹を揺さぶっても、果実が落ちて来ないんじゃないかなあ。
超直立性の品種ではあるが、アメリカの機械では不向きだろう、ひょっとしてパテント品種にならなかったのはこのせいか。
柄が果実についたまま採れるということはなかった。(柄が付いたまま採れやすい品種としてレイトブルーがあるという)
ハンナズチョイスの果実は、大粒は少ない。
小粒も少ないので、中の大と中粒がメインだった。
オニールと同じくらいの粒サイズだ。
カタログの大粒評価の多さにはうんざりした、大粒ばかりってことはないわ!
ハンナズチョイス、今回、味がやや変だった。
やや変な酸味があるというか。
もっと熟させる必要があるのかもしれない、色付いているのに。
スパルタンと味を比べたせいだろうか、そっちは例年どうり味は安定してうまい。
スズメの突つき害はあった。
果実表面がやや固いぐらいでは、スズメを防ぐ効果にはならないようだ。
ハンナズチョイスは、結実の枝が上部へと上部へと移動していって、根元が疎になる傾向がひどい品種なので、低い位置にたくさん成らせるには台切りして萌芽更新しなければならないが、ばっさり切るのは勇気が必要でなかなかできないことではあるが、今回の味の限りでは・・・・思い切ってできそうだ。
今回収穫したスパルタンを中心とした果実たち
赤い未熟果が混じっているが、あとで箸をつかってジャム用に分ける
ガルフコースト
那須高原で壊滅してきたハイブッシュ自根樹のうちから、数少ない発育良好品種を自宅近くの畑に移植しておいた。
接ぎ木でもないのに、露地植えでそこそこ発育がいい。
ハイブッシュでは数少ない土壌適応性がある品種といってよさそうだ。
接ぎ木もしやすい。
活着度もいいし、酷暑にも耐える。
オニールと同じく南部ハイブッシュであるが、モニリア病というかマミーべリー果はまだ発生していない。
という、試験栽培というか観察中の品種でもあるが、今回食べてみて気付いたのだが、果実がごつい。
やや未熟果だと不味いんだ。
その味は・・・自根での樹の育ちの良さも含めて、うちのラビットアイとハイブッシュの中間的な位置づけの品種というべきか。
開花は早い品種のようなので、うちの園内の端っこに植えてあることもあって、受粉樹として1本だけ維持ということなりそう。
ウサギの食害
可愛いウサギではあるが、冬期に地表近くの枝を食いまくる。
冬だけでなく初夏にも、伸び始めた接ぎ木苗の緑のシュート枝を食っちまう。
これは赤ちゃんウサギ。帽子でとらえて撮影したもの
スパルタンの枝の被害が特に酷い。
ラビットアイの枝はそんなに好きではないのか、被害は少ない。
だから苗の周りを道具で取り囲んで育てるという、すんごく面倒くさいことをしなければならなかった。
苗も育って大きくなると、幹は固いのでかじらないこともあって、ようやく被害に遭わなくなった。
しかしだ!。
スパルタンは結実箇所が上へ上へと上がって行ってしまう品種で、そんな樹形だと台風などの強風で樹が横転してしまうことがあるので(大打撃だ)、今年は切り詰め更新した。
萌芽更新というものであるが、うちではウサギの被害が酷いので、地表近くから切ると伸びてきた芽がウサギに食われてしまう。
それにブルーべリーというのは根っこなどの地下部が大変すくなくて、でんぷんというか樹としての栄養は、幹に貯めている、といっていい。
だから、地表スレスレで切ると、うまく再生してこない。
再生させるためには、幹を30センチ前後ほど残しておく必要がある、ということさ!。
でも30センチだとウサギが立ち上がって?芽を食ってしまうので、オレは40センチ残しておくようにした。
そしたらな!、今年はそれが食われてしまったんだ。
これからは、幹は50センチ残すようにしとこう。
あと、山林に隣接した部分ほどウサギの食害が酷いので、そこは繰り返し被害に遭っているので、もう、その樹はウサギの被害担当樹(またか!)として、放任栽培にしとこう。