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はんぐるぐるぐるのブログ

橋の上に寝っ転がって、水が流れるのを眺めてみよう。それか、跳ねてみよう。それか、赤い長靴を履いて、泥の中を歩いてみよう。それとも、丸くなって、雨が屋根に落ちる音に聞き入ろう。人生を楽しむことは、とてもかんたんなんだ。(トーヴェ・ヤンソン、「ムーミン」より)

戦争法案は成立してしまいましたが、日本の市民を揺さぶって、民主主義を活性化させたという意味では、良い出来事かもしれません。

戦争法案に関しては、違憲訴訟を起こす市民団体が結成され、年内にも提訴するそうです。

違憲訴訟年内にも=原告1万人を目指す(時事通信)

ただ、普通の裁判で、戦争法案を違憲とすることができるのか。

ドイツには、連邦憲法裁判所と、各州に、州憲法裁判所があります。

ドイツは16の州、ラントから構成されますが、各州が独自の憲法を持っていて、州の機関(行政、議会など)が州憲法を順守しているか否かを審査するのが州憲法裁判所です。

そして、連邦レベルでも、もちろん憲法があり、国の機関である政府、内閣、国会、省庁、裁判所等が憲法に違反していないか、チェックする連邦憲法裁判所があります。

これは、ワイマール時代に憲法や基本的人権が形骸化され、法律によってナチスが政権を握るに至ったことへの反省から、導入された制度です。

権力は、それをコントロールするものが無いと、暴走してしまいます。

今の安倍政権がそうです。権力がお互いにコントロールしあって、民主主義は機能できます。たとえば、国政選挙では、民意がなるべく正確に反映されなくてはなりませんが、今の日本は、得票率24%の「多数派」によって統治されているので、もうそれだけで民主が反映されていない。

なので、民主主義の根幹である選挙民による国会のコントロールが効きません。民衆が国家の主権者であるべきですが、今の日本ではそうではありません。そもそも投票率が50%前後ということもあるので、主権者が主権を放棄している部分もあります。

そして、いくら内閣や国会が民意を反映したとして、民意が暴走することもあり得ますし、民衆を代表する国会議員が勝手に憲法に違反することもあり得ます。

そこで、憲法裁判所が、憲法の最後の砦として、憲法を守ります。
例えば、違憲である法律は、違憲の訴えがあれば破棄することができます。ドイツではそうやって、連邦憲法裁判所が基本的人権やそのほかの憲法の規定を守ってきました。

日本にも、憲法裁判所を作れば良いと思います。
過去に、そういった議論があったような気がしますが、今回の安倍の暴走は、良い機会かもしれません。

ただ、そうするためには、憲法を絶対的に肯定する信念が必要です。「政治的なことに関しては中立でなくてはいけない」などと、「中立性」を盾に責任逃れするような一部マスコミや裁判官などの意見を乗り越えるほどの確信が必要です。

そのような確信があることを、日本の市民は今回証明したのではないでしょうか。