「のどの渇きは郷愁よりつらい」 | はんぐるぐるぐるのブログ

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橋の上に寝っ転がって、水が流れるのを眺めてみよう。それか、跳ねてみよう。それか、赤い長靴を履いて、泥の中を歩いてみよう。それとも、丸くなって、雨が屋根に落ちる音に聞き入ろう。人生を楽しむことは、とてもかんたんなんだ。(トーヴェ・ヤンソン、「ムーミン」より)

ハンブルグに冬が訪れました。
今日の最高気温は、マイナス5℃。

昨日は、ハンブルグ大学のキャンパスがあるグリンデル地区を散歩してきました。
キャンパスにある噴水も凍っています。


かもめが群をなして、氷の上で休んでいましたが、私が写真を撮るために近づいたのと、初老の男性が傘の先で氷をガンガン壊し始めたので、飛び去ってしまいました。おじさんに近づいて、話しかけてみました。

私「氷はどのくらいの厚さですか?」
おじさん「5、6ミリだね。」
私「まだ氷の上を歩くことはできませんね。去年か一昨年は、アルスターが凍って、上を歩く事ができました。でも、あそこまで寒くならないと良いですね。」
おじさん「そうだね。私はこうやって、鳥たちが水を飲めるようにしてるんだよ。『のどの渇きは郷愁よりつらい』ってね。あんたも、ホームシックになったことはあるんだろう。」
私「はい。確かに、のどの乾きは郷愁より急を要しますね。」
おじさん「ドイツでは、そう言うんだよ。さあ、これで、トドや白クマもここに来れる。ハハハ。」
私「私は、ハンブルグで居心地良いですよ。」
おじさん「ああ、そんな感じがするよ、あんた。」
私「じゃあ、ステキな一日を過ごしてください。」
おじさん「元気でね。」
私「さようなら。」

こういった日々のちょっとした会話や出会いに元気付けられます。

ホームシック... 確かに、日本にいると、外見上人ごみに混じることができるという意味では、肩の力を抜くことができます。ドイツにいると、自分がここにいることを正当化したり、疎外感を味わうこともあります。でも、嫌な出会いや出来事がある反面、良い出会いや出来事もたくさんあります。嫌なことがあると、「ドイツ人は...」と決めてかかることもしばしばありますが、そうではなく、ひとつひとつの出会いに先入観を持たずに向き合って、ものごとの良い側面を重視していきたいと思います。そうやって日々を自由気ままに暮らしながら、少しずつ土地に馴染んでいるので、日本に帰りたいとは思いません。大体、「日本人は日本で暮らすべき」という考え方自体、偏狭すぎると思います。人間誰でも、自分が居心地の良い場所に住める社会になれば良いです。

グリンデル地区は、少しレトロな感じがして気に入っています。



グリンデルといったら、アバトン映画館。



歩を進めると、「平均」(Durchschnitt)という、変わった名前の通りに出ました。



これが「平均」です。これがハンブルグの平均的な通り。。。
グーグルで調べてみたところ、Durchschnittとは、平均という意味ではなくて、2つの道路を繋げるという意味で使われているそうです。



角の道路標識の鉄柱には、「メディ・ビューロー」、医師がボランティアで身分証明書を持たない移民・難民のケアをする団体の広告が貼られていました。



大学の本館前に設置されている「借金&財産時計」。
上の数字が、ハンブルグ市の負債が表示されている。負債額は、毎秒19ユーロ増える。
下の数字が、ハンブルグ市の最も裕福な市民10%の資産額。こちらは、毎秒266ユーロ増える。

これは、ハンブルグ市が、財政赤字を理由に市立大学であるハンブルグ大学の予算を削減したことに対する大学側の抗議として、3年前に設置された。

以上、大学周辺の印象をほんの少しだけお届けいたしました。


これからもよろしくお願いします♪