彼が高校に入学して間もなく
吹奏楽部に入ったと言う
予想もしていなかった
経験なくても大丈夫なの?
その問いに
一緒に入っできた子はバスケ部で
先輩は野球部だったってと答える
工業高校だから運動部が花形
男子が圧倒的に多い
経験者がとても少ない
のんびりとした吹奏楽部
いつもいつも笑顔で楽しそう
あれから一年とちょっと
突然出場することになった
マーチング大会
部員の半数を占めていた
頼りになる三年生抜きのたった18人
どんなに下手でも
音をしっかり出さなきゃならない
練習する場所が確保できない
毎日毎日
授業が終わると
自転車で遠い河原まで
それも近所からの苦情で
練習場所を失った
毎日できることをやった
いろんな社会人経験者が
次々指導に来てくれている
いったい彼らは誰なのか
そんなこともわからずに
保護者はおろおろするばかり
そして迎えた大会当日
前日はくたびれ果てて
ボロ雑巾のようだった
他校の素晴らしい演技の中
保護者は不安になる
もう、かわいそうだよ
どこも素晴らしい
でも
彼らは立派だった
堂々と精一杯
成績は最下位だった
けれど彼らの顔は昨日とは違っていた
マーチングは嫌だと
根をあげていた昨日は
もう遠く
最後の反省会の時
一人が言った
このチームが大好きです
この仲間とマーチングできて
本当によかった
君たちの青春の一ページが書き込まれる
その瞬間に立ち会えて
私は涙が止まらない
金賞も銀賞も取れなかったけど
君たちはプラチナの輝き
かなり上等の
青春映画を見せてもらった
本当に眩しい君たち
君たちはプラチナの輝き