転載させていただきたいものは沢山あるのに、
ここ最近、リンクが上手く貼れず何もアップできないまま、時間ばかりがすぎていました。
今日は、先日の続きになりますが、rah3さんの 映画「遺体」 をご覧になっての内容です。
部分的に割愛させていただいていますが、どんな状態だったのかも分かるかと思い・・・
また、同じように思う方もいらっしゃると思います。
知ろうともしないまま、一部の報道だけで判断されている方、
見てもいないのに、忘れてしまってる方、
根拠や理由が必要だけど見つからない方、
小さな力を寄せれば、それは大きな力になります。
私は、rah3さんの言葉に、あらためて考えるとともに、心を打たれました。
画面を見ながら被災地を何度か思い出しました。
あの地の遺体安置所では、きっと想像を絶する姿があったと思うと
グッと胸を締め付けられました。
この映画の主演の西田敏行さんが演ずる民生委員は
以前、葬儀社に勤めていた方ということでした。
映画の中で、西田さんはご遺体に向かって何度も話しかけておりました。
人は亡くなりますと
死後硬直という現象が始まります。
そして、それは思った以上に硬く硬く、そして冷たく、
倉庫に転がっているマネキン人形のような姿でもあるのです。
(あまり適切ではないような表現ですみません。)
死後硬直とは、死後2時間後くらいから筋肉のpHが低下し
筋源繊維タンパク質のミオシンとアクチンが強く結合して
アクトミオシンを生成することによります。
死後硬直はATPの枯渇により進行するので
肉体が疲弊している状態のまま死亡した場合などは
通常よりも早く始まるとされています。
死後、半日ほどで全身に及ぶと言われております。
そして、30~40時間ほどで徐々に硬直は解け始め
90時間後(約4日後)には解ける…と言います。
言うなれば、筋肉組織が崩壊していく…という事なのです。
泥と砂にまみれ、全身が水の中に浸かっていたであろうご遺体は
きっと想像を絶する姿であったと思います。
汚れを洗い流す水も無く、保存する施設も無く、また人手も無い…
そんな状況下に置かれた現地では
もう「気持ち」以外は役に立つものがなかったのだろうと、私は思います。
ただ、ただ、ご遺体の尊厳のみを考えて…。
一人の葬儀屋として、私はこの映画を観ておりました。
しかし、映画を鑑賞し終わった後で、妻がポツリと呟きました。
「あの時、もっとなにか出来ることがなかったのかな?仕事なんか放っといて、被災地に行くとか…」
自分が人としてこの世に存在している以上、もっとやれた事が
あったはず。
被災地は、決して復興しているわけではないと私は思います。
他人事と考えたり、過去の事と考えるのは、あまりにも情けなさ過ぎます。
今だからこそ、また何かできることがあるはずです。
一人の1000歩より、1000人の一歩…なんだと思います。
多くの方が、報道されなかった現場のことを知り
(この映画の内容以外にも、まだまだ多くの事実があります)
出来る事を、一歩ずつ…と私は切に願います。
「困っている人に手を貸すことに意味なんていらない…」
左手のリング・・・ 詳細が分からない部分でもあったので、割愛させていただいていましたが、コメントを頂きましたので、追記させていただきます。
「困っている人に手を貸すことに意味なんていらない…」
これはしきだん会さんという集まりでテーマにしている言葉です。福島県を救おう…という会で、私は言葉が書かれたゴム製のリングを左手にはめています。
しきだん会さんのブログ