最近の原宿の表参道の人出は、普通じゃないですよね。いつの間にあそこまでの人出になったのか。

私の頭の中は、一番楽しい時代を大学生で過ごした80年代にすぐ戻ってしまいます。田中康夫さんが「なんとなく、クリスタル」で描いた東京、青山界隈の景色。THORENSのターンテーブルに載せたポール・デイビスが「I Go Crazy」と歌い、光と陰が瞬き、胸の奥がザワザワとしておさまらない、そんな感覚の東京に、たった一人の孤独を楽しむ。VAN SHOP、クルーズ、キャンプス、バークレー…記憶の中の記憶。BEAMSが新興の原宿であったが、街自体は落ち着いていた。いや、記憶が都合良くそう美化しているだけなのか…。

路地の裏の隅々まで人で溢れる、今。

そんな喧騒の中、私は月に一度自分の予測を確認する為、定期パトロールに出掛けます。

BUNGUBOX、文房具カフェ、SPIRAL MARKET、書斎館、&NOTE、THINK OF THINGSと、これで全てでは無いですが、流石この辺りは魅力的な文具店が点在しており、私も人出の一人と化して、混雑の原因を作っている訳です。

青山、表参道界隈は、当然に日本の文化創造の最先端であり、文具における情報発信においても、その先端を行っていると考えても良いと思います。

そんな中で常に話題を提供し続けているのが「文房具カフェ」。ここは私もそんなに頻繁に顔を出している訳ではないのですが(なんせ私は常に一人行動なので、少し恥ずかしい)、行く度に何らかの良いものに出会えています。

今日はそんな中で出会えた文房具カフェの厳選された商品を紹介します。まずは他では余り出会うことの無い鳥取の老舗文具事務用品メーカーTOTONOEのペンケースから。富士金梅の帆布のしっかりとしたペンケースです。


中には革のフラップが付いてますから、大事なものをしっかり格納できます。そして、文房具カフェオリジナルの北星鉛筆「大人の鉛筆」。黒軸と赤軸が有ります。赤軸は「かっわいいー!」と言った会社の女性にあげてしまいました。シャープナーも名入りです。名入りのものは滅多に有りませんが、こういうところが、文房具カフェさんはいいですね。

 
大人の鉛筆は、このシャープナーで2㎜の軸を「シャリシャリ」と削るこの時が、何とも優雅でたまりませんね。本当に世知辛くなってしまった世の中で、鉛筆の芯を削るくらいの時間の余裕は、あえて持つべきと思います。最近はアイドリングの時間がすっかり無くなってしまい、それは精神的に本当に良く無い事だと思います。



皆さん、敢えて鉛筆を削りましょうよ。
自分を取り戻しましょうよ。
万年筆もそうです。敢えてコンバーターでインクを吸い上げましょうよ。万年筆を洗って、違うインクを入れ替えましょうよ。

筆記具の「敢えて」は、時に行き詰まった精神を解放してあげる貴重な手段でもあると、私は捉えています。

筆記具にはそうした不思議な役割があると、私はそう思っています。こうした力により、一人でも多くの人が、自分のペース、呼吸を大切にして、この厳しい世の中で自分を見失わずに生きていければいいと願っています。

私のブログの目的も、実はそこを目的に始めました。まだ初めて数ヶ月ですが、書きたいことが山のように有ります。少しづつ発信して行きます。時にお気楽に、時に真剣に。どうかお付き合い下さいね。宜しくお願い致します。