昨年の暮れの大掃除以来、家中ひっくり返して捜している片岡義男さんの「文房具を買いに」の文庫本。本当にいったい何処に消えてしまったのか。

実は他にも消えたものが幾つか有りまして…。

一つ目はFire TV stickのリモコン。使っているリモコンの調子が悪いので、amazonにリモコンを再注文したつもりが届いたのはデコレーションの為のストーン調シール。こういう事が時々あります。で、仕方ないのでシールを本体に貼った次の日。忽然とリモコンが消えていました。これも昨年の12月の話です。

間違って捨てますか?リモコン。

二つ目はMERRELLのトレッキング・シューズ。次男がワンゲルで山に登り始めたので、自分も暫く履いていないMERRELLを引っ張りだして自慢しようと思ったら、無い。これは一年前。何故?

間違って捨てますか?高そうな綺麗な靴。

そして片岡義男さんの「文房具を買いに」なんですが、それこそamazonでポチッとすればいいのですが、既に絶版になっているので状態のわからない古本しかない。古書店は良く巡るので以前から片岡義男さんの本は良く捜しているのですが、これはまず見た事がない。

しかーし。一箇所だけ私は知っていたのです。
単行本が完全な形で売られていた店を!

それは南青山骨董通りの「書斎館」。

昨日はインクが出過ぎるPelikanのM205オリヴィーンがペン先調整から戻って来たので、取りに行きました。そしてお店に着いて真っ先に書籍棚を確認すると、まだ有るではないですか。はやる気もちを抑えて、まずは調整の終わったオリヴィーンの試し書き。パッチリでした。パッチリいった万年筆の試し書きほど気持ちのいいものは有りませんね。

次に迷う事なく書籍棚へ。


完全な形で置いてありました。思わず「買って良いのでしょうか?」と、私の戯言をいつも真摯に聞いてくださる店員さんに尋ねました。「片岡さん、お好きなんですか?勿論ですよ。本当にこの本は入手が難しくなりましたね。」と。心の中で「いいの?いいの?私になんか売ってしまって。」と思いましたが、出たばかりの買おうと思っていた「万年筆とインク入門」も置いてありましたので、店員さんの「やっぱり待って!私が…」と気が変わらないうちに、ササッと鞄に仕舞い込んで、極上の珈琲を注文致しました。



書斎館さんに通う様になって、まだ月日も短い訳なんですが、特に過日、運命とも思える啓示を受けて購入に至ったVISCONTIのshoesをお守りがわりに持ち歩く様になってから、この先の人生の選択に迷いに迷っていた私の潜在意識が確実に動き出し、昨日のブログにも書きましたが、これからの人生に大変意味のある選択を、昨日することが
出来ました。時にはかなり否定してきたこれまでの会社員としての生き方が、別の形で、すべて肯定された上で活かされるという選択だと確信できています。


万年筆にはそんな力が有ると思えます。