• 新設クルスク II 期1号機に模擬燃料を装荷
  • ポーランドのサプライチェーンへの参加を評価する調査
  • デューク・エナジー社、フロリダ州で原発検討
  • ロスアトム、原子力発電所の日負荷追従運転向け核燃料の試験に成功
  • NRC、作業員の安全問題提起能力に懸念
  • ムーディーズ :シェブロン判決は公益事業に不確実性をもたらす
  • モーリタニアのウラン鉱山に最終許可が発行
  • 中国最大のウラン採掘プロジェクトの建設開始
  • カザフスタン、ウラン採掘税を引き上げへ
  • 米ワイオミング州シャーリー・ベイスンでウラン採掘への関心が高まる
  • ウィスコンシン大がコモンウェルス・フュージョン・システムズのマグネットを購入
     

新設クルスク II 期1号機に模擬燃料を装荷

クルスク II 期原子力発電所で新規建設中のVVER-TOI 原子炉の原子炉プラント機器の試験準備は、ウランを含まない模擬燃料集合体の装荷とともに継続されている。模擬燃料と制御棒シミュレーターの設置には10日かかると予想されていた。クルスクII期は、ウクライナ国境から約60㎞離れたロシア西部の新しい原子力発電所で、ロシアの大型軽水炉設計の最新バージョンであるVVER-TOI原子炉2基を備えている。圧力容器がアップグレードされ、定格熱出力が330万kWに向上し、発電端電気出力が130万kWとなる。

(画像:ロスアトム)

 

ポーランドのサプライチェーンへの参加を評価する調査

ポーランド経済研究所は、ポーランド初の原子力発電所建設への参加に対するポーランド企業の関心を測る調査プロジェクトを開始する。この調査は、ポーランド国営原子力発電会社(PEJ)の委託を受け、ポーランド開発銀行(BGK)と共同で実施されており、ポモージョ県の原子力発電所プロジェクトのニーズに対するポーランドの産業の潜在能力、および投資参加に関連する企業のニーズを満たすソリューション(金融支援システムや適切な証明書の取得支援など)を特定することを目的としている。ポーランドは現在、原子力発電能力を開発するための大規模な計画を進めている。2021年9月、石炭への依存を減らす計画の一環として、合計定格発電容量600~900万kWの大型加圧水型原子炉6基を2040年までに建設する可能性があると発表された。採択されたスケジュールによると、最初の原子力発電所の建設は2026年に始まり、100~160万kWの発電容量を持つ最初の原子炉は2033年に稼働を開始する。その後のユニットは2~3年ごとに実装される。ポーランドのポモージョ県ホチェヴォ自治体の沿岸の町ルビアトボとコパリノが、同国初の大型原子力発電所の候補地として挙げられた。

(画像:PEJ)

 

デューク・エナジー社、フロリダ州で原発検討

18年前に計画を中止したデューク・エナジー社が、フロリダ州レビー郡で240億ドル規模の原子力発電所の検討を再開している。Politico Pro掲載情報によると、この原発はデューク社が同郡に所有する5,000エーカー(20㎢)の土地に建設される予定だという。

(画像:wcjb.comからの動画キャプチャ)

 

ロスアトム、原子力発電所の日負荷追従運転向け核燃料の試験に成功

ロスアトムの燃料部門の管理会社であるTVELによると、原子力発電所の日負荷追従運転モードで稼働できるようにするVVER-1200原子炉の核燃料のパラメータを検査する試験“Maneuver-1”を無事に完了した。原子力発電所が出力操作によってエネルギーシステムの負荷調整に寄与できる能力は、現在、原子力の競争力の要因の1つになりつつある。この試験はTVELの指揮下で、ロスアトムの科学部門の一部であるディミトロフグラード原子炉研究所(NIIAR)サイト内にある研究炉MIRで実施された。研究対象は、さまざまな設計の燃料要素(燃料棒)だった。「研究炉でのテストシナリオは、18か月の燃料サイクルにおけるVVER-1200発電ユニットの日常操作モードにおける核燃料の動作を完全にシミュレートした」と報告書は述べている。

(訳注:原子力発電プラントの日負荷追従運転は、フランスでは長年にわたって日常的に行われており、過去には日本でも試験を行った。)

多ループ研究炉 MIR.M1資料写真(JSC “SSC RIAR”)

 

NRC、作業員の安全問題提起能力に懸念

米国NRC(原子力規制委員会)は、ワシントン州のコロンビア発電所の安全問題を報告しようとする労働者が報復を恐れていることを懸念しており、エナジー・ノースウェスト社が安全な環境を促進するためにもっと努力することを望んでいる。同社は9月の初回検査の後、是正措置をとったが、6月のフォローアップでは、経営陣の行動をまだ警戒している労働者がいることが判明した。

コロンビア発電所は、エナジー ノースウェストが所有・運営する沸騰水型原子力発電所(エナジー ノースウェスト資料写真)

 

ムーディーズ :シェブロン判決は公益事業に不確実性をもたらす

ムーディーズ・レーティングス社は、米連邦最高裁がシェブロン法理を覆した後、公益企業には不確実性が生じると予想している。しかし、ムーディーズは、「ほとんどの電力会社は、炭素排出量の削減、ネットゼロ目標に向けた進捗の促進、システムの回復力への投資に引き続き注力するため、高水準の設備投資を維持する」と予想しており、同格付け会社は、気候変動規制は多くの場合、州レベルで行われると指摘している。

シェブロン法理に基づき裁判所は連邦機関の判断を尊重するとの考えを撤廃するという米国最高裁判所の決定は、公益事業および電力部門に不確実性をもたらすと、ムーディーズ・レーティングスは2024/7/11に述べた。ジョーイ・インゲルハート、ゲッティイメージズ経由

 

モーリタニアのウラン鉱山に最終許可が発行

オーストラリアに拠点を置く鉱物資源会社オーラ・エナジー社は、西アフリカのモーリタニア国におけるティリス・ウラン・プロジェクトの建設と操業の許可のために最後に残っていた物質に関する許可をモーリタニア政府から受け取ったと発表した。酸化物ウラン精鉱の開発、採掘、生産の認可が、7/12に放射線防護・安全・核セキュリティ局(ARSN)から発行された。オーラ・エナジーは、今後のウラン生産量に制限はなく、年間生産量を200万ポンドU3O8(769tU)以上に拡大する可能性を含め、事業に大きな柔軟性がもたらされると指摘した。

ティリス鉱床(画像:オーラ・エナジー)

 

中国最大のウラン採掘プロジェクトの建設開始

中国国家原子能機構(CAEA)によると、内モンゴル自治区オルドス市のプロジェクトは中国核工業集団(CNNC)が開発しており、7/12に作業が開始された。CAEAは、国家ウラン第1号(国铀一号)プロジェクトの「主要な技術指標は世界でも最高レベル」であり、同プロジェクトは最高の安全性、環境、効率基準を備え、完成後は「中国最大の生産能力」を持ち、同国における30年にわたる「原位置ウラン採掘の革新と開発」を基盤として、同国の天然ウラン供給の安全性を「さらに強化」すると述べた。

(画像:CAEA/CNNC)

 

カザフスタン、ウラン採掘税を引き上げへ

カザフスタンは、1月にウランの鉱物資源採取税を6%から9%に引き上げる予定である。2026年には、生産量とウラン価格に応じて税率が決まる、より複雑な税制が導入される予定である。生産量関連の税率は4%から18%、価格関連の上乗せ分は0.5%から2.5%となっている。

トラックがカザフスタン南部のカラタウ鉱山を出発する。カラタウはカザフスタン最大のウラン埋蔵量を誇る鉱山の一つ。提供:カザトムプロム。

 

米ワイオミング州シャーリー・ベイスンでウラン採掘への関心が高まる

ワイオミング州のシャーリー・ベイスンは、ウラン価格の上昇と、ロシアとの地政学的緊張の中で国内資源を確保しようとする政府の努力によって、ウラン採掘の復活を遂げつつある。歴史的に原位置採掘が盛んなこの盆地には、戦略的鉱床の開発を目指す複数の企業が集まっている。

シャーリー ベイスンはワイオミング州のウラン産業が栄えた町で、再びブームを迎えようとしている。この古い写真はFacebookで共有された。(Valerie Hebert Jennings 氏、Facebook 経由)

 

ウィスコンシン大がコモンウェルス・フュージョン・システムズのマグネットを購入

コモンウェルス・フュージョン・システムズ社は、同社の特殊な希土類バリウム銅酸化物(REBCO)マグネット2個をウィスコンシン大学マディソン校に売却した。コモンウェルスのボブ・マムガードCEOはこの技術について次のように語っている。「ハシゴをかけるのなら、ハシゴを蹴落とさないようにしよう。もし他の人たちが後ろから登ってくるとしたら、どうやって彼らを助けることができるだろうか?」

核融合発電実験用の超伝導マグネットを検査する科学者(画像:コモンウェルス・フュージョン・システムズ)