• EC、ルーマニアの原子炉建設の完遂を承認
  • ポッドキャスト: 米国ボーグル原子力発電所の歴史的新設ユニットの状況は?
  • 原子力推進により、排出ガスゼロで長寿命の船舶が誕生
  • ハネムーン鉱山、ヨーロッパ向けに初のウラン出荷
  • 核医学/放射性医薬品市場は年平均成長率9%で2030年までに110.5億ドルに達する見込み
  • 超党派の米上院議員ら、外来診療における核医学画像診断へのアクセス強化を要請
     

EC、ルーマニアの原子炉建設の完遂を承認

欧州委員会(EC)は、ルーマニアのチェルナボーダ原子力発電所3号機と4号機の建設の技術的側面と原子力安全面について肯定的な意見を発表した。3号機は2030年、4号機はその翌年に営業運転を開始する予定である。ユーラトム条約に基づき、原子力プロジェクトの開発者は、計画中の投資についてECに通知し、最高の原子力安全基準に準拠していることを示すことが義務付けられている。ルーマニア国営原子力発電会社(SNN社)の完全子会社であるエネルゴニュークリアは、2023年5月にカナダ設計加圧重水炉CANDU-6 を2基、チェルナボーダ3号機と4号機として建設する計画についてECに通知。「ECの評価では、チェルナボーダの3号機と4号機の建設を完了するプロジェクトは、ユーラトム条約の目的に沿っている」とされた。

チェルナボーダ原子力発電所で建設中の3号機と4号機(画像:SNN)

 

ポッドキャスト: 米国ボーグル原子力発電所の歴史的新設ユニットの状況は?

サザン・ニュークリア社のボーグル3/4号機担当上級副社長、ジョン・ウィリアムズが、30 年以上ぶりに米国の新原子力発電所を完成させた功績と、そこから得られる教訓について語っている。ウィリアムズ氏は、ウェスティングハウス(WH)製AP1000が好調に稼働し、ボーグル3号が1年前の運開以来98%の稼働率で運転されていることから、新ユニットの完成に関わった全員が「大きな誇り」を感じていると語る。建設のピーク時には9,000 人の作業員が現場にいたという直接雇用に留まらず、新ユニットはカーボンフリー・エネルギーという利点と、米国および海外のエネルギーの将来に果たせる役割を実証しているとウィリアムズ氏は語る。

2024年3月に撮影されたボーグル3号機と4号機(画像:ジョージア・パワー)

 

原子力推進により、排出ガスゼロで長寿命の船舶が誕生

小型モジュール炉(SMR)の台頭は、規制上のハードルを乗り越えることができれば、海運における原子力利用に大きな変化をもたらすことを示している、と船級協会ロイド船級協会(LR)は新たな報告書“Fuel for thought: Nuclear report”で述べた。同報告書によると、原子力は排出ガスゼロの海運で海運業界を変革する可能性がある一方で、船舶の寿命を延ばし、燃料と燃料補給インフラ開発の不確実性を排除する可能性があるが、広範囲にわたる商業的導入には規制と安全上の考慮事項に対処する必要がある。

(画像:LR提供)

 

ハネムーン鉱山、ヨーロッパ向けに初のウラン出荷

ボス・エナジー社は、10年にわたる維持管理を経て、南オーストラリアでのプロジェクトを再開して以来、初のウラン出荷を行うこととなった。プロジェクトはまだ生産量を段階的に上げていく試運転のフェーズにあるが、4月の再開後、初のウラン・ドラムを生産した。生産増強は予定より早く進んでいると同社は述べた。6月末までに、57,364ポンドのU3O8(22tU)が生産された。NIMCIXイオン交換塔1基が期待通りに機能し、さらに2基の塔の建設が順調に進んでいることから、同社は2025年6月末までに少なくとも合計850,000ポンドのU3O8を生産できると予想している。

ドラムに詰められたウランの初出荷が準備完了(画像:ボス・エナジー)

 

核医学/放射性医薬品市場は年平均成長率9%で2030年までに110.5億ドルに達する見込み

核医学/放射性医薬品市場は、診断および治療用途の需要増加に牽引され、大幅な成長を遂げている。陽電子放出断層撮影 (PET) や単一光子放出断層撮影 (SPECT) などの医療用画像技術の進歩により、がん、心血管疾患、神経疾患など、さまざまな疾患の診断における核医学の精度と有効性が大幅に向上した。さらに、これらの疾患の罹患率の増加と世界人口の高齢化により、高度な診断および治療ソリューションの必要性が高まり、放射性医薬品の需要が高まっている。市場は、新しい放射性医薬品の発見と既存の放射性医薬品の改良、安全性、有効性、およびアクセス性の向上を目的とした継続的な研究開発活動によってさらに推進されている。核医学/放射性医薬品の市場規模は、年平均9%の成長率で、2023年には60億4,000万米ドルに達し、2030年までに110億5,000万米ドルに達すると予測されている。

核医学/放射性医薬品市場(Maximize Market Research pvt. Ltd.)

 

超党派の米上院議員ら、外来診療における核医学画像診断へのアクセス強化を要請

超党派の米国上院議員グループは、政府機関メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)に対し、病院の外来診療における特定の画像検査へのアクセスを強化するよう要請する。マーシャ・ブラックバーン上院議員(共和党、テネシー州)率いる議員らは、6/20付書簡でCMS長官に嘆願書を送った。議員らは、メディケア受給者が陽電子放出断層撮影(PET)や単一光子放出断層撮影(SPECT)などの核医学検査を受けられるよう支持すると表明。当局は、最近の保険適用決定の変更など、この問題に対処する措置を講じているが、利用可能性は依然として不十分である。「[暦年2025外来前払い支払システム]プロセス中にこの作業を進め、患者が病院の外来診療でより広くこれらのPETおよびSPECTスキャンを受けられるようにしていただきたい」とブラックバーン議員ら14人はチキータ・ブルックス・ラシュア長官に書簡を送った。

ブラックバーン議員(Facebookページより)