南シナ海での中国の横暴は様々に伝えられているが、浮体式原子炉をエネルギー源として更にパワーアップしようとしているようだ。残念ながらこういう国々には原子力は実に使いやすい。
月城(ウォルソン)原発から日本海に散々トリチウムを放出してきた韓国が、ルーマニアで罪滅ぼしを始めた。
- 中国、南シナ海での軍事プレゼンス強化に向け浮体式原子力を推進
- テラパワー、Natriumプラントの起工式を開催
- 英国のSMRコンテスト締め切りが2週間延期
- 電力CEO:データセンター向け原子力の話は誇張されすぎ
- 数字で見るオーストラリア:もし原子力を導入したら?
- 米エネルギー情報局:米国のウラン購入量は前年比で増加
- ネクスジェン社、サスカチュワン州ウラン鉱山のカナダ連邦政府承認を待つ
- ルーマニアのトリチウム除去施設の工事開始
- 学会: デュアル・アイソトープ療法は大腸がんに安全
中国、南シナ海での軍事プレゼンス強化に向け浮体式原子力を推進
中国は、浮体式原子力発電所を建設することで、南シナ海のより大きな部分を手に入れる計画の作業を再開した。浮体式原子力発電所は、他の船舶や軍事インフラのある人工島にエネルギーを供給するための移動式パワーバンクとして船舶に設置される。この計画は、特に南シナ海の一部の領有権を主張する他の国々の間で、この地域の緊張を高めている。
カリフォルニアへの4日間の寄港のため2016/12/6にサンディエゴに入港した中国海軍の051A型フリゲート艦「大慶」。中国の原子炉は、南シナ海での軍事的プレゼンスを高める計画の一環として設置される。BILL WECHTER/AFP VIA GETTY IMAGES
テラパワー社の会長兼創業者であるビル・ゲイツ氏は、ワイオミング州ケメラーで、先進型原子炉Natriumプラント初号機の建設現場で行われた式典に、同社の同僚、政府関係者、プロジェクト パートナー、業界のリーダー、地域の支援者らとともに出席した。溶融塩ベースのエネルギー貯蔵システムを備えた電気出力34万5,000kW のナトリウム冷却高速炉は、必要に応じてシステムの出力を50万kWに上げることができ、再生可能エネルギー電源とシームレスに統合できる。この原子炉は、廃止される石炭火力発電所の近くに建設する。起工式は建設サイトでの非原子力部分の建設開始を記念するもの。原子力部分の建設は、建設許可申請が承認された後に開始される予定で、同社は、2026 年に原子炉設備の建設開始を視野に入れている。
起工式は、建設サイトでの非原子力建設工事の開始を記念(画像:テラパワー)
関連報道:
英国の小型モジュール炉選定プロセスで、6社の候補が提出する書類について、総選挙後まで2週間の延長が認められた。選定プロセスの次段階移行の日付は6/24から7/8に変更され、入札は7/4の次期英国政府の選挙後に提出されることになる。英国は、従来の大規模発電所と小型モジュール炉(SMR)を組み合わせて、2050年までに原子力発電容量を2,400万kWに増やすことを目指している。2023年、その追加容量の実現を支援するために設立された新しい独立機関である大英原子力(GBN)が、どのSMR技術を使用するかの選定プロセスを開始し、10月には、EDF、GE日立ニュークリア・エナジー、ホルテック、NuScaleパワー、ロールス・ロイスSMR、ウェスティングハウスが、プロセスの次の段階で英国政府の契約に入札するよう招待されている。
6種の設計の外観 (合成画像: ホルテック、ロールス・ロイス、Nuward、NuScale、GE 日立、ウェスティングハウス)
大手ハイテク企業に電力を供給する電力会社AESコーポレーションのアンドレス・グルスキーCEOは、原子力でデータセンターに電力を供給するという誇大広告は「少し誇張しすぎ」だと言う。同CEOは、原子力発電容量を追加するコストに疑問を呈し、天然ガスを移行燃料として再生可能エネルギーに焦点を当てるよう促している。
2019/6/4、チリのサンティアゴでロイター通信のインタビューに応じるAESコーポレーションのアンドレス・グルスキー社長兼CEO(ロドリゴ・ガリード /ロイター)
このインタラクティブなストーリーは、オーストラリアにおける原子力導入の可能性について、意味のある数字を示している。オーストラリアのアラン・フィンケル元首相科学顧問にとって、この数字は複雑な様相を呈している: 「工学的見地から見れば、原子力は優れたエネルギー形態だ。私たちにできないのは、『ああ、原子力は簡単だ。だから風力発電をすべて止めて原子力に切り替えよう』と言うことだ。必要な時間枠内では絶対に実現できない。しかし、長期的なメリットはあるため、それを除外すべきだということでもない。」
オーストラリア東部の州の石炭火力発電能力の予測
オーストラリア・エネルギー市場オペレータ(AEMO は、今後 10 年間でほぼすべての石炭火力発電が廃止されると予想している(画像:ABCニュース 出典:AEMO)
米国エネルギー情報局(EIA)の最新の年次報告書によると、米国の電力会社は2023年、前年より27%多くのウランを購入した。そのほとんどは外国の供給業者からのもので、米国産の材料は総出荷量の5%を占め、2022年と同じ割合だった。米国の民間原子力発電所の所有者と運営者は、合計5,160万ポンドU3O8(19,838tU)に相当するウランを、1ポンドU3O8あたり43.80米ドルの加重平均価格(WAP)で購入したと、EIAは6/6に発表した「2023ウラン市場年次報告書」で述べた。これは、2022年の加重平均価格である1ポンドU3O8あたり39.08米ドルより12%高く、2015年以来の最高価格となった。
ロシアからの輸入は2023年に増加している(画像:EIA)
ネクスジェン社、サスカチュワン州ウラン鉱山のカナダ連邦政府承認を待つ
ネクスジェン・エナジー社は、サスカチュワン州にルックIウラン鉱山を建設するための規制当局の承認を申請した。カナダ原子力安全委員会(CNSC)がこのプロジェクトを審査しており、2025年初頭までに連邦政府による環境認可を取得できる可能性がある。
バンクーバーに拠点を置くネクスジェンのルック Iプロジェクトはサスカチュワン州に拠点を置いている。(画像:ネクスジェン・エナジー)
ルーマニア国営原子力発電会社(SNN)と韓国水力原子力発電(KHNP)は、ルーマニアのチェルナボーダ原子力発電所で、欧州初となるトリチウム除去施設の工事開始を記念する式典を開催した。カナダ型加圧重水炉(CANDU)が高経年化すると、減速材と冷却システムに水素同位体であるトリチウムが蓄積する。トリチウム濃度の上昇は、作業員の被ばく線量率と環境への放出レベルに大きく影響する可能性がある。トリチウム除去技術は、トリチウムを捕獲して処理し、適切に保管してリサイクルできるように設計されており、環境への影響、作業員の被ばくレベルを減らし、職場の安全性を高める。世界では第3例目、欧州では初となるチェルナボーダ・トリチウム除去施設は、研究・イノベーション・デジタル化省の調整により、科学研究・技術開発部門であるルーマニア国立極低温・同位体技術開発研究所が開発した技術を使用する。
(画像:SNN)
関連報道:
https://www.koreatimes.co.kr/www/tech/2024/06/419_376337.html
カナダ・トロントで開催された2024年核医学・分子イメージング学会(SNMMI)会議で発表された研究によると、デュアル・アイソトープ放射性核種療法は大腸がんの治療に実行可能かつ効果的であるようだ。実際、ニューヨークのウェイル・コーネル・メディシンのサラ・リンネ博士率いるチームによると、この複合アプローチは治療関連の副作用のリスク軽減につながる可能性があるという。「補完的な放射生物学的特性を持つ異なるラジオアイソトープを同時に投与ことの効能は、治療結果を改善し、患者ケアを改善する新たな機会を生み出す」とリンネ氏はSNMMIが発表した声明で述べた。標的放射性核種療法はがん治療に効果があることが証明されているが、一部の患者は選択されたプロトコルに反応せず、他の患者は再発したり治療抵抗性になったりするとリンネ氏らは説明した。そのため、2種の放射性核種を混合することが効果的な解決策となる可能性がある。
イオン化放射線量子イメージング検出器 (iQID) カメラを使用して取得したオートラジオグラフィー画像。腫瘍にAc-225とLu-177を同時に送達できることを効果的に示している。( 画像:SNMMI提供)