• IAEA事務局長とロスアトム総裁がカリーニングラードでZNPPの安全性について協議
  • CGN 型華龍一号の2基目が試運転を完了
  • NRC、テラパワーのSMR建設許可申請を受理
  • ジェイコブス、日英共同HTGR開発を支援
  • 原子力発電所の拡大には建設コストの低減が必要
  • ロシア・ウクライナ戦争が米国の原子力復活を促進する可能性
  • ロールス・ロイス、潜水艦サイト拡張で契約
     

IAEA事務局長とロスアトム総裁がカリーニングラードでZNPPの安全性について協議

ロシア国営原子力企業ロスアトムによると、ロスアトム総裁とIAEA事務局長は、5/28、カリーニングラードで会合を開き、ザポリージャ原子力発電所(ZNPP)をめぐる安全上の懸念について協議した。協議の主な焦点は、ZNPPの安全プロトコルの確保に集中したとしている。ロシア代表団には、連邦環境・技術・原子力監督庁(ROSTECHNADZOR)アレクサンダー・トレムビツキー長官をはじめとする主要関係者のほか、外務省、放射線・化学・生物防護を監督する国防当局、ロシア親衛隊の代表者らが参加した。

 

グロッシ事務局長Xポスト:

https://twitter.com/rafaelmgrossi/status/1795460495698207171 

5/28、ロシアのカリーニングラードで、ZNPPの原子力安全とセキュリティに関する継続中の協議の一環として、ロスアトムのリハチェフ総裁および他のロシア高官とのタイムリーな会議を開催した。

画像:@rafaelmgrossi/X

関連報道:

https://www.reuters.com/world/europe/russia-not-currently-planning-restart-zaporizhzhia-nuclear-power-plant-tass-says-2024-05-28/ 

 

関連報道(ロシアメディア、非常に多数):

会談は3時間続き、現在の戦闘状況の中でのZNPP再稼働はないということでは合意した模様。

https://tass.ru/ekonomika/20921351

https://tass.ru/ekonomika/20923775

https://tass.ru/ekonomika/20923781

https://tass.ru/ekonomika/20924369

https://tass.ru/ekonomika/20924651

https://tass.ru/ekonomika/20924997

https://tass.ru/ekonomika/20925355

https://tass.ru/politika/20925215

https://tass.ru/ekonomika/20927973

https://ria.ru/20240528/zaes-1948879164.html

https://ria.ru/20240528/likhachev-1948889208.html

https://ria.ru/20240528/grossi-1948891256.html

https://ria.ru/20240528/grossi-1948897045.html

https://ria.ru/20240528/zaes-1948879164.html

https://iz.ru/1703180/2024-05-28/v-kaliningrade-nachalis-peregovory-likhacheva-i-grossi

https://iz.ru/1703437/2024-05-28/grossi-nazval-vstrechu-s-likhachevym-po-zaes-svoevremennoi

https://www.interfax.ru/russia/962663 

https://www.interfax.ru/world/962670

 

CGN 型華龍一号の2基目が試運転を完了

中国広西チワン族自治区の防城港原子力発電所4号機が営業運転を開始したと中国広核集団 (CGN) が発表した。このユニットは、同サイト内での CGN 設計の実証用華龍一号 (HPR1000) 原子炉 2 基のうちの 2 基目となる。CGNは、電気出力118万kW(発電端)の加圧水型原子炉が5/25午前8時に168時間の試験運転を完了し、「営業運転の条件を正式に満たした」と発表した。

(画像:CGN)

防城港4号機(画像:CGN)

 

NRC、テラパワーのSMR建設許可申請を受理

米国NRC(原子力規制委員会)は、テラパワー社の小型モジュール炉建設許可申請を正式に受理し、審査のスケジュールを計画する。同社のNatrium型原子炉実証プロジェクトは、この種の米国初の商用先進原子炉であり、ワイオミング州の閉鎖中の石炭火力発電所の近くの土地に建設される予定だ。ケメラー発電所1号機は、溶融塩ベースのエネルギー貯蔵と連動した34万5000kWのナトリウム冷却原子炉として稼働する。承認されれば、この建設許可はNRCが商用の非軽水炉発電用原子炉に発行する初の許可となる。

Natrium型プラントのレンダリング(画像: テラパワー)

 

ジェイコブス、日英共同HTGR開発を支援

英国国立原子力研究所(NNL)は、日本原子力研究開発機構(JAEA)と共同で開発中の高温ガス炉設計の開発で、エンジニアリンググループであるジェイコブス社と協力することとした。NNL の多分野にわたる設計コンサルタントとして、ジェイコブスは高温ガス炉 (HTGR) の初期設計と納入計画をレビューする。同社は、英国財務省への広範な投資申請提出の一環としてコストとスケジュールの見積りの作成を支援し、HTGR 技術の市場需要と最終用途をレビューし、規制遵守を確実にするために詳細なエンジニアリング設計レビューを実施し、英国の規制当局との連携をサポートする。

左から右へ:ジェイコブス アンディ・ホワイト副社長、JAEA小口正範理事長、NNLポール・ハワースCEO(写真:ジェイコブス)

 

原子力発電所の拡大には建設コストの低減が必要

2050年までに原子力発電容量を3倍にするという目標は、国が原子力発電所の建設コストをいかに下げるかを考えなければならないことを意味する、とロジェ・カルマは書いている。過剰な規制が建設コストの高さの原因とされることが多いが、それはストーリーの一部に過ぎないとカルマ氏は指摘し、無数の原子炉設計と1980年代前半の景気後退の影響を指摘する。

イラスト:The Atlantic

 

ロシア・ウクライナ戦争が米国の原子力復活を促進する可能性

ロシアとウクライナの戦争は、気候変動よりも米国の原子力産業を復活させる大きなきっかけになるかもしれない。ロシア製濃縮ウランの輸入禁止が、「米国の原子力サプライチェーンを復活させるための協調的な努力の始まりを意味するのであれば、その意図は、国内原子力発電セクターが、ほとんどが高経年化した既設原発向けばかりでなく、それ以上のもので構成されると想定しての供給を考えているということになる」とリアム・デニングは書いている。

フロリダ州クリスタルリバー原子力発電所。撮影:クリスチャン・モンテロサ/ブルームバーグ

 

ロールス・ロイス、潜水艦サイト拡張で契約

国際的なインフラグループであるバルフォア・ビーティー社は、ロールス・ロイスにより、英国海軍からの需要増加と昨年のAUKUS発表の結果として、英国ダービーのレインズウェイ基地拡張を支援する非原子力部分の建設パートナーとして選定された。

ロールス・ロイス・サブマリンズ社の現在のレインズウェイ・サイト(画像:ロールス・ロイス)