• フランスのフラマンビル3 号EPRで燃料装荷が完了
  • 米国プラントで革新的な配管内部修復ソリューションを適用へ
  • Q&A:浮体式原子力発電所の展望
  • スロベニア・クルスコ原発2期増設プロジェクトの推定コストは 94 億~154 億ユーロ
  • オクロ社、ワイオミング州のデータセンターに10万kW原子力で給電へ
  • EDF、仏国内で2024年に4,500名の原子力関連人員を採用予定
  • 中国広東省で企業が原子力に125億元を投資へ
  • 米ミシガン州、原発推進派が増加 民主党が方針転換
  • 研究:原子力は風力や太陽光よりも「採掘集約型」ではない
  • 米国とEUの機関が放射性物質セキュリティの強化を要求
  • フッ素・ガリウム併用PSMA-PET/CTは腎がん患者に有効

フランスのフラマンビル3 号EPRで燃料装荷が完了

フランスのフラマンビル3号EPR原子炉の起動に先立ち、炉心に燃料集合体を装荷するプロセスが完了した。発電端電気出力165万kWの加圧水型原子炉は、年末までに100%出力に達すると予想されている。5/22のLinkedInの投稿で、フラマンビル3号プロジェクトのアラン・モルバン・マネジャーは、「フラマンビルEPR原子炉容器への燃料装荷が完了した…5/8以降、高さ約5m、重量約800kgの燃料集合体241体は、燃料貯蔵プールと原子炉容器のある原子炉プールの間を繋ぐ移送路を通って、水中で1つずつ移送された」と述べた。

フラマンビル EPR (画像: Alexis Moerin および Antoine-Soubigou/EDF)

 

米国プラントで革新的な配管内部修復ソリューションを適用へ

フラマトム社は、米国で運転中の原子力発電所3基で、革新的な配管内面スプレー塗装(SIP)構造ライナーソリューションを使用して、復水器に給水する埋設配管の初の大規模な補修措置を実行する数百万ドルの契約を獲得した。同社は、プラントの復水器筐体までの大口径の地下埋設配管1マイル(1.6km)以上を補修すると発表した。このプロジェクトは8年間で9回の定検中に実施され、初適用は2025年に予定されている。

SIPライナーは、パイプ内ロボットによって遠隔操作される (画像:フラマトム)

 

Q&A:浮体式原子力発電所の展望

ロスアトム社傘下のアトムエネルゴマシュのウラジミール・アプテカレフ造船・浮体エネルギー・海洋工学担当副総裁が浮体式発電ユニットの可能性について語る。今後数年間で世界的需要については「世界的なエネルギー不足により、浮体式発電ユニット(FPU)に対する需要と関心が高まっている。FPUは間違いなくロシア国内だけでなく国際的にも大きな商業的可能性を秘めており、中東、東南アジア、アフリカ、南米の国々がすでに興味を示している。 FPU プロジェクトにおける海外の潜在的な国際電力市場は現在 280万kW 以上と推定されている。」と述べている。

10万kW FPUの外観(画像:ロスアトム)

 

スロベニア・クルスコ原発2期増設プロジェクトの推定コストは 94 億~154 億ユーロ

GENエネルギア社は、スロベニアのクルスコ原発2期増設(JEK2)プロジェクトの策定に関する最新情報を発表し、予想されるコストを提示して電力網の観点からは 130万kW が最適な規模であると述べた。GENエネルギアは、潜在的な供給業者からの拘束力のある提案に基づいたものでなく自社の「内部的ベストエスティメート」によれば、発電容量1 kW あたりオーバーナイト建設費は9,300ユーロであるという。「これは、100万kW発電所1基当たり93億ユーロ (1.6兆円) 、165万kW発電所では154億ユーロ(2.62兆円)を意味する。すべての計算と使用される仮定については、国民投票が行われる前に公認機関による国際的な審査を受ける予定だ。」GEN エネルギアは、国内電力システム調査で100万kWから240万kWの選択肢が検討されたと述べ、「重要な所見は、国内電力網の安全性と安定性の観点から、最適なJEK2の送電能力は最大130万kWであり、特に周波数回復のための手動予備を確保するためのリソースなど、バランスを取る役割を担うシステムの新たな供給源が必要であると述べた。

既設クルスコ原発と並べた JEK2 の外観 (画像: GEN/JEK2)

 

オクロ社、ワイオミング州のデータセンターに10万kW原子力で給電へ

ワイオミング・ハイパースケール・ホワイトボックス・プロジェクトは、オクロ社と20年間の電力購入契約に関する拘束力のない趣意書に署名した。この計画では、ワイオミング・ハイパースケールが建設中のデータセンターに、オクロ社が10万キロワットの原子力を供給することになっている。

オクロ・オーロラ原子炉(画像:オクロ|Gensler)

 

EDF、仏国内で2024年に4,500名の原子力関連人員を採用予定

EDFは、1万人を超える長期雇用労働者プール構築に向けた取り組みの一環で、2024年にフランス国内で4,500人の原子力関連長期雇用者を採用することを目標としている。同社はまた、インターンや就業体験学生を含む1万人の短期労働者の雇用も目指している。

 

中国広東省で企業が原子力に125億元を投資へ

中国広東省は、原子力産業を拡大するため、企業から125億人民元(2,760億円)の投資合意を引き出した。南方日報によると、広東省の原子力発電設備容量は、1,614万kWから2060年までに6,000万kW以上に増加すると予想されている。

 

米ミシガン州、原発推進派が増加 民主党が方針転換

米国ミシガン州の民主党州議会議員たちは、原子力発電をクリーンな電源とみなす「クリーンエネルギー雇用法(Clean Energy and Jobs Act)」の可決に見られるように、共和党議員とともに原子力発電を支持する姿勢を強めている。民主党はまた、パリセーズ原子力発電所の再開に向けて1億5,000万ドルの予算を確保する上で極めて重要な役割を果たした。

ミシガン州ブリッジマンにあるD.C.クック原子力発電所1号機の原子炉炉心 (写真:アメリカン・エレクトリック・パワー提供)

 

研究:原子力は風力や太陽光よりも「採掘集約型」ではない

原子力は何十年もの間、採掘集約型電源として不当に分類されてきた、とブレークスルー研究所(Breakthrough Institute)のシーバー・ワン氏は書いている。ワン氏らのチームの研究によれば、原子力発電所からの単位電力量あたりに必要な岩石と金属の掘削量は、陸上風力発電と太陽光発電に必要な量のそれぞれ23%と30%にしか相当しないという。

(画像:ブレークスルー研究所)

 

米国とEUの機関が放射性物質セキュリティの強化を要求

米国DOE(エネルギー省)国家核安全保障局(NNSA)と欧州委員会(EC)の指導者らは、病院、研究施設、工業施設などのオープンな民生施設にある放射性物質がテロリズムに使用されるのを防ぐため、放射性源のセキュリティを強化する必要性を強調した。 両組織は、IAEA(国際原子力機関)の核セキュリティに関する国際会議(ICONS 2024)において、放射線源セキュリティの強化に関する共同声明を発表した。この声明は、放射線源セキュリティの重要性と、放射性物質セキュリティに対する国としての体制づくりとその維持について、各国を支援するというEUと米国の取り組みを強調している。

ICONS 2024はウィーンで開催中(画像:Dean Calma/IAEA)

 

フッ素・ガリウム併用PSMA-PET/CTは腎がん患者に有効

5/23にJournal of Nuclear Medicineに掲載された研究結果によると、PSMA-PET/CTは腎臓がんの一種である腎細胞がん(RCC)患者を診断するための効果的な代替画像法となる可能性がある。メリーランド州ボルチモアにあるジョンズ・ホプキンス大学医学部のグループは、発表された研究のメタ分析で、ガリウム 68 (Ga-68) ベースとフッ素18(F-18) ベースの両方の抗原 (PSMA) 放射性トレーサーを使用する前立腺特異的膜PET/CT が、原発性 RCC 病変の病期分類および転移性または再発性疾患の再分類において高い検出率を示した。

(画像: Journal of Nuclear Medicine)