• 英国ハートルプール SMR プラントの利点を評価するための研究
  • 米国の協力で原子力級黒鉛サプライチェーンが強化
  • ベラルーシ、ロシアとの原子力発電所協定の更新を批准
  • ホワイトハウス科学技術政策局が原子力を支持
  • エネルギー需要に関する上院パネル討論に原子力が参加
  • DOE、ロシア産低濃縮ウラン輸入免除プロセスを発表
  • 核融合技術開発で日本とカナダが合弁会社
  • ORNLがプロメチウムの特性を研究する方法を発見
  • モーリシャスで核医学治療を提供するセンター
  • ミシガン大学の学生が原子力の有益な利用を目指す
  • 調査:フィンランドの原子力発電所が1年間に吸い込んだ魚は2760万尾
     

英国ハートルプール SMR プラントの利点を評価するための研究

X-エナジー社とキャベンディッシュ・ニュークリアは、X-エナジーのXe-100型高温ガス冷却炉をベースとした、英国ハートルプールで提案されている発電所の潜在的な地域利益と経済的影響の研究をティーサイド大学に依頼した。雇用、スキル、サプライチェーン契約、投資を含む評価は、公共政策教授のマシュー・コットン氏が主導し、ティーズサイド大学国際ビジネススクールと同校の社会科学・人文科学・法学部の専門知識を利用する。 これには、利用可能な社会経済データのレビューと、政府関係者、コミュニティのリーダー、セクターの専門家を含む地元の利害関係者との連携が含まれる。

ハートルプール原発(改良型ガス炉(AGR)2基)は2026年まで運転継続予定(画像:EDF)

 

米国の協力で原子力級黒鉛サプライチェーンが強化

マイクロ原子炉の新興企業であるラジアント・インダストリーズ社とアムステッド・グラファイト・マテリアルズ社は、原子力級黒鉛の海外供給源への依存を減らすために協力することに合意し、ラジアントはカレイドス型マイクロ原子炉開発を支える原子力級黒鉛の「大幅な」発注を行った。

未来の構想: DOME 施設に到着するカレイドス型マイクロ原子炉のレンダリング (画像: Ryan Seper/ラジアント))

 

ベラルーシ、ロシアとの原子力発電所協定の更新を批准

ベラルーシ閣僚評議会は、同国の原子力発電所建設について、2011年にロシアと結んだ当初の政府間協定の保証期間の延長を認める議定書の修正案を承認した。ベルタニュースによると、「議定書によれば、協定で定められた機器の動作保証期間は2年間であるが、これをさらに延長することができる。一部の機器には、より長い保証期間が設けられる場合がある。さらに、協定には核燃料の価格設定とその供給条件はロシアとベラルーシの管轄当局によって合意されるとの条項が含まれている」という。

オストロベツに建設されたベラルシアン原子力発電所(画像:ロスアトム)

 

ホワイトハウス科学技術政策局が原子力を支持

脱炭素化が進み、データセンターがますます多くの電力を必要とする中、ホワイトハウスの科学技術政策局を含む産業界や政府機関から、原子力への支持が高まっている。「風力発電と太陽光発電は脱炭素化において大きな役割を果たすが、安定した確固たる原子力のバックボーンが必要だ。原子力と再生可能エネルギーは相互補完的であり、原子力は実証済みの唯一のクリーンで安定したエネルギー技術だ。」と同局の原子力技術・戦略担当アシスタントディレクター、ライアン・バーランは言う。

ホワイトハウス科学技術局のリアン・バーラン氏が、データ・センター・ワールド 2024 会議で基調講演(画像:DataCenter Knowledge)

 

エネルギー需要に関する上院パネル討論に原子力が参加

米国連邦議会上院エネルギー天然資源委員会は、予想される電力需要の増加に関する議論の中で、原子力の重要性について聞いた。マイクロン・テクノロジー社幹部のスコット・ガツメイヤー氏は、同社は原子力発電所の近くに半導体製造施設を意図的に建設したと述べた。アメリカン・エレクトリック・パワー社のベンジャミン・ファウク暫定CEOは、先進原子力技術の開発を促進するための税額控除を求めた。

 

DOE、ロシア産低濃縮ウラン輸入免除プロセスを発表

米国DOE(エネルギー省)は、最近署名された禁止令により米国の原子力発電所が供給途絶に陥らないようにするため、法律施工後に、数量限定のロシア産低濃縮ウラン(LEU)の輸入を許可するための免除手続きの詳細を発表した。

DOE によると、輸入が次の基準のいずれかを満たしている場合、その輸入は国益にかなう可能性があるという。

l  この輸入は、米国の原子力燃料サプライチェーンにとって極めて重要な米国の原子力エネルギー会社の存続を維持するために必要である。

l  この輸入は、他国の原子力発電所に燃料を供給する既存の取り決めを支援し、その国が米国以外の燃料供給者を求める可能性を最小限に抑えることを目的としている。

免除は限られた量の物質に対してのみ認められ、2024暦年で476,536 kg、2025年には 470,376 kg。 2026年には464,183kg、2027年には459,083kg に逓減する。

(画像:NRC)

 

核融合技術開発で日本とカナダが合弁会社

日本の民間核融合技術会社である京都フュージョニアリングとカナダ原子力研究所(CNL)は、重水素-トリチウム(D-T)核融合燃料サイクル技術の開発と導入を目的とした合弁会社「フュージョン・フュエル・サイクルズ(FFC)」社を設立した。オンタリオ州チョークリバーに本拠を置くFFC は、世界的な核融合開発プログラム向けに大規模な燃料サイクル システムを設計および提供する。両パートナーは、「親組織の高度な技術力と運営能力を融合することで、FFCは、どちらかの組織だけで以前に達成できたものを超える包括的なソリューションを提供できる独自の立場にある」と述べた。

(画像:京都フュージョニアリング)

 

ORNLがプロメチウムの特性を研究する方法を発見

テネシー州にあるオークリッジ国立研究所(ORNL)の研究者たちは、溶液中のプロメチウム化合物を開発し、この放射性希土類元素の詳細な研究を初めて可能にした。「プロメチウムは安定同位体を持たないため、ランタノイドの中で最後に発見された元素であり、研究が最も困難な元素だった。

プロメチウムの化合物を示すコンセプト アート(ジャクリーン・デミンク、アート。 トーマス・ダイク/写真;ORNL、DOE)

関連報道:

https://phys.org/news/2024-05-promethium-bound-uncovers-rare-earth.html

 

モーリシャスで核医学治療を提供するセンター

モーリシャスは、核医学を推進するためのIAEA(国際原子力機関)との長期的協力の一環として、国立がんセンターを開設した。このセンターは、高度な診断ツールを備え、広範なトレーニングの取り組みに支えられており、モーリシャスをがん治療における地域のリーダーとして位置づけることを目指している。

モーリシャスの新しい国立がんセンターは、高度ながんの診断と治療を受ける患者を受け入れる準備ができている。 (写真: Anon/GIS モーリシャス)

 

ミシガン大学の学生が原子力の有益な利用を目指す

ミシガン大学原子力工学科の学生たちは、世界をより良くするために様々な研究を行っている。放射線照射がどのように物質を変化させるかの研究や、水中のPFASを除去するための低温プラズマの研究などがある。

(画像:ミシガン大学原子力工学プログラム)

 

調査:フィンランドの原子力発電所が1年間に吸い込んだ魚は2760万尾

フィンランドのオルキルオト原子力発電所の運転事業者テオリスーデン・ボイマ社(TVO)による1年間の調査によると、冷却システムが発電所合計で46.7トン、2,760万匹の魚を吸い込んだという。この調査によると、魚の95%は3グラム以下であり、そのうちの87%は経済にとっては重要なものではなかった。

TVOによると、プラント冷却水に捕捉されたほとんどすべての魚の重さは数グラム(画像: Samuli Holopainen / Yle)