ザポリージャ原発の”транспортного цеха, transport workshop"(「荷さばきエリア」と下記では訳している)をウクライナ軍の自爆ドローンが攻撃したと、ロシア側運転組織がテレグラムで報じたのを受け、ロシアメディアが一斉に報道。損害は軽微な模様で、ウクライナ側からの反論のような記事は見つけられていない。

  • ロシアメディア:ウクライナ軍、ザポロジェ原発の荷さばきエリアをドローン攻撃
  • 英国の原子力新設にウィルヴァ・サイトを好適地と選定
  • オーストラリアのコスト・レポートが大型原発に言及
  • 中国・漳州1号機の温態機能試験完了
  • 米上院法案、ユッカマウンテンでの廃棄物処分を阻止か
  • ホルテック、オイスター・クリークの許認可終結の計画を延期
  • 五大湖沿岸に保管されている使用済核燃料キャスクのリスクはほとんどない
  • 1964年ロードアイランド州の臨界事故を振り返る
     

ロシアメディア:ウクライナ軍、ザポロジェ原発の荷さばきエリアをドローン攻撃

5/22付けタス通信―発電所広報部門によると、負傷者や重大な被害はなかった。ウクライナ国軍(AFU)は、自爆ドローンを使用して、ザポロジェ原子力発電所の輸送物荷さばきエリアを攻撃した。 同局のテレグラムチャンネルによると、負傷者や致命的な損傷はなかった。「5/22、自爆ドローンがザポロジェ原子力発電所の輸送物荷さばきエリア(территории транспортного цеха)内に飛来したことが記録された。 死傷者や重大な被害はなかった」とメッセージには書かれている。過去2日間、発電所があるエネルゴダルの町が数回攻撃された。 住宅の高層ビルや社会施設などが打撃を受けた。発電所側は「ザポロジェ原発とそのインフラと同様、民間人への砲撃は容認できず、明らかにテロ行為だ」と付け加えた。

ザポロジェ原発(画像:タス通信、訳注:この写真が荷さばきエリアであるかは不明)

関連報道(多数のロシアメディア):

https://tass.ru/proisshestviya/20874159 放射線レベルは正常

https://tass.ru/ekonomika/20875085 サイト駐在IAEA専門家にも通報

https://ria.ru/20240522/svo-1947680579.html 

https://ria.ru/20240522/zaes-1947681344.html

https://ria.ru/20240522/zaes-1947686478.html

https://ria.ru/20240522/zaes-1947708142.html

https://iz.ru/1700463/2024-05-22/vsu-atakovali-territoriiu-transportnogo-tcekha-zaporozhskoi-aes

https://iz.ru/1700473/2024-05-22/vsu-atakovali-bespilotnikom-zhiloi-kvartal-energodara

https://www.interfax.ru/russia/961795

 

英国の原子力新設にウィルヴァ・サイトを好適地と選定

英国政府は、北ウェールズのアングルシー島にあるウィルヴァが新たな大規模原子力発電所の優先建設地であると発表した。 同地での発電所建設を検討するため、国外のエネルギー企業複数との協議を開始した。3月、政府は、イングランド南西部のウィルヴァとオールドベリー・オン・セバーンにある日立所有の新規原子力発電所用地を1億6,000万ポンド(約320億円)で購入することで合意に達したと発表していた。 その際、英国が原子力エネルギー容量の拡大を目指す中で、この2カ所は新規原子力の建設に優先されると予想されると述べた。 政府が新たな原子力用地を取得したのは1960年代以来初めて。政府は現在、ウィルヴァが「サマセット州のヒンクリーやサフォーク州のサイズウェルと同規模の大型原子力発電所」を立地する第一の選択肢であると述べた。

既設ウィルヴァ・サイト(画像:ONR)

関連報道:

https://www.reuters.com/business/energy/britain-selects-site-wales-new-nuclear-power-plant-2024-05-21/ 

 

オーストラリアのコスト・レポートが大型原発に言及

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の年次GenCost報告書に、初めて大型原発が含まれた。このレポートは、2018年に発刊されて以来、小型モジュール型原子炉(SMR)には言及していた。CSIRO は、GenCost を、2050 年までにCO2排出量ネットゼロ達成するために信頼性が高く手頃なエネルギー ソリューションを計画しているビジネス リーダーや意思決定者のための主要な経済レポートであると説明している。GenCost 2023-24に大型原発を含める決定は、2023-24年版向け協議用ドラフトでSMRのコスト計算が更新されたことを受けて、原子力に対するステークホルダーの関心が高まったことがきっかけとなったと同機関は述べた。韓国の原子力開発計画に基づいて大型原発コストを見積もり、韓国とオーストラリアでのコストの違いを調整。 同報告書は、2023年の大規模原子力発電所の予想資本コストをkW当たり9,217豪ドル(kW当たり96億円、6,215米ドル)と計算しているが、この資本コストはオーストラリアが継続的な建設計画に取り組む場合にのみ達成可能であり、初期のより高コストのユニット建設計画が完了した後にのみ達成できると付け加えている。

(画像:CSIRO)

 

中国・漳州1号機の温態機能試験完了

通常運転中に原子炉冷却系統が経験する温度と圧力条件を模擬試験が、中国福建省の漳州原子力発電所1号機で完了した。 このユニットは、同サイトで建設中の華龍一号(HPR1000)原子炉 3 基のうちの 1 基目である。温態機能試験(HFT)には、原子炉冷却系統(RCS)の温度を上昇させ、冷却系統と安全系設備が正常に動作することを確認するための包括的な試験が含まれる。本試験は、核燃料を装荷する前に実施され、発電所の熱運転条件を模擬し、一次系設備および二次系機器および系統が設計要件を満たしていることを検証する。

制御室の作業員が漳州1号機のHFT完了を記念(画像:CNNC)

 

欧州原子力産業協会、EUの水素生産量の拡大を求める

欧州原子力産業協会(Nucleareurope)は、新たなポジション・ペーパで、欧州を拠点とする原子力水素製造の利点を強調した。欧州原子力産業協会によれば、原子力による水素製造の主な利点は、設置された電解槽の負荷率がベースロード生産によって最大化されることであり、原子力により年間 8000 時間に達する可能性があり、設備の寿命と回収率が向上する。

(画像:Pixabay)

 

上院法案、ユッカマウンテンでの廃棄物処分を阻止か

ネバダ州選出、民主党のキャサリン・コルテス・マスト、ジャッキー・ローゼン両上院議員は、ユッカマウンテンが深地層処分場になるのを阻止するため、「廃棄物でなく雇用法」という法案を提出した。この法案は、ユッカマウンテンの指定に関する法律を廃止し、データセンターや科学研究施設の建設など、ユッカマウンテンの他の用途を検討するものである。

2015年10月、米陸軍の退役した浮体式原子力発電所スタージス号の廃止措置で、初の低レベル放射性廃棄物が搬出された。(写真:米国陸軍工兵隊)

 

ホルテック、オイスター・クリークの許認可終結の計画を延期

米NRC(原子力規制委員会)の評価により、ホルテック・インターナショナルはニュージャージー州のオイスター・クリーク原子力発電所の許認可終結計画の提出を延期することになった。ホルテック・インターナショナルは、計画全体を一度に提出するのではなく、各セクションの草案を提出しフィードバックを得ることで、NRCと協力して計画を策定してきた。

(写真:ホルテック提供)

 

五大湖沿岸に保管されている使用済核燃料キャスクのリスクはほとんどない

ミシガン州では、五大湖沿岸に保管されている使用済み核燃料のキャスクが、予想よりも数十年も長く残っていることから、使用済核燃料の保管に対する懸念が高まっている。ミシガン大学原子力工学科のトッド・アレン学科長は、放射性物質が水中に入るリスクは低いと見ている。「キャスク内の金属管が破損したり、キャスク自体が破損したりしなければならないが、これらはとてつもないことだ」と同氏は言う。

ドナルド・C・クック原子力発電所の乾式キャスク廃棄物貯蔵容器。コンクリート製キャスクとスチール製キャスクには、2基の原子炉からの使用済核燃料が収納されている。使用済燃料は、十分に冷却された後、プラント内のプールからこれらの屋外のコンテナに定期的に移動される。 (提供 | American Electric Power)

 

1964年ロードアイランド州の臨界事故を振り返る

ロードアイランド州ウッド・リバー・ジャンクションにあるユナイテッド・ニュークリア社の施設で1964年、作業員が知らずに放射性液体をタンクに注ぎ、核分裂連鎖反応を引き起こした臨界事故があった。作業員は放射線障害で死亡し、施設は数週間の清掃と修復作業の後、操業を再開した。

ユナイテッド・ニュークリア社ウラン・リサイクル・プラント(写真:George E. Rooney/The Province Journal)