• 中国・田湾8号向けに原子炉容器と蒸気発生器を出荷
  • スロバキア、新規原子炉建設を計画
  • ポーランド気候環境省、ロールス・ロイスのSMR計画を承認
  • ホルテック、パリセーズ原発運転再開に向けた進捗状況を概説
  • スタートアップ企業がAIトレーニングにオークリッジのスパコン利用を計画
  • オラノ社との契約がモンゴルでのウラン採掘活発化の先陣となる可能性
  • ロシア、米国によるロシア製核燃料輸入禁止は世界市場に悪影響を与えると主張
  • オランダの規制当局がウレンコ廃棄物保管所に許可を発行
  • ユッカ・マウンテンが上院選の争点に
  • 廃止中の英国原子力発電所の組合員数百人がストに突入
     

中国・田湾8号向けに原子炉容器と蒸気発生器を出荷

原子炉容器と蒸気発生器2基は総重量1000トンを超え、ロシアから陸路、川、海を経由して中国江蘇省の田湾サイトまで輸送される。2023年、田湾7号機向けVVER-1200原子炉容器と蒸気発生器4基が出荷され、8号機用の蒸気発生器4基のうち2基も出荷されていた。これらはすべて、ロシア南部ヴォルゴドンスクにあるアトムマシュ社の製造施設で製造され、中国沿岸部の最終地点まで数千マイル(海上での2か月を含む)を輸送された。

原子炉容器と蒸気発生器の出荷(画像:ロスアトム)

 

スロバキア、新規原子炉建設を計画

スロバキア政府は5/15、原子炉を建設する計画を承認した。新規原子炉は120万キロワットの出力が見込まれボフニチェ原子力発電所に建設される予定。同発電所では現在、スロバキア電力(SE)が2基の原子炉を運転中。政府は、財務大臣と経済大臣が10月末までに詳細を詰めると述べた。 デニサ・サコバ経済大臣は以前、ロシアのエネルギー大手ロスアトムが同発電所建設の入札に参加することは認められないと述べた。スロバキアは電力の50%以上を、ボフニチェ、モホフチェの原子力発電所2か所で発電している。

2000/3/22撮影のボフニチェ原子力発電所(AP写真/TASRスロバキア/Stefan Puskas)

 

ポーランド気候環境省、ロールス・ロイスのSMR計画を承認

ポーランド気候環境省は、同国国営産業開発会社(DA)に所属する産業グループの「インダストリア(Industria)」が、ロールス・ロイスの小型モジュール型原子炉(SMR)をベースにした発電所を建設する計画を承認した。インダストリアは2023年12月、ポーランドの気候・環境大臣宛てに原則決定(DIP)申請書を提出していた。同申請は、ロールス・ロイスのSMR技術を使用した原子力発電所(電気出力47万kWの小型PWR)と、不可欠な部分としての使用済核燃料貯蔵施設の建設に関するものである。5/10、気候環境省は原則決定を発表し、投資は公共の利益であり、ポーランドのエネルギー・気候政策に沿ったものになると考えると述べた。

ロールス・ロイス SMR の外観 (画像: ロールス・ロイス SMR)

 

ホルテック、パリセーズ原発運転再開に向けた進捗状況を概説

一部の元スタッフの復職、制御室シミュレーターを含む訓練施設の改修、規制書類の提出、新しい燃料の発注はすべて、米国の閉鎖されたパリセーズ原子力発電所の再稼働に向けた措置の一環として強調されている 。パリセーズは、米国初の閉鎖後に商業運転の再開を目指す原子力発電所。運転再開計画では、少なくとも2051年までベースロードのクリーン電力を供給し、年間約447万トン、25年間で合計1億1100万トンのCO2排出を回避することになる。プロジェクトの最新情報の中でホルテックは、現在現場には360人のスタッフがおり、再稼働プログラムの開始以来150人増加しており、その中には「新しい人材や元工場従業員の復帰も含まれており、ミシガン州での数百の高賃金雇用の維持と創出に貢献している」と述べた。

制御室シミュレーターが訓練を再開(画像:ホルテック)

関連報道:

https://www.wsjm.com/2024/05/14/holtec-marking-milestones-as-it-seeks-to-reopen-the-palisades-plant/ 

 

スタートアップ企業がAIトレーニングにオークリッジのスパコン利用を計画

アトミック・キャニオン社は、オークリッジ国立研究所(ORNL)にある世界最速級エクサスケールのスーパーコンピューター「フロンティア」を使ってAIツールのトレーニングを行うことを計画している。このスタートアップ企業は、原子力発電所にAIを導入し、内部データやNRC(原子力規制委員会)からの文書を構文解析することを目指している。

スパコン「フロンティア」(画像:DOE)

 

オラノ社との契約がモンゴルでのウラン採掘活発化の先陣となる可能性

モンゴルがウラン採掘の「温床」になるかもしれない。オラノ社が10月に17億ドルの契約に調印し、ズーブチ・オヴォー鉱山での作業を準備しているからだ。この鉱山は世界の生産量の4%を占めると予想されている。「この鉱床は決して唯一のものではない」とオラノ社のオリヴィエ・トゥーミル上級副社長は言う。「モンゴルには、適切なタイミングでウラン市場に参入する大きな可能性がある。なぜなら、ニーズが高まることが分かっているからだ。」

ゴビ砂漠のズーブチ・オヴォーウラン鉱山で合成樹脂タンクの手入れをする作業員。Nanna Heitmann—Magnum Photos for TIME

 

ロシア、米国によるロシア製核燃料輸入禁止は世界市場に悪影響を与えると主張

ロシア国営原子力企業ロスアトムは5/14、米国によるロシア製核燃料の禁止は濃縮ウランの世界市場を損なう差別的な政治的措置であると述べたが、世界的な事業の発展は継続すると述べた。ジョー・バイデン大統領は5/13、ロシアの濃縮ウラン禁止法案に署名した。 米国の原子力発電所で使用される濃縮ウランの約24%はロシア産だ。

2022/6/16、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)での写真。ロイター/アントン・ワガノフ資料写真

 

オランダの規制当局がウレンコ廃棄物保管所に許可を発行

オランダの原子力規制当局である原子力安全・放射線防護庁(ANVS)は、ウラン濃縮会社ウレンコに対し、アルメロ・ウラン濃縮工場サイト内に新たな放射性廃棄物貯蔵施設を建設・運営する最終許可を与えた。同社は2023年、最終許可が発行される前から、施設の建設を許可されていた。2022年秋、ウレンコ社は耐火性が不十分な部屋に放射性物質(活性炭や廃油)が保管されていたとして、検査後にANVSから警告を受けた。公衆や環境への差し迫った危険はなかったが、ANVSは2023年4月に「容認決定」を出し、ウレンコができる限り早く安全要件を満たせるよう、必要な許可を得る前から新たな貯蔵施設を建設できるようにしたもの。最終的な許可が得られたことで「容認状態」は正式に解消されたとANVSは述べた。

アルメロ・サイト(画像:ウレンコ)

 

ユッカ・マウンテンが上院選の争点に

ネバダ州選出の上院議員に立候補している共和党のジェフ・ガンター氏は、同じ予備選候補のサム・ブラウン氏が以前の選挙で、ユッカ・マウンテンの深地層処分場建設に前向きであることを示唆したことを批判した。「もし我々がすぐに行動を起こさなければ、他の州が…我々からその機会を本質的に奪ってしまうことができるかどうかを評価している」とブラウン候補は録音で語っていた。

2023/7/11、ラスベガスでのサム・ブラウン氏。ラスベガス レビュー - ジャーナル資料写真/トリビューン ニュース サービス (Getty Images)

 

廃止中の英国原子力発電所の組合員数百人がストに突入

英国のドンレイ原子力発電所で働くユナイト労組とGMB組合の組合員500人以上が、ニュークリア・リストレーション・サービス社からの賃金提示を拒否した後、ストライキに入った。労働者たちは、2週間は残業なしで規則通りに働き、その後5/29に再びストライキを行う予定だ。

ドンレイ施設(Getty Images)