• カナダ・オンタリオ州、初のSMRの原子力建設を2025年開始予定
  • ハンガリー、ウズベキスタンの原子力発電所向け専門家の訓練を開始
  • 視点:新しい原子力の進展は誇れるが、ペースアップが必要―キャスリン・ハフ
  • 米国上院法案、NRCの原子炉許認可の合理化を目指す
  • 米国23州と電力協同組合が発電所規則をめぐって環境保護庁を提訴
  • トルコ、米国企業によるSMR開発を求める
  • コンステレーション、データセンターへの電力供給にSMRを追加か
  • ナノ・ニュークリア社、設計に留まらない原子炉開発事業を展開
  • Natrium実証炉建設間近のテラパワー、燃料供給に懸念
  • ウラン市場を最大限活用へ、参入希望業者が次々と
  • ORNLで事故耐性高燃焼度燃料の照射後試験開始
     

カナダ・オンタリオ州、初のSMRの原子力建設を2025年開始予定

カナダ原子力安全委員会(CNSC)に提出された書類によると、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社は、同社初の小型モジュール炉(SMR)の原子力部分の建設を2025年に開始し、2028年までに完成する予定である。同社は、GE日立ニュークリア・エナジー社のBWRX-300 SMRを4基建設する計画である。

BWX-300(画像:GE日立ニュークリア・エナジー)

 

ハンガリー、ウズベキスタンの原子力発電所向け専門家の訓練を開始

5/7、ハンガリーのシーヤルトー・ペーテル外相がタシケントを訪問し、ハンガリーにおけるウズベク人原子力専門家の研修を開始すると発表した。 これは、2030年までに倍増すると予想される電力需要の増大に対応するため、ウズベキスタンが原子力発電所を建設する計画に向けたもの。5/7、ウズベキスタン・ハンガリービジネスフォーラムが開催され、貿易・経済関係の発展の見通しが話し合われた。ハンガリーとウズベキスタンも、火力・原子力発電所両方に適用できる循環水を「乾式」冷却する技術方式を使用する可能性について議論している。この技術はハンガリーの企業 Eniox によって開発され、同社はハンガリー輸出入銀行から1億3,000万ユーロの融資を受けてプロジェクトに参加する用意があるという

ハンガリーのシーヤルトー・ペーテル外相(左)とウズベキスタンのラジズ・クドラトフ投資産業貿易相(画像:upl.uz)

 

視点:新しい原子力の進展は誇れるが、ペースアップが必要―キャスリン・ハフ

先ごろ、米国DOE(エネルギー省)原子力担当次官補を退任したキャスリン・ハフ氏との一問一答で、原子力局を率いた 3 年間のハイライトと、原子力容量拡大の背後にある勢いについて振り返る。この記事は、5/ 3に原子力局から初めて公開された。

画像:DOE公開動画からのキャプチャ

 

上院法案、NRCの原子炉許認可の合理化を目指す

上院議員 ティム・スコット上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)とクリス・クーンズ上院議員(デラウェア州選出、民主党)は、原子炉の許認可プロセスにおいてNRC(原子力規制委員会)が義務付けている公聴会の要件を撤廃する法案を提出した。「原子力許認可公聴会効率化法」は、「負担の大きいお役所仕事を取り除き」、「(NRCの)効率性を高め、より安全で強固なエネルギーの未来のために正しい方向へ向かわせる」とスコット議員は言う。

ティム・スコット上院議員(本人提供)

 

米国23州と電力協同組合が発電所規則をめぐって環境保護庁を提訴

米国の23の州と全米農村電力協同組合(NRECA)は、環境保護庁(EPA)の発電所に関する新規則に対し、個別に訴訟を起こした。この規則は、2032年以降、多くの石炭・ガス火力発電所に大幅な排出削減を求めるものである。

コロンビア特別区巡回区連邦控訴裁判所(写真:cadc.uscourts.gov)

 

トルコ、米国企業によるSMR開発を求める

トルコのアルパルスラン・バイラクタル・エネルギー・天然資源大臣は、トルコでの小型モジュール炉(SMR)開発を米国企業に呼びかけた。バイラクタル大臣は、トルコのエネルギー安全保障と2053年までにカーボン・ニュートラルを達成する計画にとって、原子力は極めて重要であると述べている。

バイラクタル大臣(写真:アナドル通信)

 

コンステレーション、データセンターへの電力供給にSMRを追加か

データセンターには大量の電力が必要なため、コンステレーション・エナジー社は既設原子力サイトに小型モジュール式原子炉を追設することを検討している。「我々は、現在存在していないようなサイズ・スケールのプロジェクト開発に関心がある」とジョセフ・ドミンゲスCEOは言う。「我々がやろうとしているのは、必要となる電力容量(メガワット)を明確にした契約を締結することだ」。

ドミンゲスCEO(写真:コンステレーション)

 

ナノ・ニュークリア社、設計に留まらない原子炉開発事業を展開

ナノ・ニュークリア・エナジー社は、先進的な原子炉を開発している数社のうちの1社であるが、同社によれば、競合他社は燃料供給に取り組んでおらず、アプローチが十分でははないという。ナノ・ニュークリアは、ウラン採掘、濃縮度5%超低濃縮ウラン(HALEU)の製造、HALEU輸送の子会社を設立し、原子力サプライチェーン全体に取り組むことを目指している。

(画像:ナノ・ニュークリア・エナジー)

 

Natrium実証炉建設間近のテラパワー、燃料供給に懸念

テラパワー社は、Natrium型原子炉プラントの非原子力部分の建設を来月開始するスケジュールに乗っているが、燃料供給が不透明であることを懸念している、とジェフ・ナヴィン渉外部長は言う。「我々は、いつ完成できるかということでは、2030年が最も確からしい読みだと今も考えている。しかし、必要な[濃縮度5%超低濃縮ウラン(HALEU)]を1キロたりとももれなく、どこからいつ入手できるのか、今日それを説明できないでいる。」

許認可には自信がありそうだ(画像: ロイター/マイク・ブレイク)

 

ウラン市場を最大限活用へ、参入希望業者が次々と

ネクスジェン・エナジー社は、新たに発表した270万ポンド U3O8(1,039 tU)の戦略的調達と先ごろの株式発行が、カナダでの「ルック Iプロジェクトの開発に必要と予想される資本の資金調達に大きく役立つ」と述べた。 デニソン・マインズ社は、その現物ウランへの投資を、将来、フェニックス・プロジェクトのための資金調達の足しとして利用する思惑であり、今しもその現物ウラン持ち分から10万ポンドU3O8を、購入価格の3倍以上で売り抜いたところである。

ルックI鉱山(画像:ネクスジェン)

 

ORNLで事故耐性高燃焼度燃料の照射後試験開始

GEベルノバ傘下のグローバル・ニュークリア・フュエル(GNF)社が製造した高燃焼度燃料集合体が商用原子炉で6年間の照射を終え、米国DOE(エネルギー省)のオークリッジ国立研究所(ORNL)での照射後試験(PIE)に供される。この燃料棒は、DOEの事故耐性燃料(ATF)プログラムの支援を受けて、ノースカロライナ州ウィルミントンのGNF工場で製造されたIronClad及びARMOR先行照射試験集合体(LTA)で、米国のハッチ原子力発電所で3サイクル全体にわたる運転で照射された後、ORNLに発送された。 ORNLは今後数年間にわたってPIEを実施し、安全性と性能を検証する予定。

燃料輸送物がORNLに到着(画像:米国DOE)

関連GEプレス(2018年):

https://www.ge.com/news/press-releases/gnf-delivers-accident-tolerant-fuel-assemblies-plant-installation