• 中国とフランスは原子力協力強化を目指す
  • ハンガリー首相、原子力分野で中国との協力を計画
  • 米下院がADVANCE法を承認、上院での可決も視野に
  • エストニア議会が原子力発電計画の準備を開始
  • フォータムとOKGが水素計画を発表
  • 原子力DACの実現可能性を探る研究ハブ
  • ナバホ・ネーション、ウラン輸送阻止をバイデン大統領に要請
  • 英国が核融合で独自路線を進める中、ITER計画も見直し
  • 英国、核融合プラントの計画政策案について協議
  • ロシア、月面基地を支える原子力発電プラントの開発に着手
     

中国とフランスは原子力協力強化を目指す

中国広核集団有限公司(CGN)とフランス電力公社(EDF)は、原子力に関する協力の深化と拡大に関する意向書に署名した。これは、エマニュエル・マクロン大統領が中国の習近平国家主席のフランス訪問を主催したことを受けてのことだった。会談に関する中国外交部の報告書によると、習主席は、両国は「原子力、イノベーション、金融」を含む多くの分野で協力を強化すべきだと述べ、マクロン大統領はフランスが「民生用原子力」を含む分野で「中国と協力を強化する用意がある」と応じた。訪問中にはCGNの楊長利董事長とEDFリュック・レモン会長兼CEOが署名した原子力分野における関連協力の深化に関する意向表明書(LOI)など、多くの事業協力合意の概要が説明された。

(画像:中国新華社ニュース/X)

 

ロシア・タス通信:ハンガリー首相、原子力分野で中国との協力を計画

ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相は、ブダペストで中国の習近平国家主席と会談した後の記者会見で、ハンガリーは原子力の平和利用分野における中国との協力に関心を持っていると述べた。ハンガリーは中国からの投資を呼び込むだけでなく、両国間の新たな協力分野を含め、中国の先進技術の利用にも期待していると指摘。同首相は「ハンガリーは50年以上原子力エネルギーを開発してきた。今後数十年で、国内で発電される全電力の60~70%を供給することになるだろう」と述べた。ブダペストで行われた交渉の結果、両国は原子力の平和利用分野における協力協定を含む18の様々な文書に署名。ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル外相は「原子力産業全体に向けた協力プログラム」を開発することで中国政府と合意に達したと述べた。

2022年のオルバーン首相(画像:Wikipedia)

 

米下院がADVANCE法を承認、上院での可決も視野に

米連邦議会下院は、「クリーンエネルギー向け汎用先進原子力導入促進法(ADVANCE)法」を、「消防助成金および安全法」に添付する形で可決し、393対13の投票で議場を通過した。 後者の法案は上院で可決される可能性が高く、上院は昨年容易に承認した。

(画像:E&E NEWS)

 

エストニア議会が原子力発電計画の準備を開始

エストニア議会リーギコグの議員らは、国内での原子力の導入と適切な立法・規制の枠組みの構築に向けた準備の開始を可能にする決議草案を提出した。この草案は、エストニアで原子力発電を許可するかどうかについて、リーギコグに対し「基本的な決定」を下すよう求めている。 リーギコグによれば、この草案は主に、エストニアにおける原子力導入は実現可能であると結論付けた原子力作業部会が2021年から2023年に実施した分析に基づいているという。 その検討結果は3月にエストニア政府に提出されている。

リーギコグの議事堂(画像: リーギコグ写真アーカイブ/Martin Siplane)

 

フォータムとOKGが水素計画を発表

フィンランド・スウェーデン両国の電力会社が、原子力関連の水素に関する取り組みをそれぞれお発表した。 フィンランドの「フォータムはロビーサ原子力発電所の近くに水素パイロットプラントを建設する計画を発表し、一方スウェーデンのOKGはオスカーシャム原発での水素充填ステーション向けの運転からの余剰水素を供給する契約をハイニオン社と締結した。ユニパーが所有する OKG は、1992年以来、スウェーデン(注:引用元記事のフィンランドは誤り)のオスカーシャム原子力発電所では。発電電力を使用して、水の電気分解によって水素を生成してきた。

OKG とハイニオン間の契約に署名 (画像: ハイニオン)

 

原子力DACの実現可能性を探る研究ハブ

米国ノースウェスタン大学は、米連邦政府が資金を提供する直接空気捕捉(DAC)研究ハブを主導しており、CO2除去空気処理ユニットをゼロエミッションの原子力で駆動することの実現可能性を調査している。「CO2を捕捉するプロセスが原子力を使用する場合、カーボンニュートラルまたはカーボンマイナスの製品や燃料の可能性が生じる。」と、このプロジェクトの主任研究員であるジェニファー・ダンは言う。

DOE が資金提供するプロジェクトは、回収された炭素の回収、処理、配送、隔離または最終利用計画を実証するために取り組む予定。(画像:ノースウェスタン大学)

 

ナバホ・ネーション、ウラン輸送阻止をバイデン大統領に要請

ナバホ・ネーションはジョー・バイデン大統領に対し、グランドキャニオン近郊の鉱山からユタ州の製錬所にウラン鉱石を輸送する際、先住民の土地を横断することを禁止するよう請願した。2023年、ウラン採掘から保護するため、約100万エーカー(約4,000㎢)の部族地と連邦地が自然保護区に指定された。

 

英国が核融合で独自路線を進める中、ITER計画も見直し

英国は、許認可を合理化し、核融合炉建設に6億5000万ポンドを充てることで、核融合のリーダーになる計画を提案している。この動きは、英国のEU離脱によって英国が国際熱核融合実験炉(ITER)の建設から撤退することになり、ITERが建設スケジュールと予算の見直しを計画することになった後を受けて行われた。

ITERサイトで働く従業員。写真: Christophe Simon/AFP/Getty Images

関連報道:

https://www.telegraph.co.uk/business/2024/05/08/nuclear-fusion-reactors-britain-fast-tracked-taxpayer/

 

英国、核融合プラントの計画政策案について協議

核融合プラントには核分裂炉と同様の原子力立地許認可プロセスは適用されず、代わりに英国政府は開発者主導のサイト選択と国家的重要インフラプロジェクトとしての指定を提案している。核融合発電所向けに確立されつつある規制体制の一環として、英国は現在、「核融合発電所の計画プロセスを定め、合理化する」ため、英国に適用される核融合エネルギーに関する国家政策声明(NPS)案について協議している。政府はこれまでに、「技術、プロセス、危険のレベルが根本的に異なるため」、核融合発電所は従来の(核分裂)原子力発電所に適用される核施設建設許可手続きの対象とならないことを明確にする法律を制定した。また、送電網に電力ではなく産業用途に熱を供給する施設を含む、すべての核融合エネルギー施設をサポートする上で技術的に中立であることも提案している。

(画像: エネルギー安全保障・ネットゼロ省)

 

ロシア、月面基地を支える原子力発電プラントの開発に着手

ロシアの宇宙機関ロスコスモスは、ロシアが中国と共同で運営を計画している国際科学月面基地を支援するための原子力発電プラントの開発を開始した。ロスコスモスはまた、原子力宇宙船で月に貨物を輸送することを目指している。

2023/6/16、ロシアのサンクトペテルブルクでのロシア宇宙国家企業ロスコスモスのユーリ・ボリソフ総裁。 同氏はRIAノーボスチに対し、ロシアが中国と協力して月に原子力発電所を開発する計画について語った。