• 海外報道:新潟県知事、 原子力発電所の再稼働は日本にとって経済的な恩恵と語る
  • IAEA、日本の原子炉の60年間の運転を評価
  • 産業活動の脱炭素化を原子力技術に期待する新たな2つ合意
  • ルーマニア大統領が斗山SMR生産施設を訪問
  • コア・エナジー・システムズ社がインド・タラプール原発の寿命延長を主導
  • SMRの 「規制マラソン 」を避けるため、世界的な改善が急がれる
  • 核融合実験が高密度と閉じ込めを達成
  • LLNLの物理学者、核融合が世界を変えると期待
  • カナダの町が核燃料廃棄物処分場について10月に投票へ
  • WIPP立坑掘削業者、事故後に安全専門家を雇用
     

海外報道:新潟県知事、 原子力発電所の再稼働は日本にとって経済的な恩恵と語る

新潟県の花角英世知事は、柏崎刈羽原子力発電所の2基の原子炉を再稼働させれば、4,396億円(28億4000万ドル)の経済効果があると述べた。東京電力は2012年に同原発を停止し、再稼働の許可を求めている。

 

日本語報道:

 

IAEA、日本の原子炉の60年間の運転を評価

日本の電力会社である関西電力は、美浜原子力発電所の3号機を安全に長期運転するためのタイムリーな措置を講じていると、IAEA(国際原子力機関)の(長期運転の実施に先立つ事前の)長期運転安全評価(SALTO)チームが結論付けた。 チームはまた、40 年を超えたユニットの安全な運用をさらに改善するための推奨事項や提案も提供した。

美浜原発(右端の高い原子炉建屋が3号機。画像:原子力規制委員会)

日本語情報:

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF257A50V20C24A4000000/ 

https://www.sankei.com/article/20240425-W4FPTUUO5VMXTERQ5IXCE7WMFA/

https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1382358

関連関電プレス(SALTO開始)

https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2024/pdf/20240416_1j.pdf 

 

産業活動の脱炭素化を原子力技術に期待する新たな2つ合意

テレストリアル・エナジー社は、同社の一体型溶融塩炉(IMSR)をベースにした産業施設および大規模データセンター向けのゼロ炭素エネルギー・ソリューションの開発で協力するため、シュナイダー・エレクトリック社と契約を締結した。

一方、L&Hインダストリアル社とBWXTアドバンスト・テクノロジーズ社は、ワイオミング州を皮切りに、産業利用先に熱電併給するBWXT先進原子炉(BANR)の展開の可能性について協力する予定である。

覚書に署名したテレストリアル・エナジー、シュナイダー・エレクトリック幹部ら。CERAWeekカンファレンスで撮影(画像:テレストリアル)

 

ルーマニア大統領が斗山SMR生産施設を訪問

ルーマニアは、NuScale技術を使用した小型モジュール式原子炉発電所を計画しており、韓国の斗山エナビリティ社が上部原子炉モジュールを含む中核機器の製造と供給を行う予定である。昌原市の製造施設訪問中、大統領を含むルーマニアの高位の政治家や業界関係者の代表団は鍛造工場やSMR生産のための具体的な施設を視察し、プロジェクトのスケジュールについて話し合った。 クラウス・ヨハニス大統領は訪問後、「ルーマニアはクリーンエネルギー産業のサプライチェーンを発展させ、地域の脱炭素化の取り組み支援を主導したいと考えている。国際協力と確立された主体との提携がこの目的を達成し、ルーマニアのエネルギーと未来の経済を確保する鍵となる」と述べた。

訪問中のヨハニス大統領(右)と斗山エナビリティ朴知原(パク・ジウォン)会長(中央)(画像:斗山エナビリティ))

 

コア・エナジー・システムズ社がインド・タラプール原発の寿命延長を主導

インド原子力発電公社(NPCIL)は、タラプール原子力発電所(TAPS)の 1、2 号機(BWR電気出力16万kW×2基)の原子炉再循環系配管を交換するという、この種では初の取り組みに着手した。この前例のないプロジェクトは、1969年に運転を開始したインド初の原子力発電施設を再生することを目的としている。このような技術的にニッチなプロジェクトを専門とするムンバイに拠点を置く EPC 請負業者であるコア・エナジー・システムズ社が受託した。このプロジェクトは、原子炉再循環系配管とその他のクラス1配管で構成される SS 316L 材料の既存配管における粒界応力腐食割れ (IGSCC) に関連する重大な安全上の懸念に対処する。この現象は、世界中の高経年化した沸騰水型原子炉 (BWR) で特によく見られる現象であるNPCIL はこれらの重要なコンポーネントをプロアクティブに交換することを選択した。

タラプール原発1/2号機(画像:NPCIL)

 

SMRの 「規制マラソン 」を避けるため、世界的な改善が急がれる

英国ではロールス・ロイス社の小型モジュール炉の審査に4年半かかると予想されているが、他の国々はそれ以上かかると予想されている。ロールス・ロイス社とIAEA(国際原子力機関)は、SMRの認可を早めるため、世界的な規制の見直しを求めている。「このビジネスモデルを成功させるためには、新しい状況に適応するための規制アプローチが必要だ」とIAEAラファエル・マリアノ・グロッシ事務局長は言う。

世界初の商用小型モジュール型原子炉が中国に設置 (写真: Luo Yunfei/China News Service/VCG/Getty Images)

 

核融合実験が高密度と閉じ込めを達成

商用核融合発電所への一歩として、科学者たちはDIII-D国立核融合施設のトカマク炉をグリーンワルド密度限界を20%上回る平均密度で2.2秒間運転し、プラズマ密度を上げた状態で安定に保持した。科学者たちは、プラズマの中心部の密度を高くし、周辺部の密度を低くすることで、重水素ガスをプラズマに吹き込み、反応を制御した。この実験は『ネイチャー』誌に掲載された。

DIII-Dトカマク核融合炉の内部 (写真:ルスウィルコックス (CC BY-SA 4.0))

 

LLNLの物理学者、核融合が世界を変えると期待

ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)のプラズマ物理学者タミー・マーは、核融合が現実のものになれば、エネルギーは限られた資源ではなくなるだろうと、核融合の商業化に向けた研究所の取り組みに関するTEDコンファレンスでの発表の中で語った。「これは、私たちが知っている世界を変えるだろう。エネルギーが本質的に無制限になれば......どの国もエネルギーに依存しなくなり、世界中で生活水準が上がり、創造的な新しい方法でエネルギーを利用できるようになるだろう」。とマー氏は述べた。

プラズマ物理学者タミー・マー氏(写真提供:LLNL)

 

カナダの町が核燃料廃棄物処分場について10月に投票へ

オンタリオ州サウスブルースの住民は10/28、カナダ初の核燃料廃棄物深地層処分場の受け入れを提案すべきかどうかを決める住民投票に投票する。この処分場には260億ドルの建設費がかかり、建設期間中および操業期間中は、ホスト・コミュニティで数千の雇用が創出される。

カナダの使用済核燃料バンドルを保管するための深層地層処分場を示すグラフィック(出典:カナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO))

 

WIPP立坑掘削業者、事故後に安全専門家を雇用

ハリソン・ウェスタン・シャフト・シンカーズ社は、ニューメキシコ州の廃棄物隔離パイロット・プラント(WIPP)でユーティリティ・シャフトを掘削しているが、昨年の巻き上げ事故を受けて、安全文化の専門家を雇うことになった。同社は、WIPPの運営会社であるサラド・アイソレーション・マイニング・コントラクターズ社から2月に出された作業停止命令を解除するため、是正措置などを取らなければならなかった。

ニューメキシコ州の廃棄物隔離パイロットプラント (写真:DOE)