• コンステレーション、ドレスデンの80年運転に向けSLR申請
  • 中国・田湾8号に内側格納容器ドームを据付
  • カナダの新年度予算、原子力許認可プロセスの合理化を目指す
  • ウクライナ・エネルゴアトムとホルテック が SMR 製造施設の契約締結
  • コンステレーションCEO:原子力がAIの電力ニーズに応える
  • トリウムを代替燃料とみる複数の企業
  • バイデン大統領予算教書、一般的処分場基準を示唆
  • 朝日新聞英語版:玄海町が廃棄物処分場の受け入れを検討
  • 原子力船サバンナの廃止措置がNRC会議の議題に
     

コンステレーション、ドレスデンの80年運転に向けSLR申請

米国の電力会社コンステレーション・エナジー社は、イリノイ州に2基を擁するドレスデン原子力発電所の「2度目の認可更新(SLR)」をNRC(原子力規制委員会)に提出した。 米国の原子炉は当初、最長40年間の運転が認可される。ドレスデン2号機(1970年運開)、3号機(1971年運開)の2基の沸騰水型軽水炉(BWR))は、NRCから1度の認可更新(LR)を受けており、現在、それぞれ2029年と2031年まで運転認可されている。SLRが認可されれば、各ユニットは 2049 年と 2051 年まで運転できることになる。

ドレスデン原発(画像:コンステレーション)

 

中国田湾8号に内側格納容器ドームを据付

中国江蘇省にある田湾原子力発電所8号機の内側格納容器構造物のドームが、内側格納容器壁の上に吊り上げられ所定位置に据え付けられた。ロシア製VVER-1200ユニットは、安全性を最大限に高めるために二重格納容器を採用しており、鉄筋コンクリートが地震、津波、ハリケーンなどの自然災害を含む外部の危険からプラントを保護する。田湾8 号の内側格納容器鋼製ドームの下層部分は 3/13までに所定位置に据え付けられていた。中国核工業集団公司(CNNC)は、重さ210トンの内部格納ドーム頂部が4/15に原子炉建屋の設計位置に設置されたと発表した。CNNCは、ドームの総重量は600トンを超えており、「中国で最も重い薄肉殻鋼製ライナードーム」であると指摘した。

内側格納容器ドーム(画像:ロスアトム)

ドームが所定の位置に吊り上げられる (画像: CNNC)

 

カナダの新年度予算、原子力許認可プロセスの合理化を目指す

カナダ政府は最新の予算で「原子力プロジェクトをタイムリーかつ予測可能かつ責任ある方法で建設できるよう支援する」措置を発表した。2024年のカナダ連邦予算は4/16、クリスティア・フリーランド副首相兼財務大臣によって下院で発表された。予算書は、大型プロジェクトのスケジュールの明確化と短縮を支援し、建設の迅速化を図る措置を述べている。 これらには、カナダ原子力安全委員会(CNSC)およびカナダ影響評価庁(IAAC)が協力して原子力プロジェクト審査を3年とする目標を設定すること、およびプロセスをより効率的に合理化し、両機関間の重複を減らす方法を検討することが含まれる。

予算書表紙(カナダ財務省)

 

ウクライナ・エネルゴアトムとホルテック が SMR 製造施設の契約締結

本契約は、小型モジュール式原子炉(SMR)用コンポーネントの製造能力と使用済核燃料の輸送・貯蔵システムをウクライナに創設することを規定している。エネルゴアトムのペトロ・コティン会長代理(下の写真)とホルテック・インターナショナルのクリス・シン社長兼CEOによる契約書へのオンライン署名は、ウクライナのヘルマン・ハルシチェンコ・エネルギー大臣の立会いの下で行われた。本契約は、ウクライナでのホルテック製SMRの展開を推進し、「展開の暁には使用済燃料貯蔵施設を通じて、滞りなく原子炉を運転できるよう支援する」ことを目的としている。

(画像:ホルテック)

 

コンステレーションCEO:原子力がAIの電力ニーズに応える

AI開発者は、原子力への関心をますます高めている。「AIは多くの電力を必要とし、24時間365日の電力を必要とするからだ」と、コンステレーション・エナジーのジョセフ・ドミンゲスCEOは言う。ドミンゲスCEOは、「再生可能エネルギーが優れているのと同様に…この国にはベースロード電力が必要であることを認識している」として、原子力発電が成長する明確な道筋があると見ている。「…風が吹いているときや太陽が出ているときだけ電力があればよいというものではない」。

コンステレーション社のドミンゲスCEO(画像:ブルームバーグ動画のキャプチャ)

 

トリウムを代替燃料とみる複数の企業

トランスミューテックス社とコペンハーゲンアトミクス社等、複数の企業がトリウム燃料サイクルを利用した原子炉の開発に取り組んでいる。「トリウムはレアアースの精錬から得られるが、厄介な物質と見なされている。」とトリウム・エナジー・アライアンスのエグゼクティブ・ディレクター、ジョン・カッチ氏は言う。「トリウムは民生用核燃料であるべきだ。トリウムはウランよりも取り扱いが簡単で、純粋なサイクルで燃やせるし、廃棄物もずっと少なく、それから爆弾を作ることはできない。

フランスのパンリー原子力発電所 出典: © Tesson/Andia/Universal Images Group/Getty Images

 

バイデン大統領予算教書、一般的処分場基準を示唆

ジョー・バイデン大統領の2025年度予算教書は、政府が使用済燃料等廃棄物処分に関する基準を更新する可能性を示唆している。「政権の2025(会計年度)予算は、高レベル廃棄物の長期貯蔵のための一般的な処分場基準の開発に向けた強力な第一歩を提供する。... 一般的な処分場基準が、より合理的な核燃料サイクル政策への第一歩であることが、政策立案者の間で広く認識されている段階にある」と、米国原子力学会のクレイグ・ピアシーCEOは言う。

 

朝日新聞英語版:玄海町が廃棄物処分場の受け入れを検討

4/15、佐賀県玄海町議会の原子力対策特別委員会が、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致に向けた第一歩を踏み出すための議論を始めた。原子力対策特別委員会は、1月から3月にかけて地元の3団体が議会に提出した陳情を受けたもの。この陳情は、放射性廃棄物の最終処分場として選定するための政府の「文献調査」を受け入れるよう議会に求めている。同町はすでに九州電力の玄海原子力発電所がある。

2023/6/20、玄海原子力発電所(朝日新聞資料写真)

 

原子力船サバンナの廃止措置がNRC会議の議題に

米国NRC(原子力規制委員会)は、国内初で唯一の原子力商業船であるNSサバンナ号の廃船について話し合う公開会合を5月に予定している。サバンナは米国国定歴史建造物(NHL)に指定されており、浮体式博物館となる可能性もある。

NSサバンナ号 (写真提供:NSサバンナ協会)