• IAEA事務局長、国連安保理でザポリージャ原発状況を説明へ
  • ロシアメディアーグロッシ氏:IAEAの原子力安全に関する7つの柱はそれぞれ侵害
  • 日本の柏崎刈羽原発で燃料装荷開始へ
  • ノルウェーの町が原子力発電所の土地区画作業を開始
  • ブラジル原子力発電公社、アングラ3号コストのレポートに返答
  • 世界の原子力開発には5兆ドル必要だが銀行は消極的
  • 韓国の原子力発電所、デジタルツインで遠隔監視へ
  • NRC提出文書で、掘削がプレーリーアイランド停電の原因と判明
  • ARG-US 技術は原子力パッケージの遠隔監視を可能に
  • 英国原子力発電所で労働者が2日間のストライキを計画
     

IAEA事務局長、国連安保理でザポリージャ原発状況を説明へ

IAEAのラファエル・マリアノ・グロッシ事務局長は、4/15、ニューヨーク時間午後3時に国連安全保障理事会(UNSC)で、ウクライナのザポリージャ原子力発電所(ZNPP)の状況について演説する予定だ。 同氏はまた、演説後のUNSCメディアぶら下がりで、概要を説明する予定。

 

ロシアメディアーグロッシ氏:IAEAの原子力安全に関する7つの柱はそれぞれ侵害

4/15国連本部発、タス通信―IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、国連安全保障理事会での声明で「IAEAの原子力安全の7つの柱がそれぞれ侵害されている。最後の重量チップが、微妙にバランスしている天秤を傾けてしまうのを座して見ているわけにはいかない」と述べた。 同氏はまた、2年間にわたる紛争が「ザポリージャ原子力発電所の原子力安全に大きな負担を与えている」とも指摘した。

グロッシ事務局長(写真:アレクセイ・コノバロフ/タス通信)

関連報道:

https://tass.ru/mezhdunarodnaya-panorama/20554453 IAEAはコミュニケーション維持を支援していく

https://tass.ru/mezhdunarodnaya-panorama/20554421 原子力事故の可能性は現実のもの

https://tass.ru/mezhdunarodnaya-panorama/20554397 ZNPP攻撃前にエネルホダルへのドローン攻撃が増していた

https://tass.ru/mezhdunarodnaya-panorama/20554353 ZNPP攻撃は原子力安全リスク

https://ria.ru/20240415/stantsiya-1940269517.html 

https://ria.ru/20240415/ataki-1940270405.html 

https://ria.ru/20240415/intsident-1940270613.html 

https://ria.ru/20240415/bezopasnost-1940272951.html 

https://iz.ru/1682904/2024-04-15/glava-magate-prizval-sb-pomoch-snizit-risk-intcidentov-na-zaes 

https://www.interfax.ru/world/956019 

 

日本の柏崎刈羽原発で燃料装荷開始へ

東京電力は、日本の原子力規制委員会の認可を受けて、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所7号機への燃料装荷を開始する予定である。 原子炉がいつ再稼働するかはまだ分かっていない。同電力は「安全装置の健全性を確認するための試験使用の承認をいただいた」としている。 「今後、燃料装荷とその後の使用前事業者検査を実施して、機器の完全性を確認する。」東京電力は、ユニットの再稼働の可能性に先立ち、4/15の16時頃(現地時間)から燃料装荷プロセスを開始すると発表した。2011年8月以来停止している柏崎刈羽7号機が運転を再開するには、依然として追加の規制検査が必要となる。また、県知事の同意も必要。 国は花角英世新潟県知事に再稼働の承認を求めているが、同意するかどうかはまだ発表していない。

柏崎刈羽プラント(画像:東電)

東電プレス:

https://www.tepco.co.jp/press/release/2024/pdf2/240415j0101.pdf 

 

ノルウェーの町が原子力発電所の土地区画作業を開始

ノルウェーのトロンデラーグ県ハイム市は、原子力発電所建設のための区域設定に向けた規制作業の開始と、その区域に関する以前の計画の中止を発表した。この通知は、2023/11/2にノルスク・シャーナクラフト社が、アウレ市とハイム市における複数のSMRに基づく発電所建設の評価を求めてノルウェー石油エネルギー省(OED)に提出した提案を参照している。通知の受信者には、ノルウェー放射線・原子力安全局(DSA)、ノルウェー軍、ノルウェー水資源エネルギー局(NVE)、送配電網事業者スタットネット、環境庁などが含まれる。

プラント建設予定地(画像:ノルスク・シャーナクラフト)

 

ブラジル原子力発電公社、アングラ3号コストのレポートに返答

ブラジル原子力発電公社(Eletronuclear)は、アングラ原子力発電所3号機の完工に向けて投資することの経済的利益を強調し、顧客が支払う可能性のある最終料金についての正式な調査はまだ完了していないと強調した。前週、ブラジル連邦会計検査院(TCU)は、1980年代に建設が開始され、その後中止された同原発を完成させるプロジェクトの各側面の分析を発表していた。TCUの料金計算の分析によると、最終的な電力価格は「公共料金はリーズナブルであり、国民が利用しやすいという原則を尊重するものにはならない」という。 さらに、「国の原子力政策にという企業にとっては潜在的に前向きな外部性があるとしても、アングラ3号の建設が継続された場合、プロジェクトが放棄された場合よりも消費者への料金ははるかに高くなるだろう」と付け加えた。

一方、原発公社の声明では、「アングラ3号が発電する電力価格は、クリーンで無公害(温室効果ガスを生成しない)、安全で信頼性の高い安定した電源としては確実に競争力のあるものになるだろう」と付け加えた。さらに、最近の研究では、原子力発電セクターに10億レアル(300億円)が投資されるごとに、生産チェーンで31億レアル(920億円)が生み出され、ブラジルで2万2,500人の雇用が生み出され、そのうち1万7,500人がリオデジャネイロ州で雇用されるだろうと付け加えた。

アングラサイト(画像:ブラジル原子力発電公社)

 

世界の原子力開発には5兆ドル必要だが銀行は消極的

IAEA(国際原子力機関)は、世界の原子力産業が今世紀半ばまでに5兆ドルの資金を必要としていると推定しているが、銀行家はプロジェクトのリスクが高いとして資金調達に消極的なようだ。「銀行家が一様に悲観的であれば、それは自己成就予言*だ」とアーネスト・モニス元DOE長官は言う。

* 自己成就予言(self-fulfilling prophecy)は「例え根拠のない思い込みであっても、思い込んでいるうちに本当にそうなってしまうことがある」と言う意味の心理学用語

(画像:OILPRICE)

 

韓国の原子力発電所、デジタルツインで遠隔監視へ

韓国水力原子力(KHNP)は、人工知能監視診断(AIMD)センターでデジタルツインを使用して5つの原子力発電所を遠隔監視する計画だ。 「デジタルツインにより、3次元の仮想世界でさまざまな発電所の炉心、タービン、発電機を同時にチェックできるようになる」とKHNP関係者は言う。

4/1、大田(テジョン)のKHNP中央研究開発センター内にあるAIMDセンターの研究者らが、全国で稼働している同社の原子力発電所を点検している。左のぼやけた画面には、リアルタイムで慶尚北道蔚珍にあるハヌル原子力発電所5号機で運転中の原子炉冷却材ポンプが写っている。( KHNP 提供)

 

NRC提出文書で、掘削がプレーリーアイランド停電の原因と判明

ミネソタ州にあるプレーリーアイランド原子力発電所で数ヶ月に及ぶ停電が発生したが、これは作業員が地中レーダーを使用せずに地下を掘削した際に電源ケーブルを切断したためであると、エクセル・エナジー社がNRC(原子力規制委員会)に提出した文書に記載されている。エクセル社は当初、設備の問題が停電を引き起こしたと発表していた。

2017年のプレーリーアイランド原発(写真:グレン・スタッブ、スター・トリビューン)

 

ARG-US 技術は原子力パッケージの遠隔監視を可能に

アルゴンヌ国立研究所(ANL)は、ARG-US と呼ばれる遠隔監視技術を使用して、保管、輸送、廃棄時の放射性物質の3S(安全、セキュリティ、保証措置)を強化することを目指している。 無線自動識別(RFID)タグが、ARG-US技術の基盤となっている。

ARG-US システムは、アクティブ RFID センサー監視タグを使用して、輸送または保管中の原子力パッケージを追跡および監視する(画像:ANL)

 

英国原子力発電所で労働者が2日間のストライキを計画

英国のドンレイ原子力発電所(廃止措置中の高速原型炉)で働くプロスペクト組合の組合員らは、5/1、2にストライキを計画している。2023年に遡る4.5%の申し出を拒否したのを受け、労働組合ユナイトと全国都市一般労組(GMB)も争議行為に合意した。

ドンレイ原子力発電所(画像:GETTY Images)