ザポリージャ原発4号機が低温停止に移行し、2022年以来、初めて全6基が低温停止となった。
IAEA(国際原子力機関)のラファエル・マリアノ・グロッシ事務局長は、4/13、同日早朝にウクライナのザポリージャ原子力発電所(ZNPP)4号機が低温停止運転状態に達したのを受け、2022年末以来初めて、同原発の6基すべての原子炉ユニットが低温停止に入ったと述べた。
IAEAが以前に報告したZNPPの計画に沿って、プラント側は4/12朝、4号機の高温停止から低温停止への移行を開始し、4/13午前7時30分にプロセスを完了した。プラントスタッフのほとんどが住んでいる近隣のエネルホダル市が、近頃、冬の暖房シーズンを終了したことを受け、プラント側はこの措置を講じることを決定していた。
「施設全体の安全性向上に向けて、かねてよりIAEAが推奨してきたこの進展を歓迎する。 IAEAは今後もザポリージャ原子力発電所の運転状況を注意深く監視し、急速な変化と課題の中で技術的に実行可能な代替案を提供していく」とグロッシ事務局長は述べた。
ZNPPは2022年9月にウクライナ国家送電網向けの発電を停止したが、2022年10月以来、地域暖房と廃液処理用のプロセス蒸気を供給するため、6基のうち少なくとも1基を高温停止状態に置いてきた。
IAEAの勧告に従い、プラント側が2024年初めにそのような廃棄物処理用の蒸気を生成するために新しく設置された4台のディーゼル蒸気発生器の運転を開始した後は、原子炉4号機は主にエネルホダルへの温熱供給を目的として高温停止状態を続けていた。他の5基の原子炉は低温停止状態であり、このほど4号機も加わった。
低温停止中は、何らかの理由で熱の除去が中断された場合でも、原子炉内の核燃料の冷却が困難になるまでの時間余裕が数日間は増す。また、高温停止時より、必要な原子炉冷却水も少なくて済むが、これは2023年半ばに下流のカホフカダムが破壊されてから困難さを増した課題だった。
この措置は原子力安全にとって前向きだが、過去1週間、同施設を狙ったドローン攻撃が数回あり、欧州最大の原子力発電所が深刻な危険に直面している現在、状況は依然として極めて脆弱である。
「原子炉を冷却していれば、それによって、事故が起きた場合でもバッファを増すことになるため、6基すべてを低温停止するという決定自体が前向きなことだ。しかし、それは最近のプラントの状況の急激な悪化という根本的な問題に対処できるものではない。間違いなく、この大型原子力施設における原子力安全・核セキュリティは依然として非常に不安定である」とグロッシ事務局長は語った。
4/13朝、その潜在的リスクが再び強調されたのは、サイト駐在のIAEA専門家チームから、30分以内に16発の砲撃が聞こえたと報告を受けたときだ。一部は近距離で、一部は遠くで、それでもはっきりと聞こえた。
ウクライナの国家規制当局であるウクライナ国家原子力規制検査局(SNRIU)は、これまでにZNPPの6基すべての運転を低温停止状態に制限する規制命令を出していた。
ザポリージャ原子力発電所の制御室 写真:アレクサンダー・ポレジェンコ/TASS
IAEA Xポスト:
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https://www.vedomosti.ru/politics/news/2024/04/13/1031664-energoblok
https://www.dw.com/ru/vse-reaktory-zaporozskoj-aes-perevedeny-v-rezim-holodnyj-ostanov/a-68810227
https://energyland.info/analitic-show-255548https://energyland.info/analitic-show-255548
ロシアメディア:
https://tass.ru/mezhdunarodnaya-panorama/20536313
https://tass.ru/obschestvo/20533355
https://ria.ru/20240413/stantsiya-1939831986.html
https://ria.ru/20240413/zaes-1939749366.html
https://iz.ru/1681800/2024-04-13/poslednii-blok-zaes-pereveli-v-rezhim-kholodnyi-ostanov
https://www.interfax.ru/russia/955638